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May 14, 2017
Day3:ダート走行やサーキットラン、座学で実践的・理論的に強化
「The Master Camp」も3日目に突入。この日は、国際的なプロフェッショナル・ライダーのレベルに一歩、近づくため、実践的にも理論的にも知識を深めることに重点を置いたプログラムに取り組ました。バレンティーノ・ロッシのMotor Ranchを初めて訪れ、そのあとSky Racing Team VR46のテクニカル・ダイレクター兼クルー・チーフのピエトロ・カプララ、Yamaha Motor Racingのリン・ジャービスから理論講座を受け、最後はVR46 Riders Academyのライダーとともにミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリを走行しました。
午前中は、マシンのスライド・コントロール能力の向上を目指しMotor Ranchへ。そこでは、フラットトラックの専門家、マルコ・ベリの指導を受け、彼らは短時間で驚異的な成長を見せます。
この日ベリは、逆回りで走行することを指示。才能ある彼らは2、3周も走ると素早くペースをつかみ、スピードアップを図ります。その後、ライディングスタイルの改善方法や、スロットルを開けるときのポイントなどについてライダーたちから質問が上がると、ベリはひとつひとつ熱心に回答し知識の深めると、引き続きオーバルで様々なエクササイズを行い、マシンを下半身で操るための動きについて熟成を図りました。
Motor Ranchのあとは、ダヴッリアのレストランでミートボール、ライス、マッシュ・ポテトのランチとデザートでエネルギーをチャージすると、今度はVR46本部へ移動し、理論講座に臨みました。
The Master Campの理論講習はふたつのパートに分かれており、まずはSky Racing Team VR46のテクニカル・ダイレクター兼クルー・チーフのピエトロ・カプララによるもの。ふたつ目はYamaha Motor Racingのマネージングダイレクター、リン・ジャービスによる講義です。ライダーたちは温かく迎えられ、バレンティーノ・ロッシのオフィスに向かいます。
ライダーたちは、ロッシのYZR-M1を見ながら、ホイールベース、シャシー、トレール、オフセット、フォーク・アングル、スイングアーム・アングルなどについて適切なセットアップ方法を説明するカパララの話に熱心に聞き、多くの知識を吸収しました。
続いてはジャービスが登場。自らのヤマハとの関係を含めて短いヒストリーを紹介しながら、ヤマハとロッシの出会いや、その後のパートナーシップについて、さらにはそこから学んだ事柄などについて説明したほか、世界トップレベルのヤマハライダーたちの、プレッシャー対処法についても披露。質疑応答の時間でライダーたちは、ライディングやプロとしての姿勢、世界の舞台へ進出するために改善すべき点などについて会話しました。
理論講習のあとは、ついにミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリへ。そこにはピレリ製タイヤを装着した6台のYZF-R3が準備されており、一同は感動! ブリーフィングでロレンソ・バルダサリから安全性やコースレイアウトについて説明を受けたあと、レザースーツに着替えて早速、R3のエンジンに火を入れます。
ツイスティでテクニカルなミサノ・サーキット。ライダーたちは、バルダサリの後ろについて数ラップ走り、ライン取りやブレーキング・ポイントを把握した後、VR46 Riders Academyのライダーたちとともに練習走行。昨日のMiniGPセッションから、今朝のMotor Ranch、そして理論講習とライディング・セッションがひとつにつながり、その相乗効果がラップタイムにしっかりと現れていました。
Comments
リン・ジャービス(VR46 Riders Academyダイレクター)
「第3回The Master Campのライダーと対面し、ヤマハとそのライダーたちについて少し話をしました。まず自己紹介をして、UK、ヨーロッパ、MotoGPで任された役割や、世界選手権への期待がより高まることを狙い、ともに仕事をした多くのライダーたちのことを話しました。最も楽しみにしていたのが、彼らとの質疑応答です。彼らは学ぶことに飢えていて、進化し、前進することを切望しています。若いライダーたちがステップアップを目指しているのを見て、キャリア向上に必要なポイントを理解するためのサポートがしたいと思ったのです。そのために、たとえばライダーの選抜方法、あるいは進化し、目標を達成するためのトレーニング方法などの説明をしました。このキャンプは、スキルだけでなく、考えることを身につける機会でもあり、だからこそ彼らは次のステップへ進むことができるのです。私が話したことのいくつかが、彼らの心に残り、役に立ってくれることを望みます」
