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第12回Yamaha VR46 Master Campの生徒たち、トレーニング・プログラムを修了

May 27, 2023

第12回Yamaha VR46 Master Campの生徒たち、トレーニング・プログラムを修了

第12回Yamaha VR46 Master Campは最終日を迎えた。6人のライダーたちは午前中にVR46 Motor Ranchを訪れ、ソフトクロスを全力で走り貴重な体験で全セッションを締めくくりました。午後はVR46本社見学と、Yamaha Motor Racingのマネジング・ディレクターでMonster Energy Yamaha MotoGP代表のリン・ジャービスによる講義。そのあと伝統の卒業式に出席しました。

 

第12回Yamaha VR46 Master Campの最終日となった6日目、エドワルド・バー選手 (16歳/ブラジル) 、ダビット・ノワク選手(14歳/ポーランド) 、マーク・ビック選手(16歳/スペイン) 、クリッタパット・ケアンクム選手(18歳/タイ)、トゥラキット・ブアパ選手(19歳/タイ)、山根昇馬選手 (15歳/日本)は、実りあるトレーニング・ウイークを無事、修了しました。

VR46 Motor Ranch最後の練習となったソフトクロスでインストラクターを務めたのは、マルコ・ベリ氏とゲスト講師のセレスティーノ・ビエッティ選手。この場で、ケアンクム選手がモトクロスのナショナル・チャンピオンであることが明かされてスタッフ一同、驚きましたが、彼がエキスパートとして参加したことによって、ソフトクロスが初めてのライダーたちも順調に成長することができました。

ベリ氏がここまでの体験を総括し「最終日の今日はビエッティ選手を迎え、ソフトクロスの理論や正しいボディ・ポジションについて教わりました。また、ケアンクム選手の走りを見ることができたのもうれしい出来事でした。彼はプロフェッショナルですが、私たちはそのことを知りませんでした。しかも今日は、私たちと一緒に仲間たちの進歩を後押ししてくれたのです。トレーニングは瞬く間に過ぎてしまいましたが、彼らはそのなかで大きく成長していました」

「トレーニングはとてもうまくいったと思います」とビエッティ選手。「ソフトクロスは非常にテクニカルで、体力的にも厳しいものです。決して簡単ではありませんが、私はこの種目が大好きです。みんなもエンジョイしているように見えたので、うれしく思います。何人かは以前に経験があり、それ以外の何人かはまったく初めてでした。経験あるライダーたちは本当に速くて、彼らと走るのはとても楽しかったです。経験の少ないライダーたちは、まず技術を理解し、それから少しずつ改善していくという、適切な方法で学んでいきました。モトクロスは他の種目とは異なりますが、私自身、いい仕事ができて満足しています。Master Campのスタッフとメカニックに'ありがとう'と言いたいです」

 

そして、いよいよ最後の目的地、VR46本社へ。恒例となった見学ツアーが終わると、バレンティーノ・ロッシ選手のオフィスではYamaha VR46 Master Campのマネジング・ディレクターでMonster Energy Yamaha MotoGP代表のリン・ジャービス氏が生徒たちを迎えました。その成長を見守り、最終日に会うのを楽しみにしていたというジャービス氏は、卒業を控えた6人とひざを交え、レースキャリアをさらに発展させるための知恵を授けたり質問に答えたりしました。

続いて、この6日間をまとめたビデオを鑑賞。そのあとYamaha VR46 Master Campの正式な参加証明書が手渡されました。

この時点ではまだバレンティーノ・ロッシ選手のサインが書かれていませんでしたが、その瞬間が訪れました。6人の卒業生たちは翌土曜日、VR46 Motor Ranchで行われるVR46 Riders Academyのトレーニングに観客として招待され、そこにはロッシ選手本人が姿を見せ、その場でそれぞれの卒業証書にサインすることになっています。

Yamaha VR46 Master Campは、ヤマハ発動機、ロッシ選手、VR46、VR46 Riders Academyのライダー、インストラクター、サポートスタッフ、そしてこのプログラムのパートナーであるOakleyとAlpinestarsのサポートにより無事終了することができました。また、6人の卒業生の今後の活躍を期待します。

Comments

小野哲談(ヤマハ発動機MS戦略部長)


「今回は通常より1日延長して行われましたが、あっという間に過ぎてしまいました。何よりもまず、イベント直前にこの地域を襲った大洪水にもかかわらず、プログラムをすべて無事に終了できたことをうれしく思います。また、6人がずっと集中力を保ち、このチャンスを最大限に活かしてくれたことをうれしくい思います。彼らがインストラクターやVR46 Riders Academyのライダーたちによるアドバイスを心に留め、わずか1週間足らずでライダーとして大きく成長するのを見てきました。VR46をはじめ、すべてのインストラクター、トレーナー、ライダーたちが、このプロジェクトを成功させるために最大限まで努力してくれました。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。若い才能たちが輝かしい進歩を遂げたことをうれしく思うとともに、それぞれの母国へ帰国後も同様のトレーニングを継続してくれることを期待しています。 Master Campの新しい卒業生に'おめでとう'と伝えたいです。彼らはこれまでで最も厳しく、充実したプログラムを修了し、その素晴らしパフォーマンスで私たち全員に感動を与えてくれました」



