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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.08 11月3日 City Trial Japan

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第8戦City Trial Japan大会
■開催日:2024年11月3日
■開催地:大阪府「大阪市中央公会堂前中之島通り」
■観客:7.000人
■気温:22度
■天候:晴れ
■競技:セミファイナル8セクション+ファイナル4セクション
■持ち時間:1分30秒(1セクション毎)
■最多クリーン数:藤波貴久(ホンダ)/10

REPORT

黒山が最終戦で3位としランキング2位を獲得
氏川は4位でランキング3位

全日本トライアル選手権シリーズ(全8戦)は最終戦となり、その第8戦 City Trial Japan 2024 in OSAKA 大会は11月3日、今年も昨年と同様に大阪府大阪市中央公会堂前中之島通り・特設会場で開催された。市役所をはじめ中央公会堂や美術館のすぐ目の前で行われる、"シティトライアル"は今回で6回目の「市街地競技大会」となった。2022年から全日本格式となり、この最終戦でチャンピオンが決定される。当日は、トライアル競技を初めてみる方も含め、多くの観客が集まった。大会前日は大雨となったが夜には雨もやみ、レディースライダーや出場選手によるトークショー、ライブなども行われて夜遅くまで賑わった。

最高峰の国際A級スーパークラスに「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する#3黒山健一は、前々回の第6戦まではポイントランキングトップに立っていたが、前回の第7戦で4位となりランキング2位となっていた。とはいえランキングトップとはわずか3ポイント差で、この大会で上位となった方がチャンピオンとなる計算。そしてまた黒山は一昨年のCity Trial Japan 大阪大会で優勝しているだけに、今大会前日は「去年のリベンジをしたい」と、今年の最終戦こそ表彰台の一番上に上がる意気込みだった。

また、同じく「TY-E」に乗る「bLU cRU VICTORY」の#2氏川政哉はトップと9ポイント差のランキング3位で、結果によってはチャンピオンの可能性は残されていた。ちなみに氏川は、昨年のCity Trial Japan 大阪大会で優勝している。

今大会は国際A級スーパークラスの年間上位10名(前回第7戦終了後のランキング上位10名だけが出場することができるが、Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHAの#4野崎史高が怪我のため欠場し、9名での出走となった。

当日は10時55分からセミファイナル前半の第1レースが行われ、2名1組ずつ(1組目のみ3名)で4つのセクションを走った後、セミファイナル後半の第2レースがあり、前半の4つのセクションの逆走する。このセミファイナルを終えた時点の上位6名がファイナルに進出。ファイナルは第1レースが2セクションで争われ、その後第2レースの2セクションで雌雄を決する(セミファイナルとの合計減点で順位が付けられる)というシステムとなっている。会場には「ビッグ・ビジョン」(超大型のモニター)が3台用意され、リアルタイムでライダーが走る姿を大型スクリーンで見られる(競技経過も随時、発表される)ため、観客は移動することなくレースのすべてを見ることができた。

セミファイナル前半、最初の難関である大木の丸太を越えていく第1セクションで、黒山はなんと失敗。ライバルたちが減点0や減点1で走破したここでの手痛い減点5は、黒山にとってかなり厳しく苦しいスタートとなった。その後の3セクションは減点1、減点0、減点2でこなした黒山だったが、セミファイナル前半終了時点ではトータル8点で6番手となっていた。また、氏川は減点1、減点0、減点1、減点0でトータル2点という好成績だったが、#5小川毅士(ベータ)と#1小川友幸(ホンダ)も同じくトータル2点で、クリーン数も同じだったが、トライタイム(セクションを走るのにかかった所要時間)の差(速いほど上位)で、2番手・小川(毅)、3番手・小川(友)、4番手・氏川という接戦になっていた。トップは元世界チャンピオンの#27藤波貴久(ホンダ)で、トータル1点。

セミファイナル後半は、黒山が驚異的な追い上げを見せた。4つのセクションをただ一人4つともクリーン(減点0で走破)する"オールクリーン"のパーフェクトなライディングを披露。また、氏川は3つ目のセクションで減点5となったが、他はすべてクリーンした。このセミファイナル後半で、藤波は減点1、小川(毅)は減点11、小川(友)は減点5を加算した。この結果、セミファイナル終了時点の順位は、藤波2点、小川(友)7点、氏川7点、黒山8点、#武田呼人9点、小川(毅)13点の順で、この上位6名がファイナルに進出。2番手以下は同点もしくは1点差という大接戦となっていた。

ファイナルは、2つのセクションを往復する形で、合計4セクションにトライ。ここでまた驚くべきことに黒山は、4セクションをオールクリーンする凄まじい走りで、ライバルたちに強烈なプレッシャーを浴びせた。とくに小川(友)はもし1回足を着いて1点を加算すれば黒山と同点になり、クリーンの数が多い黒山が小川(友)に勝ってチャンピオンとなるところだった。ところが、次に走った小川(友)と、最終走者となった藤波もまたオールクリーン。この凄まじい戦いの末に、1位藤波(2点)、2位小川友(/7点)、3黒山(8点)となった。惜しくもわずか1点差でチャンピオンを逃す結果となった黒山だが、電動バイク「TY-E2.2」で藤波や小川(友)と互角に戦い激しく競った最終戦は、間違いなく来季につながるはずだ。

氏川(13点)は黒山に続く4位。年間ランキングは、黒山2位、氏川3位となった。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(3位)

「2024年全日本トライアル、無事に終了しました。この最終戦は、スタートしてすぐいきなりミスをしてしまいまして、それが大きく響き、頑張ったのですけれども結果3位に終わってしまいました。シリーズ戦としてはランキング2位になりまして、去年よりは1つ上がり、僕としては良かったかなとは思っていますが、今年の目標、1回は勝つ、そしてチャンピオンを取る、この2つの目標がどちらも達成できなかったので、来年に持ち越しとなります。今年は氏川選手が優勝してくれたりとか、ヤマハの電気バイクにとって非常に良い年にはなったと思いますけど、まだまだ僕たちはこんなんじゃ満足していません。来年は3年目になりますけど、野崎選手、氏川選手と3人で表彰台をすべて独占するように頑張りますので、皆さん応援をどうかよろしくお願いします」

佐藤美之監督談

「先週のSUGO大会の反省を踏まえ、今回のCity Trialは今までのTY-E2.2に車両を戻して大会に臨みました。レースがスタートした1Lapの1セクションで減点5を取ってしまい、後半持ち直したものの結果は残念ながら3位となり、今年の目標でもあった全日本チャンピオンには届きませんでした。しかし、黒山選手の2Lap目のオールクリーンは気迫の走りで、見ているお客様に感動を与えることができたのではないかと思っています。これで、今年のレースが全て終了しました。チャンピオンを獲得することができず、申し訳ないと思う気持ちと同時に今年一年間応援していただきまして本当にありがとうございました」

bLU cRU VICTORY

氏川政哉選手談(4位)

「最終戦シティトライアル、無事終わりました。結果は4位で、すごく悔しいです。去年のシティトライアルは1位を取れたのが、今年は4位で、今シーズンを笑って終えれないなと思っています。でも、自分的にはランキング3番にとどまったので、悔しいですけど少しホッとした部分もあります。来年はチャンピオンめざしてもっと頑張りたいと思います。一年間応援していただき、ありがとうございました」

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