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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.07 10月26日 和歌山・湯浅

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第7戦和歌山・湯浅大会
■開催日:2025年10月26日
■開催地:和歌山県・湯浅トライアルパーク
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■最多クリーン数:小川 毅士(Beta)/7

REPORT

氏川、黒山が2・3位でダブル表彰台、チャンピオン決定は最終戦へ

全8戦が組まれた全日本トライアル選手権シリーズもいよいよ残り2戦、第7戦となる和歌山・湯浅大会は、今年も和歌山県の「湯浅トライアルパーク」で開催された。

電動トライアルマシン「TY-E」での全日本参戦を通じ、電動技術の獲得とカーボンニュートラルへの取り組みを進めるヤマハ発動機は、今大会も最新の「TY-E 3.0」を2台、熟成を重ねた「TY-E 2.2」を1台、合計3台の電動トライアルバイクをライダーたちに託して参戦した。

前回の第6戦 宮城・SUGO大会、最高峰の国際A級スーパークラスで、YAMAHA FACTORY RACING TEAMから「TY-E 3.0」で参戦する#2黒山健一が今季3勝目を獲得。「TY-E」としては氏川政哉、野崎史高とともに5連勝で、13年ぶりとなるヤマハのチャンピオン奪還に近づいた。同2位はやはりYAMAHA FACTORY RACING TEAMから「TY-E 3.0」で戦う#3氏川政哉で現在ランキング2位。そして、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#8野崎史高(マシンはTY-E 2.2)が同5位となり、ランキング3位と、タイトル争いも「TY-E」同士の戦いとなっている中で、誰が最終戦に向けて第7戦を制するかが注目された。

大会前日および当日は時折激しく雨が降るあいにく天候。セクションは例年とほぼ同じ場所にあるが、路面コンディションは悪化し土の路面はドロドロにぬかるみ、その泥がのった岩肌は非常に滑りやすくなり、難易度の高くなったセクションがライダーたちを苦しめた。結果的に、今回優勝者の減点数は57点で、やはり雨に見舞われた開幕戦の60点に次ぐ大量減点となった。ちなみに晴れて路面コンディションも良かった第5戦の優勝者の減点数はわずか9点だった。その第5戦がわずかなミスも許されない神経戦だったのに対して、今回はいかに多くのセクションを少ない減点数で走破していくかが問われる極めてハードな戦いとなった。

国際A級スーパー(SA)クラスには17名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名が2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。今回も、黒山健一のアシスタントは甥の黒山陸一(りくと)。氏川政哉のアシスタントは田中裕人。野崎史高のアシスタントは関口康太が務めた。

1ラップ目は、第1セクションから波乱含みのスタートとなった。氏川と野崎が減点1でこなしたが、黒山は最初の岩登りで減点5。ここは武田呼人(ホンダ)が唯一人クリーンしたが、小川毅士(ベータ)は減点3となるなど明暗が分かれ、この日のセクションの難しさを物語っているようだった。続く第2セクションは、比較的クリーンしやすい難易度だったが、その後の沢のセクション群では減点5を連発する選手が増えていった。そしてまた大会本部近くの広場にあるセクション群も難所揃いで、ライダーたちを苦しめた。

減点5とクリーンの数で言えば、氏川が6つの減点5と1つのクリーン。黒山は5つの減点5と1つのクリーン。野崎は8つの減点5と1つのクリーンという状況だった。そんな中、5つの減点5と2つのクリーンが光った小川(毅)が減点30で、1ラップ目終了時点のトップ。それを氏川が3点差の33点で追い、さらに35点で黒山と、黒山陣(シェルコ)。そして武田・37点、久岡孝二(ホンダ)・38点、野崎と柴田暁(#6)がともに41点で続くという、接戦状態になっていた。

勝負の2ラップ目、通常は1ラップ目の経験を生かして大きく減点を減らしていくところだが、この日は時折降っていた小雨が、2ラップ目の後半あたりから本降りの雨となり、これもまた降ったり止んだりで選手たちを翻弄した。2ラップ目の結果は、小川(毅・26点)がトップ。黒山(30点)がよく追い上げ、4点差に迫る。氏川(31点)もまた、必死に踏ん張っていた。以下、武田(33点)、柴田暁(TRRS)、野崎(35点)の順。

