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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.06 10月5日 宮城・SUGO

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第6戦宮城・SUGO大会
■開催日:2025年10月5日
■開催地:宮城県・スポーツランドSUGO
■観客動員数:1.200人
■気温:27度
■天候:曇り時々晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:黒山健一(ヤマハ)、氏川政哉(ヤマハ)/15

REPORT

黒山健一がTY-E 3.0で3勝目 、TY-Eは5連勝!
13年ぶりヤマハ王座奪還に王手!!

全8戦が組まれた全日本トライアル選手権シリーズの第6戦となる宮城・SUGO大会は、今年も宮城県の「スポーツランドSUGO」で開催された。前回の第5戦・三次灰塚大会では、最高峰の国際A級スーパークラスで、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#8野崎史高(TY-E 2.2)が、電動トライアルバイクで初優勝を獲得。2位はYAMAHA FACTORY RACING TEAMから最新型の「TY-E 3.0」で戦う#2氏川政哉、3位は同チームから「TY-E 3.0」で参戦する#2黒山健一が入り、ヤマハの「TY-E」が今季初めて表彰台を独占した。これで第2戦優勝の氏川、第3戦と第4戦で連勝した黒山に続き、ヤマハの電動車が初の4連勝を記録。また、ポイントランキングでは黒山がトップ、2番手に氏川、3番手に野崎と、タイトル争いも「TY-E」同士の戦いとなっている。この中で、誰が終盤戦に向けてSUGOを制するかが注目された。

大会前日は好天に恵まれたが、夜間は降雨に見舞われた。また大会当日は夕方から雷雨の予報があり、路面コンディションの悪化が懸念されたが、当日の競技が終わっても雨が降ることはなかった。

国際A級スーパー(SA)クラスの競技は17名が出走。4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけが2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。セクションはほぼ例年と同じロケーションだが、難易度は高く、トップライダーたちにとっても失敗(減点5)となる可能性のある場所は少なくなかった。一方、クリーン(減点0で走破)を狙えるセクションでいかに減点を抑えていくか、失敗が許されないシビアな戦いともなった。

今回も、黒山健一のアシスタントは甥の黒山陸一(りくと)。氏川政哉のアシスタントは田中裕人。野崎史高のアシスタントは関口康太が務めた。

1ラップ目は、黒山が第1セクションから第4セクションまでクリーンを連発。第5セクションでは減点1となったが、ここをクリーンしたライバルとの差はわずかで、むしろライバルたちの多くが失敗した第2セクションをクリーンした黒山の優位が続いていた。第6セクションでは減点3となった黒山だが、ここは黒山以外は全員失敗しているので、黒山はリードを拡大することとなった。その後もクリーンを重ねた黒山は、第9セクションで唯一減点5となったが、1ラップ目終了時点で黒山がただ一人ひとけた減点9で回り、トップに躍り出た。

2番手は、#4 小川毅士が黒山とわずか1点差の減点10で迫っていた。3番手は氏川が黒山を上回る第1セクションから第5セクションまで5連続クリーンで気を吐いていたが、2つの減点5とタイムペナルティーの減点2(1ラップ目の持ち時間を2分オーバー)が惜しまれるところで、減点12ではあるが黒山とはまだ3点差で逆転も十分可能なポジションだった。4番手以下はやや離され、野崎(減点19)、黒山陣(#10/減点23)、武田呼人(#7/減点24)の順となった。

勝負の2ラップ目、黒山は今度は第1セクションから第5セクションまでを5連続クリーン。大きな勝負どころであった第6セクション、他者が全員失敗した難関を、黒山は今度はなんと減点2で走破。勢いに乗る黒山は、さらに第7〜9セクションを3連続クリーン。第10セクションこそ1回足を着いたものの、2ラップ目はわずか減点3というブッチギリの好成績でトップの座を堅持した。

2ラップ目のライバルたちの成績は、氏川・減点11、黒山陣と久岡孝二(#9)がそれぞれ減点13、野崎・減点16、柴田暁(#6)・減点20、小川(毅)・減点23というものだった。

