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WSSP300フル参戦のガラン選手「チャンピオンは僕の夢」

April 14, 2018

WSSP300フル参戦のガラン選手「チャンピオンは僕の夢」

2015年ヤマハは、アジア・アセアン地域のレース振興において、それまで課題の一つとされてきたステップアップ構造の整備を目的に大きな一歩を踏みだしました。それがアジアロードレース選手権(ARRC)に新設されたAP250参戦でした。

この施策を各国の国内レースで頭角を現した若いライダーのチャレンジの場として、また段階的なステップアップを実現するための重要なプロセスと位置付け、アジア各国のグループ会社などと手を取り合って進めてきました。同時に、同クラスで活躍したライダーにとって次なるステップアップ機会の創出にも取り組んできました。

2016年には、ARRCを補完するとともに、こうした取り組みを世界に拡大することも視野に入れ、バレンティーノ・ロッシ選手が主宰するVR46 Riders Academyと手を組み「The Master Camp」をスタート。アジアを中心に多くの若手ライダーを送り込んできました。

この成果として、2016年にタイのアピワット・ウォンタナノン選手がAP250のタイトルを獲得すると、アジアを飛び立ち、2017年、今シーズンとCEVジュニア世界選手権Moto3にフル参戦。そして昨シーズン、ARRCで活躍しワイルドカード参戦したスーパースポーツ世界選手権300(WSSP300)の最終戦で優勝を果たしたインドネシア出身のガラン・ヘンドラ・プラタマ選手が、2人目のチャレンジャーとしてWSSP300フル参戦をその手に掴みとったのです。

ここではWSSP300の開幕を直前に控えたガラン選手に、その心境などを聞いたインタビューをお届けします。

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ついにチームが始動しましたね。WSSP300初のフル参戦を目前に控え、今はどのような気持ちですか?

「ヤマハファミリーの一員として、Yamaha R3 bLU cRU Challengeに参加できることをとてもうれしく思います。ここ数年間、Yamaha IndonesiaからARRC・AP250に参戦してきましたが、今シーズンからは、いよいよ世界のステージへ進出することになりました。この興奮は、とても言葉では言い表せませんし、WSSP300にフル参戦するチャンスを与えてくれたヤマハに対する感謝の気持ちを十分に伝えきれないほどです」

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昨年はヘレスでの最終戦にワイルドカードで出場し、インドネシアで初の世界選手権ウイナーとなりました。このことはあなたにとってどのような意味を持ちますか?

「あのレースでの優勝は、なんとも言えない特別なものでした。とくにインドネシアに帰った後、それはますます大きな意味を持つものになっていきました。正直なところ、予想していなかったのですが、今では多くの方々が僕の名前を知るようになり、それが常に僕を鼓舞し、成長させてくれ、もっと自分のポテンシャルを引き上げ、次もまた勝ちたいと思うようになりました」

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初フル参戦において、最大の課題は?

「ポルティマオとヘレスを除けば一度も走ったことのないサーキットなので、まずはサーキットを学び、それに合わせて調整していくことが最大の課題になります。フリープラクティスのなかでレイアウトを覚え、できるだけ早く特徴をつかむことが重要になるでしょう。ライバルたちの多くが十分な経験を持っているので、僕にとっては厳しい状況ですが、このチャレンジを喜んで受け入れ、最大限の成績を目指すようがんばります」

ガラン選手が世界選手権に出場することは、インドネシアにとっても重要なことになるのでしょうか?

「これについては、どの国においても、自国の代表を世界選手権に送り込みたいと答えるでしょう。それが国内スポーツに好影響を与えるからです。特に母国のインドネシアではモーターサイクルスポーツの人気が高く、多くの人々に支持されています。だからこそ僕としては、できるだけ多くのクラスに多くの選手が出場することが必要だと思っています。それによってレースファンの皆さんは応援する楽しみを得ることができますし、次の世代に夢を与えることにもなります。レースに臨むとき、きっと僕は母国の代表であると感じることでしょう。そしてもし勝つことができれば、多くの人々を励ますこともできると感じています」

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2018シーズンのタイトル獲得は可能だと考えていますか? また、インドネシア初の世界チャンピオンになることは、ガラン選手にとってどんな意味を持ちますか?

「デビューイヤーではありますが、僕はタイトルを目指して戦います。昨年はワイルドカードで2度参戦してライバルたちのことが少しわかりましたし、サーキットも経験しているので、今年はより良い状態で臨めるはずです。
レベルの高さはわかっているので、タイトルへのチャレンジがとても難しいことと理解していますが、それ以上に不可能ではないと信じています。僕はチームとともに懸命に努力を続けているし、R3に乗るたびに進化しています。このことが自信を与えてくれているのです。どんなに厳しいチャレンジだとしても、常に上位グループを走れるよう全力をつくします。
そしてインドネシア初の世界チャンピオンになることが私の夢です。同時に僕の成功がインドネシアの人々にとっても大きな意味を持つと信じているからです。この夢が実現するとしたらとても光栄なことですが、そのためにはまず、今はシーズン開幕戦に気持ちを集中し、最高のスタートを切れるよう努力しなければなりません」

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