全日本モトクロス選手権 IA2
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどIA2に関する情報をお届けします。
Rd.04 5月13日 中国
RACE DATA
■大会名称:2007全日本モトクロス選手権第4戦中国大会
■カテゴリ:IA2クラス
■開催日:2007年5月13日(日)
■開催地:広島県/世羅町グリーンパーク弘楽園
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:晴れ
■観客:11,500人
REPORT
ヒート1で尾崎が初の3位表彰台
ヒート2では小島が2位を獲得
2007年全日本モトクロス選手権シリーズ・第4戦中国大会が5月13日(日)、グリーンパーク弘楽園(広島県)にて開催された。ここまで新井宏彰(カワサキ)が3戦6ヒート中5勝、平田優(ホンダ)が1勝を挙げ、この2人がランキング1・2位を占めているが、Team YZの小島太久摩も、第2戦ヒート2から3ヒート連続で3位を獲得し、上位2人に食らいつく状況が続いている。しかしこの4戦ではこれまでの均衡を破るように小島が奮起。ヒート1では4位となるも、ヒート2では新井と後半までバトルを展開して2位を獲得。新井、平田に割って入る実力を証明した。
ヒート1、ホールショットは新井。1周目の順位はその新井を先頭に小島、須田純(カワサキ)、渡辺学、深谷広一(ホンダ)、平田、釘村忠、尾崎友哉が続く。レースは新井が、過去3戦と同様に、序盤からハイペースで後方との差を広げるかに思えたが、これに小島が食らいついていく。しかし、周回を重ねるごとに少しずつ新井がリードを広げる。その後方では、平田がペースアップ。3周目に渡辺をかわすと、続けて小島の背後に迫り5周目に2番手に浮上する。
一方1周目を8番手とした尾崎は、序盤で5番手まで順位を上げる。さらに4番手の須田をプッシュし8周目にこれをかわすと、前方の小島を追う。小島が前半からペースを落としていたこともあり、尾崎は確実に小島との差を詰め、12周目に小島をパスして3番手に順位を上げる。その後、前方の2人には届かなかったが、安定した走りでポジションを守りフィニッシュ。今シーズン初となる3位表彰台を獲得した。トップ争いは、先行する新井が終止レースをコントロール。平田に追撃を許さずに優勝。2位は平田となった。
また4番手となった小島はその後、5番手の渡辺、6番手の釘村の追撃を許し、最終ラップにはTeam YZのライダー3人で4位争いを展開。しかし、小島が後方の2人を抑えきり、4位小島、5位渡辺、6位釘村の順でチェッカーを受けた。
ヒート2、ホールショットは三原拓也(カワサキ)、これに並びかけるように小島が2番手でスタートを切る。そして1周目の内にトップに立つと、三原、星野裕(スズキ)、新井、尾崎を引き連れてレースを展開する。小島は序盤から積極的な走りを披露、2番手に上がった新井が後方からプレッシャーをかけてくるが、トップは譲らない。しかし6周目に入って新井が小島をかわしてトップに浮上。ここで新井が逃げるかと思いきや、小島はぴたりと背後につき、レース後半まで新井にプレッシャーをかけ続ける。
しかし新井もトップを守り続けると、終盤に小島を引き離し、2ヒート連続となる優勝を飾った。小島もその後2番手をキープし今シーズン最高位となる2位を獲得した。また5番手でスタートした尾崎は、5周目に三原をかわして4番手に上がると、続けて星野を追撃。すぐには差を詰めることはできなかったが、徐々に背後に迫る。しかし星野も乗り慣れた地元のコースということで、尾崎を前に出さないまま最終ラップへ突入。ここで尾崎は様々にラインを変えてアタックを試みるが、最後まで攻略できず、星野3位、尾崎4位という結果でレースを終えた。渡辺はスタートで遅れ、2周目に11番手とするが、3つポジションを上げて8位。また釘村も遅れ、3周目に20番手となるが、そこから追い上げて最後は12位でチェカーを受けた。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 新井 宏彰 | TEAM GREEN | Kawasaki | 32'08.277 |
2 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 32'17.454 |
3 | 尾崎 友哉 | Jubilo RT | Yamaha | 32'35.109 |
4 | 小島 太久摩 | TEAM YZ | Yamaha | 32'42.254 |
5 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 32'42.371 |
6 | 釘村 忠 | TEAM YZ | Yamaha | 32'42.933 |
7 | 星野 裕 | Team SRM | Suzuki | 32'45.618 |
8 | 須田 純 | グリーンクラブジュニアライダーズ | Kawasaki | 32'51.161 |
