全日本ロードレース選手権 JSB1000
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどJSB1000に関する情報をお届けします。
Rd.02 5月11日 筑波
RACE DATA
■大会名称:2008全日本ロードレース選手権第2戦
■カテゴリ:JSB1000クラス
■開催日:2008年5月11日(日)
■会場:筑波サーキット(2.070km)
■観客:15,800人
■天候:曇り■気温:13℃
■コース:ドライ
■周回数:30周
■PP:手島 雄介(ホンダ/1分01秒150)
■FL:秋吉 耕佑(スズキ/56秒477)
REPORT
難しい路面状況下で中須賀克行が開幕2連勝達成!!
5月11日(日)の決勝レースは、雨が降ったり止んだりという難しいコースコンディションとなったが、JSB1000のスタート前には雨も上がり、ウエットレース宣言が解除。そしてスタートダッシュを決めた中須賀克行が、秋吉耕佑(スズキ)との接戦を制して開幕2連勝を達成した。
5月9日(金)の合同走行は初夏の気候とともにドライ路面での走行。ここで中須賀は56秒746を記録してA組3番手。総合では7番手となるが、トップの秋吉からは0.547秒の僅差。そして10日(土)の公式予選は、雨に加えて春先の寒さのなかでのタイムアタックとなった。ここで中須賀は、A組2番手の1分01秒691を記録。総合で4番手となり2列目からのスタートを待つことになった。
11日(日)の決勝日。前日からの雨が降り続くが、次第に小降りになると、その後は降ったり止んだりという難しいコースコンディション。中須賀はスタッフと入念なミーティングを続けるが、決勝レース直前にコースコンディションはドライとなった。
「スタートで前に出ることだけに集中していた」と語る中須賀は、絶妙なクラッチミートで第1コーナーをトップで進入。そして一気にペースを上げると、オープニングラップで2番手の手島雄介(ホンダ)に0.768秒差をつける。その後も中須賀はペースを緩めることなく首位を堅守。だが、4周目に2番手に上がった秋吉が、中須賀を上回るペースで追い上げ、6周目に中須賀は秋吉にトップの座を明け渡してしまう。しかしその後、中須賀は秋吉の背後をピタリとマーク。15周目の第1コーナーで仕掛けた中須賀は再び首位の座を取り戻す。
その後、18周目に秋吉がトップに立つが、中須賀は26周目の第1コーナーで、僅かに空いたインを突いて首位に躍り出る。そして一気にペースを上げると、秋吉に逆転の隙を与えずにトップで30周レースのチェッカー、開幕2連勝を達成した。
また、今年からJSB1000を戦う佐藤裕児は、予選15番手からのスタートとなり、13位でレースを終えた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | YSP&PRESTOレーシング | Yamaha | 28'40.326 |
2 | 秋吉 耕佑 | ヨシムラスズキwithJOMO | Suzuki | 28'41.287 |
3 | 手島 雄介 | DREAM HondaRT48 | Honda | 28'42.927 |
4 | 酒井 大作 | ヨシムラスズキwithデンソー | Suzuki | 28'43.574 |
5 | 山口 辰也 | モリワキMOTULレーシング | Honda | 28'45.200 |
6 | 伊藤 真一 | KEIHINKoharaR.T. | Honda | 28'46.921 |
7 | 柳川 明 | TEAM GREEN | Kawasaki | 28'49.531 |
8 | 大崎 誠之 | SP忠男レーシングチーム | Yamaha | 28'51.066 |
9 | 横江 竜司 | RT森のくまさん佐藤塾 | Yamaha | 29'02.389 |
10 | 岡田 忠之 | 急募.com HARC-PRO. | Honda | 29'02.617 |
11 | 徳留 和樹 | DREAM HondaRT11 | Honda | 29'18.442 |
12 | 今野 由寛 | PLOT FARO パンテーラ | Suzuki | 29'21.339 |
13 | 佐藤 裕児 | ワイズギアレーシング | Yamaha | 29'21.747 |
14 | 奥田 貴哉 | チームOSG&モトスポーツ | Honda | 29'37.615 |
15 | 高橋 孝臣 | MOTO BUM HONDA | Honda | 28'44.911 (-1Lap) |
16 | 清水 郁巳 | DREAM高崎B'WISE R.T | Honda | 28'45.200 (-1Lap) |
17 | 山中 正之 | ホンダ Q遊会 明和レーシング | Honda | 28'51.429 (-1Lap) |
18 | 東村 伊佐三 | RS-ITOH&KAZE | Kawasaki | 29'11.526 (-1Lap) |
19 | 津田 一磨 | Team 桜井ホンダ | Honda | 29'30.629 (-1Lap) |
20 | 児玉 勇太 | ウイダーD.D.BOYS | Honda | 28'49.316 (-2Lap) |
21 | 亀谷 長純 | Team 桜井ホンダ | Honda | 28'57.724 (-2Lap) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | Yamaha | 50 |
2 | 酒井 大作 | Suzuki | 40 |
3 | 山口 辰也 | Honda | 36 |
4 | 手島 雄介 | Honda | 33 |
5 | 柳川 明 | Kawasaki | 30 |
6 | 大崎 誠之 | Yamaha | 28 |
7 | 横江 竜司 | Yamaha | 26 |
13 | 佐藤 裕児 | Yamaha | 15 |
COMMENT
中須賀克行選手談(1位)
「タイヤの温まりが早いので、スタートを決めることができれば、いい展開に持ち込める自信はあった。今回の課題は、スタートダッシュして、いかに自分のペースでレースをするかだった。レース序盤で秋吉さんに迫られたけれど、第2ヘアピンでの僕のミスもあってペースを崩したので、秋吉さんに前に出てもらってペースを取り戻そうという作戦だった。レース後半でも、秋吉さんに前に出てもらったけれど、そのときは、秋吉さんのマシンが走っていなくて、タイヤも厳しいのが分かった。だから、ラスト5周で勝負を仕掛けたけれど、これがうまく行って満足している。開幕2連勝は最高です」
横山勝美テクニカルディレクター談(YSP&PRESTOレーシング)談
「天候不順で、スタート直前まで路面コンディションに悩まされました。もちろん、ドライでもウエットでも、どちらでも行ける準備はしてありましたが、ライダーが本当に頑張ってくれました。開幕2連勝で、チームとしての士気も上がっているし、次戦のオートポリスは中須賀選手の地元レースでもあるので、さらにチーム一丸となって頑張りたい。毎レースで多くのファンの方々が応援に駆けつけてくれていますが、とても励みになっています。この応援に応えるためにも、いいレースを続けていきたいですね」
水沢嘉監督(YSP茅ヶ崎店長)談
「レース直前まで天候不順だったためマシンセッティングについてミーティングを重ねたことが良い結果につながったのだと思います。開幕戦で優勝したことも関係があると思いますが、今年の中須賀選手は自信に満ち溢れているように感じます。今日のスタートダッシュには驚きました。まだシーズンは始まったばかりですが、優勝に期待したいです。次は彼の地元九州大会なので大勢のファンの前で、また勝ってくれることを祈っています」
佐藤裕児選手談(13位)
「昨年のST600では、筑波サーキットを攻めることができたけれど、JSB1000では、そこまで詰め切れませんでした。レースウイークでの天候の急変は、貴重な体験でしたが、それ以前に、自分をもっと強くしていかないとというのが今後の課題です」