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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.04 6月14-15日 中国・広島

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2025第4戦 中国大会
■開催日:2025年6月15日(日)
■会場:広島・世羅グリーンパーク弘楽園
■レース時間:IA1(30分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(30分+1周)×2ヒート

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイはアクシデントに巻き込まれ8位、浅井が3位で初表彰台

中国地方は6月上旬に梅雨入りし、その影響を受けたのか土曜日は降雨により予選のコンディションはマディへ。その中でYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#1ジェイ・ウィルソンは、ホールショットを奪うも直後に転倒があり9番手。YAMAHA BLU CRU RACING TEAMの#8大城魁之輔は序盤トップを走るも転倒で2番手、#15渡辺祐介は他車に接触されて15番手となっただけでなく、その接触で足を痛めてしまったが、決勝への出場を決めてグリッドに並んだ。

事前テストでの転倒があったジェイは、その影響でコンディションが整わず今大会は厳しい戦いを強いられていたが、迎えたヒート1は更なる試練が与えられた。1周目、目の前を走るライバルが転倒、これにラインを塞がれる形となり、1周目を終えて18番手と大きく出遅れてしまう。それでもここまで築いてきたランキングでのリードを守るため、ポイント獲得に切り替えて安定した走りを披露。序盤3周で12番手とすると、さらにポジションを上げて6周目に9番手まで挽回。後半に入りさらに一つ上げて8位でチェッカーと、貴重なポイントを獲得した。

こうした一方でIA1ルーキーが躍動。フライングドルフィンサイセイからYZ450Fを駆る#38浅井亮太が3位とし、ルーキーイヤーに最高峰IA1で初の表彰台を獲得した。序盤に3番手を確保した浅井はポジションをキープしていたが、ここからIA1の厳しさを知ることとなる。小方誠(ホンダ)が迫り、14周目はリードを許すことに。しかし浅井も反撃、すぐに抜き返して3番手を守った。その後も小方からのプレッシャーが続いたが、これを耐え、跳ね除けるてチェッカーを受け、3位表彰台を獲得した。

予選で負傷した渡辺は、その心配をよそに好スタート。大倉由揮(ホンダ) 、能塚智寛(カワサキ) に続く3番手で1周目を終える。その後に、浅井にかわされて4番手に後退すると、翌周には転倒により6番手まで後退。しかし、ここで渡辺は気持ちを切ることなく再びプッシュを続け5番手とし、3位争いを繰り広げる浅井と小方のグループに接近した。さらに終盤は追い上げてきたライバルをしっかりと抑え切り、前後で繰り広げられたバトルの中で5位入賞を果たした。

昨日の予選で2位、そして本日午前中の公式練習でトップタイムと好調だった大城は、ジェイと同様、オープニングラップの混乱に巻き込まれ1周目を終えて13番手。序盤3周で9番手まで上げると、その後は上位とは大きな差があったが着実にその差を削りとり最終ラップに一つポジションを上げて6位でフィニッシュとなった。なお、優勝は大倉、2位は能塚が入った。

ヒート2:大城が今季初優勝&YZでも初優勝、ジェイは5位

午前中の曇りの状況から徐々に初夏の日差しにより気温が上がり、コースは急速に乾き、ヒート2はドライコンディションとなった。昨日の予選、本日の公式練習と好調ながらヒート1では不運なアクシデントに見舞われ6位となった大城。ヒート2ではついに完璧なホールショットを決め1周目をトップで通過した。

後方につけたライバルはヒート1で勝利した大倉をはじめ、内田、能塚、浅井、ジェイという強力なラインナップだったが、大城は2周目にファステストラップを出してライバルを引き離しにかかる。その中で2番手の大倉も3周目にファステストを出して応戦したが、5周目に大城は2番手以下との差を拡大すると、その後は独走し念願のファーストチェッカー。今季初というだけでなく、2024年にYZ450Fに乗り換えてから初となる優勝を勝ち取り、総合3位を獲得した。