9 | 深谷 広一 | SEKI Racing MotoRoman&ホンダ学園 | Honda | 33'09.202 |
10 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 33'13.965 |
11 | 池谷 優太 | Team SRM | Suzuki | 33'15.769 |
12 | 久保 涼平 | グリーンクラブチームプロフェッサー | Kawasaki | 33'31.706 |
13 | 伊藤 正憲 | クラブヤマハモトスペース | Yamaha | 33'34.945 |
14 | 三原 拓也 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'37.009 |
15 | 外間 大地 | グリーンクラブ&K-ryz-AMX | Kawasaki | 33'41.758 |
16 | 増田 篤 | Team SSC XP | Suzuki | 33'47.446 |
17 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 33'48.547 |
18 | 中島 敬則 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'54.855 |
19 | 関川 信一 | モトエジャー&ミカホスポーツwithSRF | Suzuki | 33'55.922 |
20 | 中堀 敏宏 | TEAM HAMMERホンダ学園 | Honda | 33'56.967 |
21 | 内山 慎太郎 | クラブヤマハYSP浜北大橋 | Yamaha | 32'13.780(-1L) |
23 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 32'22.718(-1L) |
30 | 谷 和也 | クラブヤマハサンビシwithモトテック | Yamaha | 33'18.043(-1L) |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 新井 宏彰 | TEAM GREEN | Kawasaki | 33'02.873 |
2 | 小島 太久摩 | TEAM YZ | Yamaha | 33'08.952 |
3 | 星野 裕 | Team SRM | Suzuki | 33'09.962 |
4 | 尾崎 友哉 | Jubilo RT | Yamaha | 33'10.121 |
5 | 井上 眞一 | K.R.T. | Kawasaki | 33'38.161 |
6 | 須田 純 | グリーンクラブジュニアライダーズ | Kawasaki | 33'39.986 |
7 | 深谷 広一 | SEKI Racing MotoRoman&ホンダ学園 | Honda | 33'45.065 |
8 | 渡辺 学 | TEAM YZ | Yamaha | 33'47.128 |
9 | 三原 拓也 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'59.519 |
10 | 辻 健二郎 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'01.702 |
11 | 中堀 敏宏 | TEAM HAMMERホンダ学園 | Honda | 34'07.810 |
12 | 釘村 忠 | TEAM YZ | Yamaha | 34'10.807 |
13 | 増田 篤 | Team SSC XP | Suzuki | 34'27.076 |
14 | 内山 慎太郎 | クラブヤマハYSP浜北大橋 | Yamaha | 34'29.745 |
15 | 平田 優 | TEAM HRC | Honda | 34'39.236 |
16 | 伊藤 正憲 | クラブヤマハモトスペース | Yamaha | 34'42.064 |
17 | 岡野 聖 | Team SRF 三重 | Suzuki | 34'43.027 |
18 | 久保 涼平 | グリーンクラブチームプロフェッサー | Kawasaki | 34'43.606 |
19 | 斉木 達也 | クラブヤマハ大磯ムスタング | Yamaha | 34'49.601 |
20 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman | Honda | 34'51.142 |
24 | 中島 敬則 | クラブヤマハレーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'19.023(-1L) |
