全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.07 10月27日 東北・宮城
RACE DATA
全日本トライアル選手権 第7戦宮城・SUGO大会
開催日:2024年10月27日
■開催地:宮城県「スポーツランドSUGO」
■観客動員数:1,500人
■気温:23度
■天候:晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:藤波貴久(ホンダ)/17
REPORT
黒山が4位とし、ランキング2位、氏川は5位
全日本トライアル選手権シリーズ(全8戦)も終盤を迎え第7戦宮城県・SUGO大会が10月27日、今年も「スポーツランドSUGO」で開催された。前回第6戦近畿・和歌山大会は、最高峰の国際A級スーパークラス(IAS)においてYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#3黒山健一が、電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で2位を獲得。同じく「TY-E 2.2」を駆りランキングトップだった氏川政哉(#2/bLU cRU VICTORY)は第6戦で5位入賞となったため、黒山が氏川を逆転してタイトル争いの単独トップに躍り出た。
そして今回第7戦は、来シーズンを見越した、実戦における開発テストとしての参戦が行われた。タイトル奪還を目指す黒山と、挽回にかける氏川。いよいよ残り2戦となった熾烈なタイトル争いはトップの黒山に対して、ともに4ポイント差の氏川と#1小川友幸(ホンダ)が迫る、三つ巴の戦いとなっている。また前大会から国際格式となり、元世界チャンピオンの#27藤波貴久(ホンダ)がライバル車となる電動トライアルバイクで参戦、IASでの電動車同士の対決も引き続き大きな注目を集めた。
会場は前日から爽やかな好天に恵まれ、大会当日も秋晴れのもとでの戦いとなった。セクションはクリーン(減点0)を狙えるものも多かったが、減点5となる失敗につながる落とし穴も随所に用意されていた。また、自然の急斜面や岩場を生かしたセクションだけではなく、観客が見やすい場所に用意された人工セクションもあり、多くの観客がレースを楽しんだ。IASの競技は17名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名が2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。
1ラップ目終了時点でトップに立ったのは藤波で、減点5がない走りで減点3。これに続いたのが黒山で、やはり減点5をはなく、藤波に迫る確実なライディングで減点7におさえ、4点差で2番手につけた。その後ろには、ともに減点5を2つ喫した氏川と小川(友)がともに減点10。そして、#5小川毅士が減点12で背後につけていた。
続く2ラップ目、さらに調子を上げた藤波は、2ラップ目は減点2で、トータル減点5とともに、小川(友)が減点5(トータル15点)で追い上げ2番手に進出。黒山は2ラップ目の第8セクションまでわずか減点3(トータル10点)にとどめていたが、終盤の第9・10セクションで減点5となるミスが重なりトータル減点20で、2ラップ終了時点の3番手となった。4番手はトータル23点の小川(毅)、5番手はトータル25点の氏川だった。
この時点で、トップ藤波と2番手小川(友)の差は10点。残るSSの2セクションで最大10点差がつく可能性はあるが、藤波と小川(友)がもし同点(ともに15点)となった場合はクリーンの数(ともに15)も同じだが、減点1の数は藤波(5)が小川(友)の2を上回るため、2ラップ目終了時点でSSを待たずに藤波の1位が決定した。
注目の2位争い、2番手の小川(友)と3番手の黒山との差は5点で逆転のチャンスは残されていた。そのSS1つ目のセクションは、数多くのコンクリートブロックを乗り越えていくもので、ブロックからブロックへと飛び移る見せ場も用意されていた。このSS1で黒山は残念ながら減点5(トータル25点)となり、ここで減点2(トータル17点)の小川(友)とは8点差になったため、小川(友)の2位が確定。また、小川(毅)はここで減点1(トータル24点)で3番手となり、黒山は4番手に後退。氏川は5番手をキープした。
そしていよいよ最後のSS2は、小川(毅)と黒山の3位争いとなり、氏川にも3位の可能性は残されていた。SS2はSS1を逆走するものだったが、ここは3人とも減点1となり、3位小川(毅)、4位黒山、5位氏川という結果となった。
第7戦を終えてのポイントランキングは、小川(友)が1位、黒山は2位となったが、その差はわずか3ポイント。最終戦となる第8戦で勝った方が、チャンピオンとなる計算だ。一方、3位の氏川は、小川(友)と9ポイント差で氏川にも王者となる可能性は残されている。
最終戦・第8戦 City Trial Japan大会は11月3日、大阪府大阪市中央公会堂前中之島通りで開催。第7戦終了現在ランキング上位10名のライダーのみが参戦できる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
黒山健一選手談(4位)
「無事に終了しました。結果は、非常に残念ながら4位に終わってしまいました。僕の中でも残念という言葉しか出てこないです。本当に、後悔と反省です。スーパークラス上位10名のシティトライアルが一週間後に残っていますので、チャンピオン争いはまだまだ終わったわけではありません。残り最終戦を勝ってチャンピオンを決めたいなと思いますので、皆さん応援をよろしくお願いします」
佐藤美之監督談
「今回の新しいTY-Eは、来シーズンを見越した、実戦を兼ねた開発のテストとして参戦を決めました。チャンピン争いをする中で、新しい車両でのリスクは承知していましたが、結果的に黒山選手にかなりの負担をかけさせてしまいました。いよいよ今週末はCity Trial Japan最終戦です。最後まで諦めずに全日本チャンピオン奪還を目指し戦いますので応援よろしくお願いします」
bLU cRU VICTORY
氏川政哉選手談(5位)
「皆さん応援ありがとうございました。第7戦、無事終わりました。5位という結果で自分的にはすごく悔しいです。最終戦ではまたいい結果で終えて、今シーズンを笑顔で終えれるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」