5番手でスタートしたジェイは、コンディションが優れないことから、リスクをおかすことなく序盤から安定したはしりを披露。前半のうちに内田を捉えて4番手に浮上し、ポジションを守っていた。後半に入り追い上げてきた横山遥希(ホンダ)にかわされ一つ順位を落としたが、ここでも無理をすることなく最後まで冷静に走りをコントロールし5位でフィニッシュ。完璧なリスクマネジメントで総合7位としてランキング2位につける横山(総合6位)との差を最小限にとどめた。

また、渡辺は1周目を終えて10番手。ここからhは怪我のある状況のため、無理をすることなく安定した走りに徹し、一時11番手に落ちるも、後半に一つ順位を上げ10位、総合ではジェイに続く8位を獲得した。

これで全日本モトクロスは前半戦を終了。ここから長いインターバルを経て次回は9月20-21日、奈良県は名阪スポーツランドでの第5戦が行われる。

IA2
ヒート1:中島が今季5勝目、田中は2位表彰台

マディコンディションの中で行われた土曜日の予選は、ランキングトップにつけるYAMAHA BLU CRU RACING TEAMの#1中島漱也はA組トップで総合2番手、#4田中淳也はB組6位で総合11位を獲得。開幕以来の参戦でポールポジションを獲得した#53ブライアン・スー(ガスガス)と、ランキング上位にいる中島・田中の対決に注目が集まった。

戦いは好スタートを切ったブライアンに、中島、横澤拓夢(ホンダ)、田中という国内トップライダーが続いた。その中で中島はブライアンにくらいつくが、その差は2秒から4・5・6秒と少しずつ離されてしまう。レースが落ち着いてから中島は約6-7秒差で2番手を走行していたが、この少ないギャップが逆転を呼び寄せた。

9周目にブライアンが転倒、これで中島はトップに浮上すると、この時点で2番手を走る横澤に16秒差の独走状態へ。その後も安定した走りで後方との差を拡大、ライバルたちを寄せ付けることなくYZ250Fとともに、早くも今季5勝目を獲得した。

田中は横澤の背後4番手でレースを進めたが、序盤は約3-4秒差と微妙な距離を残しながらも、それ以上離されることなくくらいついていった。そしてブライアンの転倒で3番手、後半に入ると田中は横澤との距離を縮め、14周目に逆転に成功するとそのまま突き放して2位表彰台を獲得。今季5回目となる中島とのダブルポディウムを達成した。

IAIヒート2:中島が3大会連続の総合優勝を獲得

中島がホールショットを奪い、2番手には田中がつけレース序盤をYZ250Fを駆るヤマハ勢が優勢に進める展開となった。一方、二人のライバルとなるブライアンは約8秒差の9番手で1周目を終えた。

好スタートを切った中島は、2周目にファステストラップを記録するなど、序盤からハイペースを披露。背後につける田中を徐々に引き離し独走態勢を築いていった。しかし、1周目を9番手としたブライアンがポジションを上げ、8周目、2番手の田中がかわされると、中島の背後に接近。これに中島も応戦したが9周目に先行を許してしまう。そこから中島は何とか食らいつこうとプッシュするもその差は拡大。この結果、2位でチェッカーを受けることとなったが、第2戦から3大会連続となる総合優勝を獲得、ランキングリーダーとして前半戦を締め括った。

一方の田中は、序盤はトップを走る中島をターゲットにプッシュをするも、その差が徐々に広がる展開に。7周目には、一時2.6秒ほど付けられていた差を1.8秒まで挽回するも及ばず、8周目にブライアンにかわされ3番手に後退した。その後は4番手とのギャップもあったことから安定したペースで周回を重ね3位でフィニッシュ。第2戦SUGO大会から7ヒート連続となる表彰台に立ち、総合2位を獲得した。

次回の第5戦近畿大会は9月20-21日、奈良県の名阪スポーツランドにて開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:8位/5位:総合7位)

「自分にとっても、ファンの皆さんにとっても、いつものような結果にはなりませんでした。事前テストなどでの転倒によるダメージもありますが、とてもハードな大会になりましたね。心身のコンディションの状況を考えると最善を尽くしたし、自分をしっかりコントロールして走ることができましたし、年間のランキングのことを考えるとしっかり戦えたと思います。次の名阪まで時間があるのはとてもラッキーです。まずはしっかり1ヵ月程度かけて身体のリカバリーをします。それからどのようなトレーニングをするのかは決めていませんが、いい状態で名阪に参加できるように準備をします」

