全日本モトクロス選手権 IA2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA2に関する情報をお届けします。
Rd.03 5月11日 SUGO
RACE DATA
■大会名称:2008全日本モトクロス選手権第3戦SUGO大会
■カテゴリ:IA2クラス
■開催日:2008年5月11日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:雨のち曇り ■気温:11度
■観客:6,100人
REPORT
渡辺が初優勝と3位で総合2位を獲得
小島も3/2位の連続表彰台で総合3位
チーム・YZの渡辺学が第1ヒートで今季初優勝。第2ヒートでも3位を獲得して総合2位となり、ランキングは2位に浮上した。またジュビロレーシング・チームの小島太久摩は、第1ヒートは転倒がありながら3位、第2ヒートは2位とし総合3位を獲得。ランキングは渡辺に続く3位に浮上した。
第1ヒート、ホールショットは小島が奪いトップのまま2周目に突入。2 番手以下は井上眞一(カワサキ)、池谷優太(スズキ)、平田優(ホンダ)、そして渡辺が続く。
序盤は小島が速いペースでレースを展開し2番手以下を徐々に引き離していく。その後方では3周目に平田が3番手に、4周目には渡辺が4番手に浮上するなど、序盤からめまぐるしく順位が動く。
さらに7周目には、渡辺が平田をかわして3番手に上がり、その前方ではトップの小島が転倒する。これによりトップに井上、渡辺が2番手、3番手平田となる。転倒した小島は4番手で再スタートし上位3人を追う。
2番手の渡辺はすぐに井上を追い上げて後方につくと、10周目に井上が転倒して後退し、渡辺、平田、小島と順位が入れ替わる。トップに立った渡辺は、残りの周回で後方の平田を引き離すと、ファーストチェッカーで今季初優勝を獲得。2位は平田、3位は小島となった。
1周目を15番手と出遅れた木下隼は序盤こそ順位を上げることができなかったが、中盤以降は確実に順位を上げ一時は10番手とする。しかし終盤に転倒して順位を落とし12位となった。田中雅巳は1周目に転倒があり大きく遅れたが、その後挽回し25位でゴール。尾崎友哉は第2戦の怪我のため今大会は欠場した。
第2ヒートでホールショットを奪ったのは小島。そのすぐ後に平田、池谷、勝谷武史(カワサキ)が続く。1周目を終えての順位は、平田、小島、勝谷、渡辺というオーダーとなるが、その2周目に勝谷が転倒し、順位は平田、小島、渡辺となり第1ヒートで表彰台を獲得した3人が再びトップ3としてレースを展開する。
平田は序盤から中盤にかけて速いペースで小島、渡辺に対してリードを広げると、そのまま優勝を飾った。小島は後半に平田との差を縮めたものの、背後につくまでには至らず2位。渡辺は上位2人には及ばなかったが終止安定した走りでポジションを守り3位とした。
この結果、渡辺が総合2位、小島が総合3位を獲得。それぞれランキングを1つずつ上げて渡辺が2位、小島が3位となった。
10番手で1周目を終えた木下は、序盤の混戦の中でも順位を落とすことなく上位陣を追撃。10周目に8番手に上がると、その後も安定した走りで順位を守り、8位でフィニッシュした。田中は5番手と好スタートをきるも、その後順位を落として22位となった。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 33'25.894(17Laps) |
2 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 33'30.854 |
3 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 33'47.700 |
4 | 加藤 吏一 | TEAM GREEN | Kawasaki | 33'48.369 |
5 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 33'50.175 |
6 | 勝谷 武史 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 33'55.147 |
7 | 星野 裕 | TeamSRM | Suzuki | 33'55.759 |
8 | 深谷 広一 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'04.759 |
9 | 池谷 優太 | TeamSRM | Suzuki | 34'05.316 |
10 | 平塚 雅樹 | グリーンクラブパーク神戸RT | Kawasaki | 34'24.319 |
11 | 須田 純 | グリーンクラブジュニアライダーズ | Kawasaki | 34'27.473 |
12 | 木下 隼 | TEAM YZ | Yamaha | 34'29.847 |
13 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'33.064 |
