全日本トライアル選手権 IAスーパー
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.07 9月16日 中国
RACE DATA
■大会名称:全日本トライアル選手権第7戦中国大会
■カテゴリ:国際A級スーパークラス
■開催日:2007年9月16日(日)
■開催地:山口県/フィールド幸楽トライアルパーク
■競技:10セクション×3ラップ■持ち時間:6時間
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)21
■観客数:2,700人 ■天候:曇り時々雨 ■気温:25度
REPORT
黒山健一が2位、野崎史高は4位
今年、史上初の6年連続チャンピオンと史上最多V8をめざしてTYS250Fで戦ってきた黒山健一(ヤマハ)にとって、正念場がおとずれた。この大会で勝てば逆転チャンピオンの望みは大きく残るが、負ければ厳しくなる状況だった。大会は台風11号の影響で雨が降ったり止んだりの荒れ模様となったが、セクションは見やすい場所に配置されるとともにピラミッド形の大岩など新たな難所を設定。悪天候ながらも多くの観客が集まった。
競技序盤は黒山が、ランキングトップに立つ小川友幸(ホンダ)をリード。1ラップ目・第3セクションの沢のなかから大岩を上がる難所を鮮やかにクリーンした黒山に対し、小川は失敗。その後も第9セクションの岩場とヒルクライムを足着き1回でこなした黒山が、ここでも失敗した小川を突き放し、1ラップ目終了時点で7点差をつけトップに立つ。
さらに、2ラップ目に入り第4セクションの大岩でも黒山が勝り、小川との差を10点にまで広げ、競技後半は逃げ切るかと思われた。ところが2ラップ目、ピラミッド形の大岩がある第6セクションの出口で黒山が失敗。さらに3ラップ目の第4、第5セクションで減点5を重ねた黒山を、小川が逆転。このまま小川が勝って黒山は2位となり、ポイントは再び9に拡大。タイトルは難しくなったが、大逆転の可能性は残されている。
野崎史高は早い試合運びで果敢に攻めたが、1ラップ目に出遅れて4番手となり、2ラップ目に追い上げたものの3ラップ目は再び減点を増やしてしまった。今シーズンは開幕戦から表彰台をキープしてきた野崎だったが、今回は4位となり、次回・最終戦での挽回に賭ける。
国際A級は、TY-S125Fを駆る成田匠がライバルたちと接戦を展開。ミスが許されない神経戦のなか、成田は2ラップ目に二つの減点5を取って優勝争いから後退。3ラップ目に激しく追い上げたが、今季最悪の5位となった。しかし、タイトル争いは成田がトップを守っており、2位の小森文彦(ホンダ)を2ポイントリードしたまま最終戦の中部大会に臨む。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | 減点/クリーン |
---|---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | HRCクラブMITANI | Honda | 減点31/クリーン21 |
2 | 黒山健一 | チーム・黒山レーシング・ヤマハ | Yamaha | 減点39/クリーン19 |
3 | 田中太一 | HRCクラブぱわあくらふと&T | Honda | 減点54/クリーン15 |
4 | 野崎史高 | チーム・フミタカ&YSP京葉 | Yamaha | 減点58/クリーン15 |
5 | 井内将太郎 | チーム・イウチ☆ペガサス | Beta | 減点91/クリーン8 |
6 | 田中善弘 | TEAM MINE GASGAS | Gasgas | 減点108/クリーン7 |
7 | 尾西和博 | HRCクラブぱわあくらふと&K | Honda | 減点121/クリーン3 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | Honda | 131 |
2 | 黒山健一 | Yamaha | 122 |
3 | 野崎史高 | Yamaha | 109 |
4 | 田中太一 | Honda | 87 |
5 | 井内将太郎 | Beta | 69 |
6 | 渋谷勲 | Beta | 48 |
7 | 田中善弘 | Gasgas | 45 |
8 | 坂田匠太 | Gasgas | 37 |
9 | 尾西和博 | Honda | 28 |
10 | 小川毅士 | Honda | 13 |
COMMENT
黒山健一選手談(2位)
「非常に残念。でも、いい勝負になり非常に楽しかったし、今後につながる走りができた。前半は良く走れたが、今日はミスすればすぐに減点5になるようなセクションだったし、後半は難しくなった。でも中途半端ではなく自分の力を出し切ったので良かった。次はトライアル・デ・ナシオン(国別対抗戦:9月30日/マン島)があるので、日本代表の一人としてベストを尽くしたい。全日本は、最終戦までは時間があるので反省すべきところは反省してまた頑張るだけだ」
野崎史高選手談(4位)
「今日はセクション攻略に自信があったので、早回りした。天候に対しては、後半になるほど雨がひどくなったので早回りして正解だったが、走行ラインがまだできていなかったという点では裏目に出てしまった。それで1ラップ目はかなり悪くて、2ラップ目は1ラップ目のトップ集団に追いついて、走行ラインができていたので走りやすくなった。今日は上をめざすことを意識しすぎて、調子が出ないまま終わってしまったが、最終戦は気持ちを入れ替えて臨みたい」
成田匠選手談(5位/国際A級)
「今日は6位になってしまうかと思っていたので、5位にとどめることができて良かった。上位の選手は皆レベルが高いので僅差の勝負になり、1ラップ目はそのなかにいることができたが、2ラップ目にクリーンできるはずのセクションでタイムオーバーするなどのミスをして、減点5を二つとったのが致命的だった。それでなくても小森選手や本多選手が乗れていたので、勝負にならなかったかなという感じだ。僕自身は良く乗れていたので気落ちするようなことはない。最終戦はまたいい走りで締めくくりたいと思う」