28 | 谷 和也 | クラブヤマハサンビシwithモトテック | Yamaha | 33'49.216(-1L) |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 新井 宏彰 | Kawasaki | 197 |
2 | 平田 優 | Honda | 159 |
3 | 小島 太久摩 | Yamaha | 142 |
4 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 129 |
5 | 釘村 忠 | Yamaha | 123 |
6 | 須田 純 | Kawasaki | 119 |
11 | 渡辺 学 | Yamaha | 66 |
12 | 草野 忠道 | Yamaha | 54 |
15 | 伊藤 正憲 | Yamaha | 39 |
17 | 深田 卓哉 | Yamaha | 33 |
18 | 内山 慎太郎 | Yamaha | 30 |
22 | 中島 敬則 | Yamaha | 20 |
25 | 斉木 達也 | Yamaha | 10 |
28 | 谷 数也 | Yamaha | 4 |
COMMENT
尾崎友哉選手談(3位/4位:総合3位)
「予選から攻めの走りができ、決勝もこの走りを上手く出すことができた。ヒート1ではスタートは良かったわけではないが、中盤までに4番手まで追い上げ、さらに小島選手との差が8秒だったこともあり、追いつけるという自信を持って走った。その結果として3位を獲得できた。ヒート2ではトップが見える位置でレースができたのだが、今回のコースが平で差が出にくいこともあり、序盤で上手く順位を上げることができなかった。星野選手の後方で何度もアタックしたが、星野選手のラインが良くパスすることができなかった。今回は表彰台に立ち、周りの期待に応えることができた。またマシンの限界までコントロールできるようになってきたし、自分のフォームも良くなっている。次からは確実にステップアップしていけると思うので期待してほしい」
小島太久摩選手談(4位/2位:総合2位)
「過去3戦で新井、平田両選手に大きく離されるレースが続いていたのでヒート1では最初から全開で走った。がむしゃらに攻めることは時に良い結果を生む時もあるが、今回の走りは焦りがそうさせたもの。リズムやラインを見失い、気持ちも体力も消耗し後半は疲れて順位を落としてしまった。しかしヒート2では、その反省を生かし、自分本来の走りで勝負しようと決めて臨んだ。その結果、新井選手にかわされ後も、ラインをトレースしていくのではなく、自分のスタイルを貫きとおした。その結果、後半まで新井選手をプッシュできた。課題としては残り5分を踏ん張って勝負することだが、このままいけば必ず勝負できるようになるという手応えを掴むことが出来た。次は得意な九州と言うことで、優勝を狙ってガンガンいこうと思う」
渡辺学選手談(5位/8位:総合5位)
「前回での肩の怪我が完治していない中でのレースだったが、今まで大きな転倒などがあり、順位を意識するレースが出来ていなかっただけに、しっかりとレースが出来たことは非常に良かった。ヒート1はスタートが決まり、その後に順位を落とすことなく良いレースが出来た。しかし小島選手がペースダウンして最後にバトルとなったが、あの場面で4位に上がれなかったのは悔しさが残る。ヒート2では肩の痛みがあったし中盤で他のライダーのペースにはまって順位を上げることができなかった。次の九州ではさらに順位を上げられるよう、勝負していきたいと思う」
釘村忠選手談(6位/12位:総合10位)
「今のIA2で勝つためには最初の15分が非常に大切だが、今日は両ヒートとも、その時間帯にペースを上げることができなかった。その要因のひとつとして挙げられるのが両ヒートともにスタートを失敗してしまったこと。やはりスタートを成功するようになれば本来の調子を取り戻せるかもしれない。体調に関しては、まずは怪我を直し、不足している走行練習を行い、本来のスピードを取り戻したいと思う」
光安鉄美、ジュビロ・レーシング・チーム監督談
「尾崎選手は、昨日から気合いの入った走りを披露してくれ、それを上手く決勝につなげることが出来ていたことが、今回の結果につながったのだと思う。しかしヒート2は星野選手の後方でフィニッシュ。経験と実力では尾崎選手が上のライダーであり、あそこはなんとしても前にでてゴールしなければならない。今は確実に調子が上がっている時なので、自分の力を信じ、もっと積極的に攻めていけば、さらに良い結果に結びつくだろう」
川崎智之Team YZ監督談
「小島選手に関して、ヒート1はこのチームでやっていて中盤で体力をなくしてしまうような走りをしたことは残念だった。しかしヒート2では、新井選手に終盤まで食らいつき、目標であった2位を獲得できたことは評価できるし、また優勝に向けて大きな前進を果すこととなった。またチームとしては、ヒート1で4・5・6位を獲得したが、ようやく皆が入賞することができた。目標はあくまでも表彰台の独占であることを考えれば最低ラインをクリアしたにすぎないが、今後はこれを毎戦繰り返していけるようチーム一丸となって戦っていきたい」