1ラップ目と2ラップ目のトータルでは、小川(毅)が減点56でトップ。2番手は氏川(減点64)で、その差8点と厳しいがSSでの逆転に望みをつないだ。3番手は黒山(減点65)で、氏川との1点差で2位争いに注目が集まった。また4番手以下は、武田(減点70)、黒山陣(減点71)、柴田(減点75)、野崎(減点76)の順となっていた。

雨と霧の中、大観衆が熱い眼差しで見守ったSS1は、コンクリートのタワーからタワーへと飛び移っていくなど、見ごたえ十分。黒山と武田、柴田の3名が見事クリーン。小川(毅)と氏川、野崎は減点1となった。この時点で、2番手に8点差をつけた小川(毅)の1位が決定。氏川と黒山がともに減点65で、最終セクションまで2位争いがもつれ込んだ。

そのSS2は、見上げるような大岩の数々を攻略していくもので、小川(毅)とともに氏川が鮮やかにクリーン。黒山は惜しくも減点5となった。この結果、氏川2位、黒山3位のダブル表彰台が決まった。

第2戦から続いていた「TY-E」の5連勝はいったんストップしたが、タイトル争いは黒山がトップのままチャンピオン決定は最終戦へと移行する。最終戦で黒山は4位以内に入れば、13年ぶりの王座奪還となる。また氏川が勝って、黒山が5位以下となった場合は、氏川は初の王者となる計算だ。ここまで表彰台に立ちつづけている黒山(4位以下は一度もない)と、4戦連続2位でいよいよ1位を獲りたい氏川。野崎が小川(毅)を逆転してランキング3位を奪還できるかどうかも含めて期待される次回第8戦(最終戦)シティトライアルジャパン大会は11月2日、大阪府大阪市中央公会堂前中之島通りで、国際A級スーパークラスのポイントランキング上位10名の選手によって争われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

氏川政哉選手(2位)

「第7戦、湯浅大会、結果は2位、すごく悔しいです。この湯浅に向けてすごく練習してきた中で、自分の走りができなかった部分がいっぱいあったので、そこがやっぱり自分の中でも悔いが残っているところだと思います。次戦、シティトライアルでは人工セクションも苦手ではないので、1位を取れるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

黒山健一選手(3位)

「近畿大会、無事に終了しました。セクションが難しかったとか、いろいろありますが、僕自身ちょっと今日は調子が悪かったですね。バランス競技のトライアルでありながら、ちょっとバランスが取れなくて時間を費やしてしまったり。しっかりバランス取れても、走り出した瞬間にちょっとバランスを崩してしまったりと、ちょっとフラフラした走りになってしまったのが残念だなと思います。よくも悪くも、1週間後のシティトライルで今年の全日本トライアルが終わります。最後は勝って締めたいなと思いますので、ぜひとも皆さん応援をよろしくお願いします」

佐藤美之監督

「今回のセクションは今までにないくらいの非常に厳しいセクションで、やはりタイムオーバーが非常に気になるような長いコースでした。その長いコースの中に、厳しいところがあるので、すごく心配していました。しかも雨となったものですから、本当に稀に見る最悪なコンディションの中で走り、氏川選手が2位、黒山選手が3位、野崎選手は7位という結果になりました。優勝できなかったことはちょっと残念な部分かもしれませんけど、まずはこの最悪のコンディションで怪我なく完走で終えてくれたので、監督としてもそこは安心しました。悪いところはここで全部落として、いいところだけを次のシティトライアルに持っていき、そこでヤマハとしてチャンピオンを獲得できるように頑張りますので、次の最終戦も応援よろしくお願いします」

Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手(7位)

「応援ありがとうございました。全日本選手権の第7戦が今終わったんですけど、今季最悪の7位という結果に終わってしまいました。セクションも結構ハードな中で、1個のセクションを落としてしまうと、それが直接順位にガンガンと響いてしまう感じでしたが、最終的に挽回することができず7位で終わってしまったので、非常に残念です。でも、終わったことなので、来週のシティトライアルに気持ちを切り替えて、思いっきり走りたいなと思います。また応援よろしくお願いします」

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