全日本ロードレース選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本ロードレース選手権に関する情報をお届けします。
Rd.03 5月22-23日 SUGO
RACE DATA
■大会名称:全日本ロードレース選手権 第3戦 スーパーバイクレース in SUGO
■開催日:2021年5月22日(土)・23日(日)
■会場:スポーツランドSUGO(3.6211km)
■気温:22日 19度/25日 16度
■観客数:22日 3,700人/23日 2,400人
JSB1000 レース1
濃霧により中止
■PP:津田一磨(1分33秒693/スズキ)
JSB1000 レース2
■周回数:25周 ■天候:曇り ■コース:ドライ
■PP:中須賀 克行(1分38秒051/ヤマハ)
■FL:中須賀 克行(1分27秒504/ヤマハ)
ST1000
■周回数:17周 ■天候:曇り ■コース:ドライ
■PP:渡辺 一馬(1分30秒623/ホンダ)
■FL:渡辺 一馬(1分28秒782/ホンダ)
ST600
■周回数:20周 ■天候:曇り ■コース:ドライ
■PP:荒川 晃大(1分31秒522/ホンダ)
■FL:荒川 晃大(1分30秒442/ホンダ)
REPORT
JSB1000
レース1:霧による視界不良ため中止
全日本選手権シリーズ第3戦の舞台となったスポーツランドSUGOは、5月22日(土)午後から一気に霧に包まれてしまった。これにより、この日に予定されていたJSB1000のレース1は視界不良により中止。予選結果による順位に、通常のシリーズポイントのハーフポイントが付与されることになり、予選2番手となったYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は10ポイントを獲得した。
5月22日(土)午前に行われた予選は、スタート時の路面状態はウエットだったが、その後、徐々に乾きはじめて、セッション終盤にはドライ路面用のスリックタイヤでの走行が可能となった。ここで中須賀は、予選終了まで約15分となったところでスリックタイヤに変更。しかし、第1コーナーから第3コーナーは路面がウエットで、その他にも同様な箇所があったことから無理ができない状態だった。
こうしたなか、中須賀は1分37秒704を記録してレース1は2番手スタート。そしてレース2のスターティンググリッドを決めるセカンドベストタイムでは1分38秒051を記録しており、ポールポジションスタートとなった。
そしてレース1は、午後3時30分に、霧による視界不良ために中止が決定。5月23日(日)にレース2が行われる。
レース2:中須賀は完璧なレース運びで今季5勝目を獲得
霧による視界不良で中止となったスポーツランドSUGOでのレース1だが、5月23日(日)のレース2は曇りながらドライコンディションで行われ、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行は、ノーレースを挟み開幕5連勝を達成した。
前日の公式予選で、セカンドベストタイムを記録していた中須賀はポールポジションにYAMAHA YZF-R1を並べた。そして好スタートを切ってホールショットを奪いレースを牽引したが、オープニングラップの第4コーナー手前で津田一磨(スズキ)が転倒し、マシンがコース上に残ったことからセーフティーカーが介入。
レースは3周目に入るところでリスタートとなり、ここで清成龍一(ホンダ)がトップに立ち、中須賀は2番手から清成を追うことになった。しかし、5周目に入るホームストレートから第1コーナーまでに清成をパスしてトップに浮上。すると6周目、7周目、9周目、10周目にファステストラップを連続してマーク。これで一気に2番手の清成との距離が広がった。
その後も中須賀はコンスタントに1分27秒台で周回を重ねると、最終的に2位の濱原颯道(ホンダ)に9秒874の大差をつけて今季5勝目を挙げた。
ST1000
前田選手はマシントラブルも9位完走
トップを快走しながらも岡本選手は転倒でノーリザルト
5月22日(土)に行われた公式予選でbLU cRU ニトロレーシング51ガレージ YAMAHAの岡本裕生は2番手、bLUcRU 伊藤レーシングBORGヤマハの前田恵介は3番手と、両ライダーともフロントローからのスタートとなった。しかし、前田はマシントラブルで9位、岡本選手はトップを走りながらも転倒でリザルトを残すことはできなかった。
