モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 7月30日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第11戦チェコGP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2006年7月30日(日)
■開催地:チェコ/ロケット
■周回数:第1ヒート=21周、第2ヒート=21周
■天候:晴れ ■気温:27度
■観客数:23,000人
REPORT
エバーツが開幕以来11連勝!
V10獲得に1ポイントに迫る
ヤマハ・インタースポーツ・モトクロスチームからYZ450FMで参戦しているS・エバーツが総合優勝、今季開幕以来の11連勝を飾った。またこれは19ヒートの連続優勝で同時にグランプリ通算98勝目(総合優勝)となった。自身10度目の世界タイトル獲得に必要なポイントはわずか1ポイントとなった。(今大会終了時点でランキング2位とのポイント差は149。次戦でライバルより1ポイントでも多くポイントを獲得すれば、その差が150以上となり残り3大会を残しタイトルが決定する)。
首都プラハの西110kmに位置するコースは今回、若干改修工事が行われピットレーンが一新され、ライダーからはピットサインが見易くなった。また一部タイトコーナーが連続するレイアウトとなったが、路面は比較的穏やかで、一部小石が散乱していて滑りやすいところもあるが全体として高速型となっている。
エバーツは予選でK・ストライボス(スズキ)を100分の2秒差で抑え5連続のポールポジションを獲得。決勝はJ・コピンズ(ホンダ)のホールショットからスタートする。しかしエバーツは1周目を終了した時点でコピンズをかわしてトップに浮上。その後レースが3分の2をすぎる時点まで両者の差は2秒以内の接近戦となるが、ラスト10分頃からエバーツがスパートして結局4秒半のリードでコピンズの追撃を退け優勝を決めた。第2ヒート、エバーツは開始直後の第1コーナーでの他車との接触があったが、J・バラガン(KTM)、次いでストライボスをかわして早々にトップに立つと、そのまま独走して優勝した。
C・メロッテは不運に見舞われた。前戦の南アフリカGPで小石が喉に当たったC・メロッテだったが、今回は石がブーツの中に入りスネを圧迫。序盤6番手につけていたが、ピットインを強いられ16位でのチェカーとなった。第1ヒート終了後、コースに合わせてエンジンのセッティング変更を行ったメロッテは、第2ヒートで8位となり総合11位となった。
なお、これでエバーツの10度目の世界タイトル獲得、また2001年の500ccタイトル獲得以来、ヤマハにとって6年連続となるチャンピオン獲得までに必要な得点は僅わずか1ポイントとなった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 40'8.345 |
2 | J・コピンズ | NZL | Honda | 0'04.521 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'15.160 |
4 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'24.355 |
5 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'34.034 |
6 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'38.930 |
7 | J・ノーブル | GBR | Honda | 0'46.271 |
8 | T・レオク | EST | Kawasaki | 1'05.258 |
9 | P・ルレ | FRA | Honda | 1'11.872 |
10 | W・エイビス | RSA | KTM | 1'18.916 |
11 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 1'24.088 |
12 | C・デサーレ | BEL | Suzuki | 1'28.349 |
13 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | 1'29.152 |
14 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 1'30.160 |
15 | L・フライベルクス | LVA | Suzuki | 1'33.605 |
16 | C・メロッテ | BEL | Yamaha | 1'34.833 |
17 | M・コバライネン | FIN | Honda | 1'45.452 |
18 | B・ベルフーベン | NED | Kawasaki | 1'47.520 |
19 | A・ベルナデス | ESP | Honda | -1 Laps |
20 | G・クロカード | GBR | Honda | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 40'35.004 |
2 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 0'05.770 |
3 | J・コピンズ | NZL | Honda | 0'15.616 |