14 | 矢野 和都 | グリーンクラブTEAMKTAKASE | Kawasaki | 34'37.619 |
15 | 中島 敬則 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 34'47.142 |
16 | 草野 忠道 | Yamaha | 34'49.629 | |
17 | 伊藤 正憲 | クラブヤマハモトスペース | Yamaha | 34'58.903 |
18 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 35'00.006 |
19 | 富田 俊樹 | Team BAS | Honda | 35'13.518 |
20 | 出口 隼飛 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 33'33.324(-1Laps) |
22 | 井上 洋昭 | クラブヤマハTEAMKOH-Z | Yamaha | 33'51.950(-1Laps) |
25 | 田中 雅己 | TEAM YZ | Yamaha | 34'42.571(-1Laps) |
26 | 佐々木 一司 | TEAMスピリッツ | Yamaha | 33'46.010(-2Laps) |
27 | 谷 和也 | Yamaha | 33'54.547(-2Laps) | |
29 | 中村 泰介 | Yamaha | 34'58.558(-2Laps) |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 32'20.627(17Laps) |
2 | 小島 太久摩 | Jubilo RT | Yamaha | 32'24.320 |
3 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 32'37.587 |
4 | 星野 裕 | TeamSRM | Suzuki | 32'40.128 |
5 | 深谷 広一 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 32'56.136 |
6 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 33'00.980 |
7 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 33'03.462 |
8 | 木下 隼 | TEAM YZ | Yamaha | 33'05.629 |
9 | 加藤 吏一 | TEAM GREEN | Kawasaki | 33'06.064 |
10 | 池谷 優太 | TeamSRM | Suzuki | 33'07.610 |
11 | 須田 純 | グリーンクラブジュニアライダーズ | Kawasaki | 33'19.429 |
12 | 富田 俊樹 | Team BAS | Honda | 33'22.459 |
13 | 勝谷 武史 | グリーンクラブ&ジュニアライダーズ | Kawasaki | 33'25.661 |
14 | 草野 忠道 | Yamaha | 33'41.990 | |
15 | 谷 和也 | Yamaha | 33'46.268 | |
16 | 中島 敬則 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'53.394 |
17 | 出口 隼飛 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 33'54.556 |
18 | 種子 善之 | SRFT Teamブルーイーグルス | Suzuki | 33'55.206 |
19 | 黒澤 良太 | CarLife withTES | Honda | 34'04.735 |
20 | 伊藤 正憲 | クラブヤマハモトスペース | Yamaha | 34'05.946 |
22 | 田中 雅己 | TEAM YZ | Yamaha | 34'12.731 |
23 | 井上 洋昭 | クラブヤマハTEAMKOH-Z | Yamaha | 34'15.993 |
27 | 佐々木 一司 | TEAMスピリッツ | Yamaha | 33'07.286(-1Laps) |
28 | 中村 泰介 | Yamaha | 33'13.504(-1Laps) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 平田 優 | Honda | 135 |
2 | 渡辺 学 | Yamaha | 116 |
3 | 小島 太久摩 | Yamaha | 112 |
4 | 勝谷 武史 | Kawasaki | 105 |
5 | 井上 眞一 | Kawasaki | 99 |
