全日本トライアル選手権 IAスーパー

RACE DATA

■大会名称：全日本トライアル選手権第8戦中部大会
■カテゴリ：国際A級スーパークラス
■開催日：2007年10月14日（日）
■開催地：愛知県／キョウセイドライバーランド
■競技：13セクション×2ラップ+3スペシャルセクション（SS）　■持ち時間：6時間
■最多クリーン数：黒山健一（ヤマハ）18
■観客数：2,200人　■天候：曇り時々晴れ　■気温：25度

REPORT

黒山、最多クリーンも2位、野崎は3位表彰台
成田、国際A級チャンピオン獲得！

ヤマハTYS250Fを駆り、今年は史上初の6年連続チャンピオン&史上最多V8をめざして戦ってきた黒山健一は、前回第7戦で小川友幸（ホンダ）に破れて9ポイント差をつけられていた。このため今回黒山が優勝しても、小川が5位以内に入ればタイトルを失う。厳しい状況ではあるが、大逆転の可能性を残している黒山は、優勝すべく1ラップ目は序盤から快調な走りでトップに立ち小川をリードした。ところが第8セクションで失敗、その後も減点5を重ね、1ラップ目終了時点では3番手となっていた。

しかし、2ラップ目に野崎史高を逆転して2番手に浮上。2ラップ目は小川を上回る今大会最小減点で回り、2ラップ合計のクリーン数の多さでも小川に勝る黒山だったが、追撃およばず結果は2位。年間ランキングも2位となった。

野崎は、1ラップ目はトップの小川と4点差で2番手と好スタートしたが、2ラップ目に減点を増やして3番手に後退。田中太一（ホンダ）と3位の座を争うシーソーゲームとなったが、最後に用意された難易度の高い3つのスペシャルセクションでミスを重ねた田中を突き放して、野崎が3位をゲット。前回第7戦は田中に破れて4位となった野崎だったが、今回は表彰台を奪回。全8戦中2位3回・3位4回の安定した好成績により、昨年よりも1つ上のランキング3位でシーズンをしめくくった。

国際A級では、排気量125ccのヤマハエンジン（4ストローク）を搭載したTY-S125Fを駆る成田匠が1ラップ目からトップに立ち、2ラップ目はライバル小森文彦（ホンダ）が追い上げてきた、同点・クリーン1つの差で成田が優勝。タイトル争いでも成田が小森に5ポイント差をつけて、125ccマシンで250cc以上のマシンを打ち破りチャンピオンを獲得する快挙を達成した。

国際B級では、藤巻耕太（ガスガス）が優勝したが、ヤマハエンジン（2ストローク）を搭載のスコルパSY250Rを駆る平田貴裕（スコルパ）が、タイトル争いをしていたライバル滝口輝（ホンダ）に2ポイント差をつけてチャンピオンに輝いた。

COMMENT

黒山健一選手談（2位）

「2週間前に出場したトライアル・デ・ナシオン（国別対抗戦）で痛めた腰の調子が良くなかったということはあるが、今日は気持ちの良い試合ができた。今年の全日本を象徴するような試合だった気がする。シーズンを振り返ってみると、肩の手術をして復帰には時間がかかるといっていた医者の言う通り、無理をして調子を崩してしまった。負けて残念だし、ライダーとしては悔しいが、友人としては小川選手を心から祝福したい。ひとまずチャンピオンは彼に預けるが、来年は必ず取り返す」

野崎史高選手談（3位）

「今日は途中で1度4番手に落ちたが、なんとか3位に復活した。マシンも体も調子が良かったが、もったいない失敗があった。ちょっと納得のいかない判定もいくつかあったのだが、他の選手にもあったと思うので仕方がない。3位には満足していないが、最低条件はクリアした感じ。田中選手に負けまいと走破した2ラップ目の第13セクションと、その後のスペシャルセクションは自分の思うような走りができて良かった。今年は優勝がなかったので、来年はぜひ勝ちたい」

成田匠選手談（優勝／国際A級）

「今日はすべてを出し切った。強力なライバルに恵まれて幸せだ。国際A級はベテランもいりが若手もどんどん出てきて、いい雰囲気になっている。皆が自分のベストをめざして走っているので、すごくフェアな気持ちで競技に集中できた。来年は125に乗る藤巻耕太選手が昇格してくるのが楽しみだし、できれば勝ち逃げではなく国際A級にとどまって彼らが超える目標になりたいと思っている。また今年は125のポテンシャルの高さを皆さんに知っていただくことができて本当に良かった」