モトクロス世界選手権 MXGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月21日 日本
RACE DATA
■大会名称:モトクロス世界選手権第5戦日本GP
■カテゴリ:MX1クラス
■開催日:2006年5月21日(日)
■開催地:日本/宮城県
■周回数:第1ヒート=22周、第2ヒート=21周
■天候:晴れ ■気温:25度
■入場者数:17,400人
REPORT
エバーツ、パーフェクトウイン
GP通算92回目の総合優勝を獲得!
モトクロス世界選手権第5戦・日本GPが5月21日、スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催された。ここまで開幕4連勝と波に乗るヤマハ・インター・スポーツ・モトクロスチームのS・エバーツは、土曜日に行われた予選から絶好調。ただ一人の1分44秒台を叩きだして1番グリッドを獲得。ここまでの好調ぶりをさらに加速させて決勝に臨んだ。
迎えた第1ヒート、1万7千人の大観衆が見守るスタート。ホールショットを奪ったのはYZ450FMを駆るエバーツだった。その後にJ・ノーブル(ホンダ)、S・メロッテ、B・ヨルゲンセン(ホンダ)が続く。2周目に入ると、トップのエバーツに続き、メロッテが2番手に浮上し、ヤマハが1・2体制を築いてレースを展開。3番手以下には溝口哲也(カワサキ)、S・ラモン(スズキ)。ランキング2位のT・レオクは出遅れ11番手となる。
トップのエバーツは序盤からハイペースでレースを展開。他のライダーたちが50秒台で周回を重ねるのに対して、だた一人48、49秒台をキープし、序盤の7周で2番手のメロッテに10秒以上差をひろげて独走。レース終盤にはペースダウンする余裕も見せて、第2戦の第2ヒートから6連続となるヒート優勝を獲得した。
一方2番手争いはメロッテが序盤のリードを守りきれず、7周目にラモンにかわされてしまう。しかしそのラモンもポジションを守れず、8周目にK・デディッカー(ホンダ)が2番手にアップする。レース後半、後方から追い上げてきたレオクが接近するが、これを振り切ってデディッカーが2位。3位にはレオクが入った。
メロッテは、7周目にラモン、デディッカーにかわされた後、一度ペースを上げてラモンをパスして3番手に順位を上げるが、14周目にレオクにかわされ4番手となった後、さらに順位を落としてしまい、最後は6位でチェッカーとなった。日本人最上位は、Jubilo Racing Teamの成田亮で14位となった。
第2ヒート。ホールショットはM・ヴァン・ダエル(ホンダ)、エバーツは2番手、その後に溝口、メロッテと続く。エバーツは1周目のうちにトップを奪うと、序盤から積極的にアタック。2周目以降2番手としたJ・バラガン(KTM)、ラモンより速いタイムで走行し、第1ヒート同様、序盤のうちに大きなリードを奪う。その後、無数のギャップと深いわだちが現れ、多くのライダーが手を焼く路面状況のなかで、後続よりも確実に速いタイムでラップを刻みさらにリードを拡大。2位となったラモンに約23秒の差をつける圧倒的な勝利でパーフェクトウィンを達成。開幕から5連勝、GP通算92回目となる総合優勝を獲得した。3位はバラガン。
一方、メロッテは1周目を7番手とするが、序盤で挽回し7周目には4番手に浮上。しかし体調不良や15周目の転倒などでその後は次々と後続に先行を許し、最後は14位でフィニッシュとなった。
また、1周目を6番手と好スタートを切った成田は、序盤からアグレッシブに攻め、2周目には4番手に上がると、後方のメロッテ、前方のラモンといった世界のトップライダーと互角の走りを披露。中盤以降、徐々にペースを落として後退するも、最後は日本人最上位となる9位でチェッカーを受けた。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 40'42.166 |
2 | K・デディッカー | BEL | Honda | 14.150 |
3 | T・レオク | EST | Kawasaki | 15.944 |
4 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 23.606 |
5 | B・ヨルゲンセン | DNK | Honda | 29'783 |
6 | C・メロッテ | BEL | Yamaha | 42.608 |
7 | J・ノーブル | GBR | Honda | 48.686 |
8 | J・バラガン | ESP | KTM | 54.238 |
9 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 33.718 |
10 | M・ヴァン・ダエル | BEL | Honda | 57.720 |
11 | J・ビル | GBR | Yamaha | 1'09.842 |
12 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 1'14.101 |
13 | D・セイバース | BEL | Suzuki | 1'15.622 |
14 | 成田 亮 | JPN | Yamaha | 1'30.186 |
15 | A・ピローネン | FIN | TM | 1'34.744 |
16 | J・リンデ | SWE | KTM | 1'44.269 |
17 | 増田 一将 | JPN | Honda | -1 Laps |
18 | J・ガルシア・ビコ | SPA | Honda | -1 Laps |
19 | 加賀 真一 | JPN | Suzuki | -1 Laps |
20 | 小池田 猛 | JPN | Yamaha | -1 Laps |