6 | 深谷 広一 | Honda | 90 |
11 | 木下 隼 | Yamaha | 44 |
13 | 田中 雅己 | Yamaha | 39 |
16 | 斉木 達也 | Yamaha | 33 |
19 | 草野 忠道 | Yamaha | 25 |
20 | 中島 敬則 | Yamaha | 23 |
22 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 17 |
COMMENT
渡辺学選手談(1位/3位/総合2位)
「第1ヒートは小島選手が転倒して2番手に浮上した時点で残り時間が多くあり、時間を使って一人かわしてトップに立つという意識で走った。井上選手が転倒しトップに立ってからは、ミスをしないことだけを考え自分のペースで走ったし、後方がペースを上げたら自分もそれに合わせてペースを上げる余裕を持っていた。上位が転倒しての優勝なので実感は薄いが、やはり久々の優勝なのでうれしい。第2ヒートはコースコンディションが変わったことでセッティングが合っていなかったが、走り自体はよかったので、3番手に上がってからは無理をせずミスがないよう丁寧に走った。その結果として3位に入れた。ここまで着実に走ることで全てのヒートをまとめることができている。今後も6位以上という目標達成を意識して、ポイント重ねていきたい。次は得意の広島ということで楽しみながらも攻めるレースをしたいと思う」
小島太久摩選手談(3位/2位/総合3位)
「前回のレース結果がよくなかっただけに、今回は優勝を狙っていったが、両ヒートともに前半の組み立てが悪く十分な結果を得ることができなかった。第1ヒートは、序盤は後方より速いペースではあったが、実はミスも多く、気をつけようと思ったところで転倒してしまった。その後は追いつくつもりで攻めていったが、ゴーグルを外したことで目に泥が入ってペースを上げきれなかった。終盤はきついレースになったがなんとか3位を確保できてよかった。第2ヒートはホールショットだったが1・2コーナーが悪く順位を落とし、その後もペースが上がらず平田選手に離されてしまった。自分では意識はしていなかったが、第1ヒートの転倒が無意識のうちに走りを慎重にさせたのかもしれない。現在のレースの流れが前半の善し悪しで勝負が決まるパターンが多いので、次戦からは前半の積極性と安定感のバランスを意識して走りたい」
木下隼選手談(12位/8位/総合10位)
「今回は土曜日の公式練習から乗れていたし、実際にタイムもよかったので自信を持って決勝に臨んだ。第1ヒートは1周目が20番手以下だったが、序盤で15番手まで上げることができたし、その後レベルの高い選手とのバトルでもしっかりとついていけた。しかし残り2周で転倒し、順位を落としたのは反省しなければならないと思う。第2ヒートはスタートが決まったが、トップの速いペースについていけず、簡単に2・3人に抜かれてしまった。その後はバトルをしながらの走行となったが、ついていけて2・3周。まだまだ課題は多いと感じた。レース終盤は8番手争いとなったが、疲れている中でも集中し、ポジションを守ることができた。これも大きな収穫だった。今回は今年で最もよいリザルトであり内容も満足できる。今後はこの順位を下回らないようなレースをしたい。特に次回の広島は得意なコースなので今回以上の成績と内容を狙っていこうと思う」
田中雅己選手談(25位/22位)
「今回はコースが荒れていたし、SUGO自体も苦手で、レースではラインも定まらず、自分の走りも全くできず結果も今季最低のものになってしまった。ただ、得意なスタートだけはなんとか決めようと考えていたので、第2ヒートは上位でスタートできてよかった。SUGOは最終戦のコースでもあるので、もう二度とこういう結果にならないようにがんばって練習に励んでいきたい」
鈴木健二Jubilo Racing Team監督談
「今回、小島選手は2・3位と結果はまとめることができた。しかしチャンピオンを狙うライダーとして、第1ヒートのような単純なミスはあってはならない。全体的には前半のリズムが悪く、第1ヒートは転倒につながり、第2ヒートは序盤でトップに逃げられてしまった。ただそれを除けば調子はよいし、スタートも確実に上位を走れているので、今は焦らず現在の状態をキープしていけば必ずよい結果がついてくるだろう」
川崎智之Team YZ監督談
「渡辺選手の優勝は運がよかったとはいえ、経験を生かしながら今やれることを全力でやった結果だと思う。またレースの内容もよく、木下、田中によい影響を与えてくれており、チームの牽引役として最高の働きをしてくれた。木下選手は第1ヒートのスタートで遅れながら序盤で挽回し、その後も順位を上げながらの走行ができた。第2ヒートでは第1ヒートでできなかったスタートを決め、第1ヒートの走りを継続でき、現状では満点のレースをしてくれた。田中選手は結果はよくなかったが、スタートは今まで通りよいスタートが切れている。着実に実力をつけて次のSUGOでは、今回のようなことがないようしっかりと努力してほしい」