モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 9月17日 フランス
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第15戦フランスGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2006年9月17日(日)
■開催地:フランス/エルネー
■周回数:第1ヒート=20周、第2ヒート=20周
■天候:晴れ
■観客数:17,000人
REPORT
エバーツがグランプリ通算101勝目を達成!
YZ450FMを駆るS・エバーツは、今季の最終戦フランスGPで両ヒート優勝し総合優勝を獲得。GP通算101勝目を飾りGPライダー生活にピリオドをうった。2006年世界チャンピオンを含めて、125cc、250cc、500cc、MXGPそしてMX1の各カテゴリで合計10度の世界タイトル獲得を誇るエバーツは、この日も両ヒートを制し17,000人の観客から大きな喝采を受けたのだった。
金曜日には雨が降り続き土曜の予選も時間が短縮されて行われたが、日曜日のエルネー上空には青空が広がり眩しい陽射しを浴びて決勝を迎える。第1ヒート、GP100勝を描く特別なカラーリングが施され、ピレリのホワイトタイヤを装着したYZ450FMを駆るエバーツは、ライバルのM・ピション(ホンダ)、J・コピンズ(ホンダ)が転倒して順位を下げるなか、安定した走りをキープ。2番手に上がってきたJ・バラガン(KTM)を引き離して快勝した。第2ヒートでもエバーツは、レース序盤3分の1消化時点で2番手以下に10秒以上の差をつける速さで独走しそのまま優勝した。チームメイトのC・メロッテは負傷した足が回復せず欠場した。
これでエバーツは今季15戦中14回の総合優勝。22連勝を含む27ヒート優勝を挙げた。またポールポジション8回、合計獲得ポイント739点(全勝した場合の最高得点750点)を記録した。なおエバーツは、今週末に開催される第60回モトクロス・オブ・ネイションズでベルギーチームのキャプテンを務める。これがエバーツにとって最後の大きな国際イベント参加となる。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 39'47.108 |
2 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'3.994 |
3 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'20.304 |
4 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'31.984 |
5 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'34.192 |
6 | J・コピンズ | NZL | Honda | 0'36.959 |
7 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'47.813 |
8 | B・ヨルゲンセン | DNK | Honda | 0'52.007 |
9 | J・ノーブル | GBR | Honda | 0'55.251 |
10 | P・ルーレ | FRA | Honda | 0'57.249 |
11 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 1'1.372 |
12 | G・クロカード | GBR | Honda | 1'6.338 |
13 | M・ジョーンズ | GBR | Honda | 1'17.602 |
14 | C・デサーレ | BEL | Suzuki | 1'20.666 |
15 | J・バンニ | FRA | KTM | 1'21.569 |
16 | J・ガルシア・ビコ | ESP | Honda | 1'22.536 |
17 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 1'23.742 |
18 | A・ピローネン | FIN | TM | 1'33.622 |
19 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | 1'36.562 |
20 | M・ヴァン・ダエル | BEL | Honda | 1'39.433 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 39'50.449 |
2 | J・コピンズ | NZL | Honda | 0'8.456 |
3 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'18.562 |
4 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'28.354 |
5 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'30.939 |
6 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'32.686 |
7 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 0'47.489 |
8 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'58.681 |
9 | J・ノーブル | GBR | Honda | 1'1.768 |
10 | G・クロカード | GBR | Honda | 1'6.694 |
11 | B・ベルフーベン | NED | Kawasaki | 1'8.514 |
12 | P・ルーレ | FRA | Honda | 1'16.892 |
13 | M・ヴァン・ダエル | BEL | Honda | 1'31.347 |
14 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 1'39.713 |
15 | M・ジョーンズ | GBR | Honda | 1'41.730 |
16 | C・デサーレ | BEL | Suzuki | 1'44.078 |
17 | A・ピローネン | FIN | TM | 1'50.532 |
18 | C・コーロン | FRA | Suzuki | -1 Laps |
19 | L・フライベルクス | LVA | Suzuki | -1 Laps |
20 | R・タン | FRA | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | Yamaha | 739 |
2 | K・ストライボス | Suzuki | 529 |
3 | S・ラモン | Suzuki | 483 |
4 | K・デディッカー | Honda | 463 |
5 | T・レオク | Kawasaki | 443 |
6 | J・バラガン | KTM | 376 |
8 | M・プリエム | Yamaha | 278 |
11 | C・メロッテ | Yamaha | 224 |
15 | J・ビル | Yamaha | 167 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 739 |
2 | Suzuki | 599 |
3 | Honda | 576 |
4 | Kawasaki | 458 |
5 | KTM | 454 |
6 | TM | 168 |
COMMENT
S・エバーツ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「今日は、レースを心から楽しみたいと思っていたし、多くの思い出をつくりたいと思っていた。最後のグランプリを優勝で飾れたのは素晴らしいこと。第2ヒートのスタート直前、15秒前のボードが提示されたときは、胸がいっぱいになった。そして"行くぞ"、そしてエンジョイするんだと自分に言い聞かせた。今年は素晴らしいシーズンで、とても乗れていた。自分でも15大会中14大会で優勝できるとは予想できなかったほど。なかでも日本GPは、ベストレースだったと思う。今年のYZ450FMは、今まで自分が乗ったマシンのなかで最高のマシンの一つ。昨年の10月に新しいYZ450FMに乗った時、自分の走りのレベルとスピードを上げることができるとすぐに確信できた。でもこれほど多くの勝利を挙げることができるとは、正直思わなかったよ。チームと、僕を支えてくれた人たちすべてにもう一度お礼を言いたい」
C・リナルディ、ヤマハ・インター・スポーツ・モトクロスチーム監督談
「こんな素晴らしいレースの談話はいつも難しいもの。でも正直今日は確信を持てなかったんだ。実はステファンが前大会のリーロップで精神的に疲れているのを見ていたからね。でも彼はそれを解決した。両ヒートで素晴らしいスタートを見せ、楽勝できるエネルギーを、彼は一体どこで得たのか私にはわからないよ。これが最後になるのはさみしいが、我々のこの歴史と過去6年間の記録を誇りに思っている。彼が現役GPライダー生活にピリオドをうつには、今日は最高のかたちだった」
M・リナルディ、ヤマハ・インター・スポーツ・モトクロスチーム総監督談
「ステファンとは2001年に契約を結び、6年間お互いにベストを尽くして来た。そして最高の結果を残した。彼はレースに勝ち続けているが、今日で引退。これはスポーツマンとしては信じがたいこと。こうした例はモトクロスに限らず、どんなスポーツでもめったに見られない。モトクロスは多くの優れたライダーが集まる厳しいスポーツだが、我々は今年がこのような流れになるとは予想していなかった。今は、チーム、ヤマハ、そしてステファンの誰もが満足していると思う。また私自身にとっても今日は特別な日だ。チームをマネージメントする最後の日だったからね。今日の朝は少し感慨深いものがあった。来年はもっと裏方にまわってYZの技術的な開発に集中する予定だ」
L・K・コーカンプ談(YMENV レーシングマネージャー)
「類まれな有能なライダーの一つの時代が終わった。彼とともに6つの世界タイトルを得たことは素晴らしい成果だ。今日は胸がいっぱいになる一日だった。かつて我々はプロトタイプのマシンでGPに参戦していたときもあったが、最近は市販マシンでの出場となってきた。エバーツが今年乗ったマシンもほとんどストック状態で、フレームはスタンダードのもの。エンジンは特別にチューニングしている部分もあるが基本的にはリナルディチームが市販マシンをベースに開発したものだ。このモデルで2006年を勝つことができてすごく喜んでいる」