リン・ジャービス談(Yamaha Motor Racingマネージングダイレクター)


「6日間の集中トレーニングの最終日に合流できたことは大きな喜びです。私たちは毎年、このYamaha VR46 Master Campをより良いものにしようと努力しています。第12回は非常に長く厳しいプログラムでしたが、ライダーたちはそのなかでも良い時間を過ごしてくれたと聞いています。終わってみれば、とても幸運なことに天候に恵まれ、そのおかげでたくさんの新しい技術を練習することができました。参戦中のチャンピオンシップで、まもなくミサノ・ラウンドを迎えるので、今回、新たに習得したスキルを活用してくれることを期待しています。このように素晴らしいチームの人々が互いに協力し合う姿を見ることができたことをうれしく思うとともに、VR46、ヤマハ発動機、Yamaha Motor Europe、そしてYamaha Motor Racingのスタッフたちの多大なるサポートに感謝します。この若いライダーたちが将来、どのように成長していくのか楽しみです」



エドワルド・バー 選手


「ジャンプしたのは初めてでした。正確に言うとブラジルで何度かジャンプしたことがありますが、今日のほうがずっと大きかったのです。そして、とてもいい経験になりました。2ストロークのモトクロスバイクに乗るのも初めてでした。本当に楽しくて、かなり気に入ってしまいました! 振り返ってみれば、この1週間は驚くほど速く過ぎてしまいました。Yamaha VR46 Master Campは夢だったので、言葉にするのは難しいですが、とにかくこの経験ができて本当にハッピーです。チャンスをくださった皆様に感謝しています」



ダビット・ノワク選手


「ソフトクロスは本当に楽しい経験でした。今日もビエッティ選手が一緒に走ってくれました。前にも話した通り、彼は大好きなライダーのひとりなのです。コースも本当に素晴らしかったです。モトクロスは初めてで、大変だろうと思っていましたが、ビエッティ選手のアドバイスが進歩を後押ししてくれました。ジャンプもうまくできて、とても面白くて楽しい経験でした。誰もが経験できるといいと思いますが、なかなかそうはいかないでしょう。Master Campでは専門的なプログラムで、たくさんのアクティビティを体験することができました。MotoGP、Moto2、Moto3のトップライダーたちと一緒に走れるのは最高です! でも閉会式は最悪の気分でした。終わってしまうことが信じられなかったのです。本当は泣きたい気持ちだったのですが、同時に泣きたくないとも思いました。その瞬間を思い出に残したかったからです」



マーク・ビック選手


「ソフトクロスは初めてでしたが、素晴らしい経験になりました。バイクでジャンプしたことは一度もなくて、自転車ではあるのですが、それはまったく別ものです。バイクでジャンプするには、バイクのことをよく知らなければなりません。とても難しいけれど、セッションの最後には、ひとつを除いてすべてのジャンプをうまくこなせるようになり、進歩できたことに満足しています。Yamaha VR46 Master Campは人生で最も素晴らし経験のひとつです。フラットトラックやソフトクロスなど、さまざまな種目に挑戦できたことをうれしく思っています」



クリッタパット・ケアンクム選手


「ソフトクロスの経験があったので、当然この種目は向いていました。ビエッティ選手と一緒にモトクロスを走れたことに感動し、とても現実とは思えませんでしたが、確かに現実で、本当に素晴らしい瞬間でした。この1週間は楽しいことがたくさんありました。ライディング・テクニックだけでなく、正しい考え方についても多くを学ぶことができました。Yamaha VR46 Master Campは、世界選手権レベルのレースについての新しい視点を与えてくれました」



トゥラキット・ブアパ選手


「これが最後のセッションになると思うと妙な気持ちになりましたが、それでも楽しんで走ることができました。依然として集中していましたし、できるだけ多くを吸収しようとしていました。楽しんで走り、技術を学び、よりうまく乗れるようになることが目標でした。トレーニング・セッションはあっという間に過ぎ去りました。この1週間は本当に速く過ぎてしまったのです。心から楽しめたし、世界のベスト・レーサーから学べる最高の機会でした。インストラクターをはじめ、このプログラムに関わったすべての人に感謝しています。素晴らしい時間を過ごすことができました!」

山根昇馬選手


「怪我が怖くて初めは恐る恐る乗り始めましたが、続けるうちに感覚を掴み、とくに着地がわかってくると速く走れるようになりました。激しくプッシュし過ぎるときっと怪我をしてしまうと思ったので、自分のペースで進め、自分のトレーニングに集中しました。そして最終的に良いフィーリングをつかむことができたのです。1週間を振り返ってみると、フラットトラックでは確かな成長が感じられました。それでも、克服すべきことがまだたくさんあると気づいたので、日本に帰ってからも引き続き課題に取り組んでいこうと思っています。その他の種目については、R3に乗るときにも役立つスキルを習得できたと確信しています。世界選手権3冠のダレッティさんとeSportでプレーできなかったのは残念ですが、それは、またいつかの楽しみにします!」