好スタートを切ったのはポールシッターの渡辺一馬(ホンダ)で、2周目には岡本が2番手に上がる。そして5周目に岡本はファステストラップを記録すると、6周目にはトップに浮上。この5周目から8周目まで、自身の記録したファステストラップを更新し続ける圧巻のライディングで2番手以下とのギャップを拡大した。しかし、トップを走行中の10周目、第1コーナーで岡本が転倒。再スタートできずにリザルトを残すことはできなかった。
一方の前田は、早い段階からマシントラブルに見舞われてしまい、思うようにペースが上げられないレースとなった。4周目には1分29秒916をマークして従来のコースレコードを上回るが、以降は1分30秒台から31秒台でラップを刻み、レース終盤では1分29秒台に巻き返したものの9位でチェッカーとなった。
JSB1000 RESULT Race.1
JSB1000 RESULT Race.2
ST1000 RESULT Race.1
ST600 RESULT Race.1
JSB1000 RIDERS RANKING
ST1000 RIDERS RANKING
ST600 RIDERS RANKING
COMMENT
JSB1000/レース1
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手談
「予選は、路面状態がウエットからドライに変化するという、とても難しいコンディションでした。走り出しはレインタイヤでしたが、そのフィーリングを確認できるほどに雨は降らず残念でしたが、途中で交換したスリックタイヤのフィーリングの確認はできました。レース1が視界不良で中止になったのは残念ですが、しっかりと気持ちを切り替えて明日のレース2に挑みます」
佐藤美之マネージャー
「レース1が中止になったのは、我々はもちろん、応援していただいているファンの皆さんにとっても残念な結果ではありますが、霧による視界不良ということで仕方のない判断です。中須賀選手をはじめチームスタッフは、しっかりと気持ちを切り替えて明日のレース2に臨みますので、変わらぬ応援をお願いいたします」
JSB1000/レース2
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手(優勝)
「スターティンググリッドについているとき、パラパラと雨が降り始めていたので、いつ天候が崩れて中止になってもいいように、早めに前に出ることを心掛けました。その後、天候が崩れることはなく、しっかりとドライコンディションでレースができたのは、観に来てくれているファンにとっても良かったと思います。ただ、今日は湿気が多かったのか、タイヤのグリップ感を得られず、セーフティーカーが介入している間に改めて気持ちを引き締めました。トップに立ってからは、最後まで安定して走ることだけを考えていましたが、開幕戦から勝ち続けることができ、嬉しく思います」
佐藤美之マネージャー
「前日に予定されていたレース1が、霧による視界不良で中止になりましたが、中須賀選手をはじめチームスタッフは緊張 を保ったまま本日のレース2に臨み、そして優勝することができました。前日のノーレースを挟み、中須賀選手は開幕から5連勝となりましたが、今後もしっかりと戦い、チーム力でチャンピオンを目指します。今回も、多くのファンの皆さまからご声援をいただきましたが、そうしたファンの皆さま、レース活動を支えていただいている関係者様やスポンサー様の皆さまに、優勝という結果をご報告できることを嬉しく思います」
ST1000
bLUcRU 伊藤レーシングBORGヤマハ
前田恵助選手談(9位)
「本当に悔しいし、不完全燃焼なレースでした。そうした中で、タイヤの使い方が分かったので、今後のレースに向けて収穫も大きかったです。次の筑波は、全日本で初めて表彰台に立った(2016年のST600/2位)サーキットなので、これまでの2レースで得られたデータや、事前テストでのデータを生かして表彰台を狙っていきます」
bLU cRU ニトロレーシング51ガレージ YAMAHA
岡本裕生選手談(DNF)
「いいペースで周回できていたのですが、あの周だけ第1コーナーでラインを外してしまい、ちょうどそこにパッチがあり踏んでしまって転倒しました。ライディング自体は余裕があったし、もっとペースを上げることもできましたが、一瞬のミスで転倒してしまいました。怪我は全くありませんが、悔しさで一杯です。気持ちを切り替えて、次の筑波戦に臨みます」