アンギー・スティアワン/インドネシア(18歳)
「多くを学ぶことができましたが、なかでもスロットルの扱い方が重要だと感じたし、午前中にMotor Ranchで習ったことが、ロードレースにも生かせることがミサノ・サーキットで理解できました。これは今まではまったく気づきませんでした。また、いろいろな話をしてくれたリンさんと、ピエトロさんにも感謝します。今日もたくさんのことを勉強させてもらって、うれしかったです」
ブランドン・デメリー/オーストラリア(19歳)
「今日も、とってもエキサイティングな一日でした! Motor Ranchでは、昨日の反時計回りから、時計回りに走るという新しいトレーニングを行い、マルコさんからコースについて学んだりと、本当にすばらしい経験ができました。それから夕方を過ぎてミサノ・サーキットへいきましたが、あのような時間にレースをするのは初めてだったのでとても面白かったですね。僕には合っているようで、最速タイムを記録することができてうれしかったよ!」
ムハマッド・アキッド・ビン・アジズ/マレーシア(18歳)
「初めにMotor Ranchへ行き、VR46のオフィスでリンさんとピエトロさんに会い、それからサーキット走行と盛りだくさんの内容でした。フラットトラックは今回が初めてでしたが、今日は格段に進歩していることに気づきました。新しいことにトライし、マルコさんに助言をもらい、そのたびに進歩を実感し、とても充実しています。とてもありがたいことです。ミサノ・サーキットでは転倒してしまったので、すべてのセッションを走ることができず残念でした。でも国際レベルのサーキットを走るのは初めてで、YZF-R3も初めてだったので、走行はとても楽しめました。このようなチャンスに恵まれたことに感謝し、将来は必ず、この経験を生かしてキャリアアップして見せます」
ピラポン・ブーンレット/タイ(18歳)
「Motor Ranchでの練習はいつも充実していて、しかもとても楽しい時間です。マルコさんとの練習を通して、フラットトラックでもサーキットでも、ますます進化していると思いますし、実際、YZF-R3に乗った時に、そのことを大いに実感しました。キャンプはあと2日残っていますが、このあともとても楽しみです。学んだことをすべて身につけられるようにベストを尽くして取り組み、母国タイへ戻ったあとも、それを生かしていきます」
井手翔太選手談/日本(15歳)
「午前中のセッションはとてもためになったし楽しめました。ちょうど良いタイミングでちょうど良いポジションへ重心を移動するのは難しいけれど、少しずつわかってきたような気がします。理論講習はとても役に立つ内容で、とくにリンさんの話は印象的でした。ヤマハライダーのことをこれほどオープンに話してもらったのは初めてです。彼らのパーソナリティや、プロフェッショナルなアスリートとして要求されるものなどについて理解することができました。自ら質問をして、それに答えてもらったことで、理解もよりいっそう深まりました。午後はミサノへいきましたが、とても楽しかったけれど満足はしていません。もっと進化しなければならないと感じたからです。いつかきっと、実際のレースに出場するため、またここに戻ってきたいです」
トーマス・カサス/カナダ(17歳)
「最高の一日でしたね。午前中のMotor Ranchは、マルコさんのおかげでかなりうまく走れるようになったと思います。トレーニングを通して自信を持てたし、気持ちよくマシンに乗れるようになってスピードも上がってきました。コースを反対回りに走るのも、ちょっと難しかったけれど、かなり楽しめました。ランチのあとはVR46本部へ行って、リンさんとライダー・マネジメントについて話したり、ピエトロさんからマシンやそのメカニズムについて教えてもらいました。それからミサノへ移動。国際レベルのGPコースは走ったことがなかったので、今回はとても特別で素晴らしい経験になりました。セッションごとに僕の自信とマシンのスピードが上がっていって、第2セッションでは3位を獲得。たぶん総合順位でも3位だったと思うので満足しています。小さいバイクでたくさん勉強した。コーナースピード、コーナー進入と立ち上がりなど、重要なことをたくさん教えてもらいました。VR46 Riders Academyのライダーたちはとても速く、彼らから学ぶのもすごく楽しい経験でした」