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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.04 7月14日 北海道

RACE DATA

全日本トライアル選手権 第4戦北海道大会
■開催日:2024年7月14日
■開催地:北海道・わっさむサーキット
■観客動員数:680人
■気温:27度
■天候:晴れ時々曇り
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:氏川政哉(ヤマハ)/15

REPORT

氏川が2連勝を達成、野崎が2位、黒山は僅差で5位

全日本トライアル選手権シリーズ(全8戦)の前半戦を締めくくる第4戦北海道・和寒大会は、今年も旭川に近い上川郡和寒町の「わっさむサーキット」で開催された。前日から爽やかな好天に恵まれたが、日差しは暑く、大会当日も暑さとの戦いにもなった。セクションは、急斜面を生かしたダイナミックな自然の地形や大岩だけではなく、観客が見やすい場所に用意された派手な人工セクションもあり、観戦しやすくて見ごたえのある競技が繰り広げられた。

最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する#3黒山健一は、電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で2シーズン目の参戦となり、第3戦では2位の黒山らヤマハ勢が初優勝するとともに表彰台を独占。今大会前日の黒山は、「明日は僕が1番でヤマハ1-2-3!」と自らも電動バイクで初優勝すべく闘志を燃やしていた。また、今年は新たに氏川政哉(#2/bLU cRU VICTORY)が「TY-E 2.2」で参戦。第3戦で電動バイク初優勝を獲得、「2連勝めざして頑張ります!」という意気込みだ。さらに、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#4野崎史高も今年から「TY-E 2.2」で参戦。前回は3位となっていただけに、「大きくセッティングを変えた」と電動バイクのさらなる進化をめざして勝負を賭けるかまえだ。

国際A級スーパー(SA)クラスの競技は17名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高く見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。

前半の1ラップ目終了時点でトップに立ったのは、第3戦に続いて氏川だった。氏川は1ラップ目、ただひとり減点5となる失敗は1つもなく、わずか減点5点でまわり、クリーン7をマークした。2番手は#6柴田暁(TRRS/減点6・クリーン8)で、氏川とはわずか1点差。3番手は野崎(減点9)と、トップ3は接戦となっていた。4番手は#5小川毅士(ベータ/減点12)、黒山(減点19)は減点5となる失敗が3つあり5番手と出遅れた。

後半の2ラップ目、氏川は谷間の岩場を上がる第7セクションで減点5となる失敗が1つあり1ラップ目よりも減点を1点増やしたがクリーンを1つ増やして、2ラップ目終了時点では減点11・クリーン15の圧倒的な好成績でトップを堅持。セクション出口の大岩から飛び降りる際には一瞬、空中でハンドルを大きく切って見せる余裕も披露した。

2番手には、野崎が躍進。減点21と氏川の倍近い減点となっており、その差10点。残るSS=2つのセクションでもしも氏川が2つとも減点5、野崎が2つともクリーンした場合には同点となる計算で、クリーン数も同じ15だが、減点1の数は3つの氏川が2つの野崎を上まわるため、2ラップ目終了時点でSSを待たずに氏川の勝利が決定的となった。

注目の2位争いは、大接戦。2番手の野崎(減点21・クリーン13)に続く3番手は小川(毅/減点23・クリーン14)、4番手は柴田(減点24・クリーン12)、5番手の黒山(減点28・クリーン12)にもまだまだ逆転の可能性は残されていた。

大きく明暗が分かれたSS1つ目のセクションは、最後の大岩上りが鬼門。ここで氏川とともに野崎と小川(毅)が失敗。柴田と黒山はクリーンした。この結果、柴田(減点24・クリーン13)が2番手に浮上、野崎3番手(減点26・クリーン13)、小川(毅)4番手(減点28・クリーン14)、黒山は5番手のままだが4番手と同点に追いつくなど大きく点差を詰めた(減点28・クリーン13)。

そして迎えたSS2つ目の最終セクション。出口のコンクリート上りが大きな見せ場となった難所を、氏川は1点で走破した。その瞬間、氏川は電動トライアルバイク「TY-E 2.2」とともに初めての2連勝を獲得した。氏川自身はこれが通算6勝目。タイトル争いでも、氏川&TY-E 2.2が単独トップに躍り出た。

さて、いよいよ2位争い。最終セクションでも大きく明暗が分かれ、小川(毅)と黒山は1点で走破。野崎は2点で踏ん張り、柴田は5点。これで野崎が柴田を逆転、TY-E 2.2で初の2位表彰台をゲットした。その野崎と1点差の29点で小川(毅)、柴田、黒山の3名がそれぞれ同点に並ぶ状況となったが、クリーンの数が1つ多い小川(毅)が3位。柴田と黒山は同点・同クリーン数だったが、減点1の数は柴田が4、黒山が3と、柴田が1つ多かったため、柴田が4位、黒山は残念ながら僅差で5位となった。

ヤマハ1-2-3の再現はならなかったが、その可能性は十分にあった。21歳という若さとのびのびとしたパワーと勢いを感じさせる、氏川。野崎の躍進は、セッティングを変えたこととマシンに慣れてきたことが大きいと言う。黒山も挽回にかける、後半戦が待ち遠しい。

次回第5戦広島・三次灰塚大会は9月1日、灰塚ダムトライアルパークで行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(5位)

「結果は非常に残念ながら5番で終わってしまいました。僕の中では北海道を走るにあたっての仕様をちょっとミスしてしまったな、というのが正直な気持ちです。5番になんとか入れたので、次の第5戦まで少しインターバルがありますが、しっかりとバイクを作り上げて頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

佐藤美之監督談

「今回のセクションは簡単そうに見えて、1・2点を争う試合になるだろうと見ていましたが、1点2点を我慢すると5点をとってしまうという厳しいコースでした。黒山選手はクリーンを狙うところで5点をとってしまったり、結果的に3位・4位・5位が同一の減点の中で黒山選手が5位になってしまったのはちょっと残念だったかなと思います。氏川選手が2連勝、野崎選手は2位表彰台をキープしたということで、非常にうれしく思っています。長いインターバルに入りますが、後半戦あらためて頑張りたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いいたします」

bLU cRU VICTORY

氏川政哉選手談(1位)

「結果は1位、初めての2連勝で本当にうれしく思います。こうして勝てたのもヤマハさんのおかげですし、ファンの皆さんの応援のおかげだと思うので。次戦も引き続き、この調子でいけたらいいなと思います。ありがとうございました」

Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(2位)

「結果は2位で、内容的にも悪くはなかったと思います。1ラップ目が集中できたのですが、2ラップ目にちょっと乱れもあって。最悪なことにSSで左ヒザを怪我してしまったので、早く治していきたいと思います。とりあえず2位は良かったと思います。また応援よろしくお願いします」

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