全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月27日 大分・玖珠
RACE DATA
全日本トライアル選手権 第2戦大分・玖珠大会
■開催日:2025年4月27日
■開催地:大分県・玖珠トライアルヒルズ
■観客動員数:800人
■気温:22度
■天候:晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:氏川政哉(ヤマハ)/18
REPORT
最新型「TY-E 3.0」が初のワンツー
氏川がランキングトップに躍進
全日本トライアル選手権の第2戦大分・玖珠大会は今年も大分県の玖珠トライアルヒルズで開催され、青空が広がる好天のもと800人の観客を集めて行われた。
最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#2黒山健一は、開幕戦は最新型の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」で優勝を争い2位となったが、クリーン(減点0)の数はトップ。また、今年はYAMAHA FACTORY RACING TEAMから「TY-E 3.0」で戦う#3氏川政哉も開幕戦3位と好調で、今回は黒山とともに"テッペン"をめざした。一方、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#8野崎史高も熟成された「TY-E 2.2」で怪我から復帰の開幕戦で4位となり、今回はさらに上位を目指して第2戦に挑んだ。
国際A級スーパー(SA)クラスには17名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に挑む。広々とした会場は自然の地形を生かしたダイナミックなセクション設定で、今回はクリーン可能なセクションが多く、大きなミスが許されない神経戦となった。
とりわけSSの一つ目のセクションのように、今年から採用された新ルールを生かした人工的セクションの見せ場も用意された。セクションの中での「ループ(ラインクロス)」がOKになった(一度通った轍を踏んでも減点されない)ため、複雑なコンクリートの難関を上がるポイントがいくつも用意され、見ごたえのあるものとなった。
今回も、黒山健一のアシスタントは、甥の黒山陸一(りくと)。氏川政哉のアシスタントは、田中裕人(2010年の国際A級チャンピオンで、SAでも活躍)。野崎史高のアシスタントは関口康太が務めた。
競技の1ラップ目は、わずか減点4におさえた黒山が、減点11の氏川に7点差をつけて単独トップに立ち、「TY-E 3.0」での初優勝に向け一歩リード。この2名に、減点11の小川毅士(ベータ)、減点12の野崎や小川友幸(ホンダ)が続く接戦状態で、その後に減点20の久岡孝二(ホンダ)が後を追う展開となった。
2ラップ目は、久岡がわずか減点3でトップに立ち、氏川も減点5で本領発揮。小川(毅)と野崎は減点12を加算。さらに、2ラップ目は減点5となる失敗が2つあった黒山、そして小川(友)がそれぞれ減点13と大きく減点を増やす結果となった。
2ラップ目終了時点の結果(1ラップ目との合計減点)は、氏川・減点16がトップ、これを黒山が1点差の減点17で追う僅差の優勝争いとなった。2名の後には、久岡と小川(毅)が減点23、野崎が減点24で続き、残るSSの2セクションにおいてまだまだ逆転の可能性もある状況だった。ところが、この上位5名はなんと5名ともSSを二つともクリーン。結果、上位5名の順位は2ラップ目終了時点と変わらず、氏川が今季初優勝するとともに、「TY-E 3.0」に初の勝利をもたらした。
氏川の優勝は昨年の第4戦北海道大会以来、4戦ぶり・通算7勝目。そしてまた、黒山は第1戦に続いてまたも1点差で惜しくもTY-Eでの初優勝を逃すこととなったが、氏川とともに「TY-E 3.0」で初めてのワンツー・フィニッシュを達成する快挙を成し遂げた。野崎は4位と1点差で5位とし、前回よりもひとつ順位を下げる結果となったが、表彰台も射程内の実力を見せつけた。
ポイントランキングは氏川がトップに躍り出て、わずか1ポイント差で黒山が続き、3位の小川(友)には5ポイント差をつけており、「TY-E 3.0」がチャンピオンに向けて一歩前進を遂げた。
次回第3戦・もてぎ(栃木)大会は6月8日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
氏川政哉選手(優勝)
「第2戦が無事に終わりました。結果は1位! 今日はすごく晴れて、ちょっと難しいセクションも1個2個あったので、そこで失敗した中でも自分の実力が出せたのかなと思います。あとは接戦だったので、自分自身がよく粘れて走れたのかな、と思います。昨年はここで6位だったという成績を塗り替えて1位を取れたことは、本当に嬉しく思います。今年から新たなバイク3.0に乗って、初の1位を取ることができたので、本当に嬉しいです。応援ありがとうございました」
黒山健一選手(2位)
「全日本トライアル九州大会が無事に終了しました。結果的には、またもや開幕戦に引き続き1点差で負けてしまい2位に終わりました。試合内容としては非常に調子も良く走れていたので、今日こそは勝てるかなと思ったんですけど結果的に1点差で負けてしまい、2位に終わって非常に残念です。負けた理由は、ただ僕の不注意です。トライアルの難しさを改めて知りました。次回は世界選手権を挟んでの関東大会になりますので、次こそは、今度は1点差で勝つつもりで頑張りたいと思いますので、どうか皆さん応援をよろしくお願いします」
佐藤美之監督談
「皆さん応援ありがとうございます。今回はTY-E 3.0での初優勝を成し遂げることができて、しかもワンツーを獲ることができて、本当に良かったです。今日の黒山選手も氏川選手も集中力がすごく、これはどちらが勝ってもおかしくないという形でした。ちょっと黒山選手のアンラッキーな部分も一つあって、前回と同じように1点差で、1位が氏川選手、2位が黒山選手という結果となりました。やはりヤマハとしても一つ、また歴史を塗り替えたという意味では、すごく良いレースだったんじゃないかと思います。これをまた一つのバネとして次の戦いに向かっていきますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました」
Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA
野崎史高選手(5位)
「5位という順位は、ちょっと残念な感じですけど。内容は悪くなかったので、怪我の復帰から徐々に上げていこうという段階の中ではかなりハイペースで、自分としていいポジションまで持っていけたかなと思います。第3戦以降も自分でも期待して頑張りたいと思いますので、また応援よろしくお願いします」