全日本モトクロス選手権 IA2

RACE DATA

■大会名称：2009全日本モトクロス選手権第9戦中国大会
■カテゴリ：IA2クラス
■開催日：2009年10月11日（日）
■開催地：世羅グリーンパーク弘楽園（広島県）
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート
■天候：晴れ　 ■観客数：10,700 人

REPORT

小島が今季初の連続表彰台となる2／3位を獲得！

チーム・KOH-ZからYZ250Fで参戦する小島太久摩が、第1ヒートで3位、第2ヒートでは2位とし、今季初となる2ヒート連続での表彰台を獲得。ランキングトップの勝谷武史（カワサキ）とは離されているものの、ヤマハのIA2トップライダーとしランキング3位をキープしたまま最終戦を迎えることとなった。

第1ヒート、好スタートを切ったのは平田優（ホンダ）、これに小島、島崎大祐（スズキ）が続く。序盤は平田、小島の2人が後方を引き離しながらほぼ同じペースでレースをリード。しかし中盤に入ると徐々に2人の差が拡大。平田が独走体制に持ち込む。一方後方から、勝谷が激しい追い上げをみせ、ペースの落ちてきた小島との差を縮めてくる。そして15周目に小島は勝谷の先行を許し、平田、勝谷に続く3位でフィニッシュとなった。

チーム・YZの田中雅己は、1周目を15番手あたりで通過。3周目には11番手として、さらなる順位のアップが期待されたが、その周に転倒して最後尾に近い位置まで後退してしまう。しかしそこから10人以上のライダーをかわし、最後は14位まで晩回してフィニッシュした。木下隼はスタートで大きく出遅れると、その後順位を上げ20番手前後でレースを進め、最後は17位でゴール。最後尾で1周目を通過した小関元貴は22位。松下幸司は、予選で転倒があり決勝進出を逃した。

第2ヒート、ホールショットは深谷。これに井上眞一（カワサキ）、三原拓也（カワサキ）、小島が続く。1周目を終えるまでに小島は2番手に浮上してトップの深谷を追いかける。その深谷が3周目に転倒して小島はトップに立つと、そのままハイペースで後方を引き離しながらレースを展開していく。

しかし、この小島に一人食らいついてきたのが勝谷。4周目に小島に続く2番手に浮上して追撃を開始するが、小島は勝谷を寄せ付けることなくリードを保ったかか周回を重ねていく。ところが、残り10分となったところで突如小島がペースダウン。これで小島は勝谷に迫られると、14周目にかわされ2番手に後退する。

その後もペースが上がらない小島に島崎が接近。しかし小島は島崎のプレッシャーを最後まで耐え抜いて2位とし、今季初となる両ヒート表彰台を獲得した。優勝は勝谷、3位は島崎となった。

7番手で1周目を終えた田中は、序盤の混戦の中でペースを掴むことができず順位を少しずつ落とし、中盤には11番手となる。その後はペースを取り戻してポジションをキープし11位でゴール。ま木下は21位、小関は転倒がありリタイヤとなった。

併催されたレディスクラスでは、安原さやがランキングトップの益春菜（ホンダ）との激しいバトルを制し、今季2度目となる優勝を達成した。安原はスタートで出遅れ、5番手で2周目に入るが、その周のうちに3番手に浮上する。さらに3周目にトップの邵洋子（スズキ）が転倒し益に続く2番手に上がると、その勢いのまま5周目には益のテールをつかまえる。そこから数周に渡りバトルを展開し残り3周となったところで逆転。その後は益を寄せ付けず今季2勝目を挙げた。2位は益、3位は鈴木沙耶となった。

全日本モトクロス選手権の最終戦となる第10戦は、宮城県のスポーツランドSUGOにて10月24日（予選）・25日（決勝）のスケジュールで開催される。

COMMENT

IA2：小島太久摩選手談（3位/2位：総合3位）

「第1ヒートは思い通りのスタートができて平田選手に続く2番手。序盤は自分の走りで平田選手についていったが。しかし彼のペースが速かったし、かわすためにラインを変えるなどのトライをしていくうちリズムが崩れ、また腕上がりがひどくなってペースが落ちて、最終的には3位になってしまった。やってはいけない最低のレースだった。第2ヒートもスタートを決め、3周目にトップに立つ理想的な展開で、勝谷選手とも十分なマージンがあったので、このままいけるという感触があった。でも残り10分となったところで体調が急に悪化してペースダウン。一気に勝谷選手にかわされてしまった。その後はさらに追い上げを受けて厳しいレースとなったが、なんとか最後まで持ちこたえて2位を獲得することができた。最終戦は、勝利も大切だが今日のように悔いの残らないレースをしてシーズンを終えたい」

レディス：安原さや選手談（優勝）

「今日は本当に楽しかった。いろいろな人から乗れていると言われて、自分でもその実感があり、スタートで出遅れたにもかかわらず、すごく前向きにレースができた。そうするうちにドンドンとトップとの差が詰まって、益選手の背後についてからは、少しでも絡んでいこうと真っ正面から挑んだ。自分の中ではフープス手前のコーナーで勝負と考えていたが、練習のときに走ったラインのことを思い出し、そこで益選手をかわすことができた。その後も楽しみながら走ることができ、本当に良いレースだったと思う。ここまで安原はマディでしか勝てないと言われてきたけど、これでドライでも戦えることが証明できたし、トップライダーとの真っ向勝負で勝てたことは大きな自信になった。次回のSUGOでは、今まで成し遂げたことのない連続優勝を狙いたいし、来年に向けても良い形で終われるレースをしたいと思う」

鈴木智之 ヤマハ総監督談

「安原選手は、藤沢、名阪と着実に成長を続けていたが、ミスなどで優勝を後一歩のところで逃してきた。そういったことを反省した結果、弱いところを克服できたレースになったと思う。特に本人も言っている通りドライのコンディションで勝てたこと、またトップライダーに勝てたことは彼女にとっては非常に大きな収穫だ。次回の最終戦は、自分の力を信じて、もう一度今回のようなレースをすること。そして来年に繋がる走りで締めくくってほしい」