21 | 大河原 功次 | JPN | Yamaha | -1 Laps |
22 | 釘村 太一 | JPN | Yamaha | -1 Laps |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | BEL | Yamaha | 39'44.654 |
2 | S・ラモン | BEL | Suzuki | 23.135 |
3 | J・バラガン | ESP | KTM | 30.861 |
4 | K・ストライボス | BEL | Suzuki | 37.393 |
5 | M・ヴァン・ダエル | BEL | Honda | 46.505 |
6 | M・プリエム | BEL | Yamaha | 46.230 |
7 | J・ノーブル | GBR | Honda | 49.265 |
8 | K・デディッカー | BEL | Honda | 54.827 |
9 | 成田 亮 | JPN | Yamaha | 58.827 |
10 | D・セイバース | BEL | Suzuki | 1'02.228 |
11 | 加賀 真一 | JPN | Suzuki | 1'07.661 |
12 | T・レオク | EST | Kawasaki | 1'14.840 |
13 | A・ピローネン | FIN | TM | 1'20.349 |
14 | 増田 一将 | JPN | Honda | 1'21.317 |
15 | C・メロッテ | BEL | Yamaha | 1'39.598 |
16 | 出原 忍 | JPN | Yamaha | 1'44.791 |
17 | J・リンデ | SWE | KTM | -1 Laps |
18 | 大河原 功次 | JPN | Yamaha | -1 Laps |
19 | 小池田 猛 | JPN | Yamaha | -1 Laps |
20 | 平塚 雅樹 | JPN | Kawasaki | -1 Laps |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | S・エバーツ | Yamaha | 242 |
2 | T・レオク | Kawasaki | 181 |
3 | K・デディッカー | Honda | 168 |
4 | K・ストライボス | Suzuki | 166 |
5 | S・ラモン | Suzuki | 151 |
6 | J・バラガン | KTM | 150 |
7 | C・メロッテ | Yamaha | 105 |
9 | M・プリエム | Yamaha | 99 |
12 | J・ビル | Yamaha | 77 |
22 | 成田 亮 | Yamaha | 19 |
32 | 出原 忍 | Yamaha | 5 |
35 | 大河原 功次 | Yamaha | 3 |
37 | 小池田 猛 | Yamaha | 3 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Yamaha | 242 |
2 | Suzuki | 201 |
3 | Kawasaki | 181 |
4 | KTM | 180 |
5 | Honda | 171 |
6 | TM | 69 |
COMMENT
S・エバーツ選手談(優勝/優勝:総合優勝)
「最高のレースウイークだった。正直言って、まさかこれほど完璧な結果を残せるとは思ってもみなかった。土曜日の計時予選も良い感じで走れて、ポールポジションを獲れたしね。今年のニューマシンYZ450FMは本当に素晴らしいマシンで、大いに満足している。昨年までのマシンから、間違いなく次のレベルへと進んだといって良いだろう。また自分自身も今まで以上にトレーニングを積み、体力をキープしているし、チームも最高の仕事をしてくれていることが、今日の結果につながった。それに日本ではヤマハをはじめ、いつも多くの人たちがサポートしてくれる。心からお礼を言いたい。今日はレース後にウイニングランもやることができた。日本のファンに感謝を込めて走ったよ。日本でこれだけの結果を出せて大満足だ。日本に来るのはいつも楽しみにしているし、今も良い思い出はたくさんあるけど、また一つそれが加わった」
C・メロッテ選手談(6位/15位:総合10位)
「体調が優れず、すぐに体力を消耗してしまった。第1ヒートは好スタートを決めて2番手を走っていたが、ペースを維持することができなかった。第2ヒートもスタートは良くて、4、5番手を争っていたけど15分くらい過ぎたところでペースが落ちてしまった。体がすごく重く感じられて、どうしようもなかった。でも最後まで走りたかったのでベストを尽くしたよ。1度転倒してしまったこともあって15位でゴールするのが精一杯だった。本当ならもっとやれることはわかっているので、自分自身に腹が立っている。でも、体調が悪いときはどうしようもない。次のグランプリではもっと良い結果が残せるようにがんばる」
C・リナルディ、ヤマハ・インター・スポーツ・モトクロスチーム監督談
「素晴らしい勝利だ。ステファンはまさに完璧で、何も言うことはない。バイクは素晴らしく、ライダーも素晴らしく、最高だ。ステファンはすごく強力なので、他のライダーとの差は大きく開いた。セドリックはトップライダーたちと互角に戦う速さはあるが、身体的コンディションがそうではない。ハードなトレーニングをしているし、多くの体力テストもパスしているが、何かが良くない。日本でのレースだが、特別大きなプレッシャーは感じていなかった。準備やマネージメントが素晴らしいので、自国でレースをしているような印象だった。日本の人たちが大いに助けてくれる。我々の要求にすべて応えてくれるし、それ以上のことをしてくれる」