4 | J・バラガン | ESP | KTM | 0'25.449 |
5 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 0'35.807 |
6 | K・デディッカー | BEL | Honda | 0'39.903 |
7 | G・クロカード | GBR | Honda | 0'45.960 |
8 | C・メロッテ | BEL | Yamaha | 0'55.615 |
9 | T・レオク | EST | Kawasaki | 0'58.644 |
10 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 1'03.424 |
11 | W・エイビス | RSA | KTM | 1'09.872 |
12 | J・ノーブル | GBR | Honda | 1'11.729 |
13 | K・ネメス | HUN | Suzuki | 1'17.070 |
14 | A・サルビーニ | ITA | Suzuki | 1'45.936 |
15 | M・コバライネン | FIN | Honda | 1'54.677 |
16 | A・ベルナデス | ESP | Honda | -1 Laps |
17 | P・ルレ | FRA | Honda | -1 Laps |
18 | A・ボブコフス | LVA | Honda | -1 Laps |
19 | C・コーロン | FRA | Suzuki | -1 Laps |
20 | L・フライベルクス | LVA | Suzuki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | Yamaha | 542 |
2 | K・ストライボス | Suzuki | 393 |
3 | S・ラモン | Suzuki | 368 |
4 | T・レオク | Kawasaki | 355 |
5 | K・デディッカー | Honda | 353 |
6 | J・バラガン | KTM | 273 |
8 | C・メロッテ | Yamaha | 190 |
9 | M・プリエム | Yamaha | 189 |
11 | J・ビル | Yamaha | 167 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 542 |
2 | Suzuki | 449 |
3 | Honda | 403 |
4 | Kawasaki | 359 |
5 | KTM | 329 |
6 | TM | 128 |
COMMENT
S・エバーツ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「自分にとってはハードな大会だった。新レイアウトは特に難しいという訳ではなかったが、ハイスピードな展開となったからね。ピット裏の新しいセクションは、結構難しくタイムにとても影響するポイントになっていたよ。さて第1ヒートでコピンズは乗れていたようだ。僕のほうは、数箇所で思い通りのラインをとれないところがあり、彼はギャップを詰めて来たんだ。前を走っていると前後の状況をつかむのは難しいもの。でも結局僕の方が速いところがあったし、彼のミスもあって結局このヒートは勝てたよ。第2ヒートのスタートは悪く、最初の数周はバラガンとストライボスに続く3番手を走っていた。この二人を抜くのは大変だったけれど、追い上げるレースも楽しい。これで11連勝だが、記録にこだわらず、今は一つ一つのレースに集中している。母国でチャンピオンを決めるチャンスが巡って来たのは夢のようだ。このような時のために今まで頑張ってきたし、今この位置につけていられることに感謝している」
C・メロッテ選手談(16位/8位:総合11位)
「この週末はまずまずだった。予選で良い位置につけたし、マシンに若干の変更を加えたらフィーリングがかなり良くなった。予選7位というタイムに満足だった。第1ヒートはスタートが決まり、20分間に渡ってトップグループと同じペースをキープできたが、デディッカーとストライボスに抜かれてしまった。その後、信じられないことにブーツに石が入って来た。これがスネを強く圧迫。10分くらいは我慢したが、それ以上は無理で石を取り除くためにピットインせざるを得なかった。第2ヒートでは、スタート後の第1コーナーでアウトに少々膨らんだ。あれがなければホールショットを取れていたけれど・・・・。最初の数ラップはペースを安定させるのに苦労して、ラインが決まらなかった。15分が経過したごろから状況は好転したが、体のほうが疲れてあれが精一杯の走りだった」
C・リナルディ、ヤマハ・インター・スポーツ・モトクロスチーム監督談
「今回は、楽勝というわけではなかったが完璧な週末だった。第1ヒートでエバーツは好スタートを決めてトップに立ったが、コピンズがついて来て、非常にハードにプッシュして来た。そこでエバーツは抜かれないような走りに徹したのだ。第2ヒートでは、第1コーナーで少し接触があった。このヒートでは、ストライボスが乗れていたが、エバーツは逆転し98勝目を挙げた。ともかく素晴らしい。また、今回はエンジン関係に若干手を加えたのだが、これはメロッテの走りのスタイルと相性が良かったようだ。今回のコースは滑りやすくトリッキーだったが、従来とは異なるマシンのパワー特性で臨んだので、彼にはこれが功を奏した」