そして1ラップ目と2ラップ目のトータルでは、黒山が減点12でダントツのトップ。2番手の氏川(減点23)に11点差をつけたため、残るSS(最大10点差がつく)での逆転の可能性はなくなり、この時点で黒山の優勝が決まった。また、氏川は3番手の小川(毅)・減点33に10点差をつけており、仮にSSで同点になった場合はクリーン数の多い氏川が上位となるため、氏川もまたSSを前にして2位を決めていた。一方の残る一つの表彰台は、小川(毅)・減点33と、野崎・減点35、黒山陣・減点36の3名によって争われることとなった。

大観衆が熱い視線で見守ったSSは、四角いコンクリートを積み上げたタワーをはじめ、立てたヒューム管からヒューム管へと何度も飛び移っていく見ごたえのあるものとなった。ここで黒山は、SS1は出口を出てから転倒しながらも、ただ一人減点3で走破する見せ場を作った。SS2は、残念ながらタイムオーバーで減点5となったが、もちろん黒山の勝利に変わりはなかった。氏川はSS1で惜しくも減点5となったが、SS2はただ一人減点1で突破する走りで最後をしめくくった。野崎はこのSSで小川(毅)と黒山陣に及ばず、5位となった。

こうして黒山健一は「TY-E 3.0」で圧勝し、3勝目を獲得。「TY-E」は第2戦以来、無敵の5連勝をマークした。ポイントランキングで黒山がトップを独走したまま、2番手の氏川に17ポイント差をつけたため残り2戦で氏川の自力チャンピオンの可能性はなくなり、黒山が13年ぶりに自身とヤマハの王座奪還に王手をかけた。また、氏川は3番手の野崎に27ポイント差をつけ、野崎は4番手の小川(毅)に11ポイント差をつけており、氏川と野崎のランキング2・3位の獲得も現実味を帯びてきた。

次回第7戦・和歌山・湯浅大会は10月26日、湯浅トライアルパークで行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(優勝)

「今大会の結果は1番で終わることができました。本当に応援ありがとうございます。今日は1ラップ目よりも2ラップ目の方が集中することができ、自分のペースで自分の走りができたんで、それがいい結果につながったのだと思います。反省点は、SS2でタイムオーバーしてしまったので、あれをできれば1点とかで走り切れれば、より素晴らしい優勝になったのではないかなと思っております。今年の全日本トライアルも残すところ、あとは近畿大会と最終戦のシティトライアルになります。お近くの方は、ぜひとも応援に来てください。残り2戦、集中して全力で頑張りますので、応援をよろしくお願いします」

氏川政哉選手談(2位)

「第6戦が終了しました。結果は2位ということで、すごく悔しいです。次の湯浅大会は1位を取ったこともあるコースなので、全力で1位を目指して頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」

佐藤美之監督談

「今日は難易度の高いセクションもあり、それが第6セクションと第9セクションだったと思います。その第6セクションを黒山選手だけが1ラップ3点、2ラップ2点という形で走りきり、他の選手は2ラップとも5点だったという部分が、今回の一つの勝因だったのかなと思っています。氏川選手の場合は、ちょっとマシンに小さいトラブルがあって、なかなか前日の練習とかできないという部分はあったんですが、それでもやっぱり2位を保ってもらったということに対しては、さすが氏川選手というところです。これでTY-Eも5連勝を飾ることができましたので、この勢いで残り2戦を戦っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました」

Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(5位)

「皆もどこかしらで減点を取ってたんですけど、僕はちょっと落としちゃいけないところでも減点を取ってしまったり、あとちょっとでいけそうというところで5点になってしまったりという形でした。しかもスペシャルステージで最終結果は5位になってしまったので、残念極まりないというところです。自分としては全然タイミングが合わず、どこもぴったりいくところがありませんでした。悪い結果として今日の順位かな、という形なので、次戦からまたパーフェクトな走りで上を目指して頑張りたいと思いますので、引き続き応援の方よろしくお願いします。今日も応援ありがとうございました」

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