原延男監督談

「ジェイ選手は2年前の事前テストも転倒していましたが、今回の事前も転倒あり臀部を痛めたようなので、影響はあったと思いまいます。また昨日の予選で転倒があり、良いグリッドを取れなかったところから、決勝のスタートも思うようにいかず、ウィーク全体の流れを崩してしまったところもあります。ヒート1でライバルの転倒に巻き込まれてしまったのも、そうした一つだと思います。ただ、全ての状況からリスクをおかさずに走り切って、ランキングでは横山選手に大きく詰められることもなったので、それは良かったところです。
若手の成長については、事前テストやそれ以外でもジェイ選手がサポートしています。その成果の一つとして中島・田中選手が成長し、今回は大城選手、浅井選手にも結果がついてきました。また渡辺選手が現場で若い選手たちにアドバイスしてくれていますが、ヤマハチーム全体でさらにレベルアップを図っていきたいと思います」

YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
大城 魁之輔選手(IA1:6位/優勝:総合3位)

「今年は勝負するためのライディング、スタート、マシンとやることはやってきました。準備はできていたのに、結果が得られていなかったのですが、焦らずにやっていたら必ず結果はついてくると信じてました。それが今回やっとできた感じです。ただ、今回もヒート1はうまくいかず、切り替えることことも一つの課題でした。前回も悪いヒートの後に考えすぎた部分がありました。今回はヒート1のことは考えずに、勝てると信じて、自分の走り、スタート、レース展開に集中しました。その結果としてスタートが決まり、自分の走りもできたのですが、ラスト1周だけは転倒しないようにと意識しちゃいましたね。
ここに来るまで長かったし、苦しんだ時期もあったので、やっと重荷を下ろすことができた感じです。これからも変わらず、一つ一つのレース勝ちに行くだけ。インターバルではそのために走り、フィジカルなど、レースで使うものすべてを磨いていきます」

YAMAHA BLU CRU RACING TEAM
渡辺祐介選手(IA1:5位/10位:総合8位)

「開幕からスケジュールがすごくタイトで、自分の課題に集中して向き合う期間が短い中でコンディションを整えてきました。前回のレースから中国大会までは、3週間あったので、自分の課題であったスタートを重点的に見直してきました。その甲斐もあり、ヒート1では2・3番手でスタートし、レース序盤を優位に進めることができました。しかしその後は、予選で足を負傷してしまった影響により踏ん張りがきかず転倒して順位を落としてしまいました。ですが、表彰台圏内を常に狙える位置でレースを展開できたことは、かなり自信になりましたし、まだまだ戦えると思えたレースになりました。ヒート2は、ヒート1ですべてを懸けるという想いで臨み力を使い切ったところもあったので順位を落とす結果となりました。後半戦に向けては、課題も明確になので、この長いインターバルで改善して後半戦はトップ争いではなく、優勝争いをしたいと思います。

BLUCRUフライングドルフィンサイセイ
浅井亮太(IA1:3位/8位:総合4位)

「IA1に上がり開幕戦を走って手強いライダーたちの存在を感じたことで、覚悟を持ってレベルを上げていく必要があると感じていました。そしてここまで一つ一つ積み上げ、前戦では入賞。そして今回は3位表彰台を獲得。IA1一年目だからこそ表彰台の実績を作ることが大切だと思っていたので、実現できて最高です。
レースはスタートで出て、速いライダーたちにアクシデントがあったことで上位に収まりました。当初は前しか見ていませんでしたが、周りは速いライダーばかりなので、3位を守るという走りではなく、常に全開で走りました。最後は、抜かれてもいいという心境で走ることで、いいメンタルを作ることができ、小方選手のプレッシャーに耐え切って、結果につなげることができました。今回も上位との明確な差を確認できたので、次の名阪に向けてはそこを少しでも埋めて、もう一度表彰台を目指します」

YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA
中島漱也選手(IA2:優勝/2位:総合優勝)

「ヒート1の前半はブライアン選手に離されないよう100%、120%で攻めていました。そこでブライアン選手が転倒したことでトップに立ち優勝できましたが、自分のやれることをすべてやった結果だと思います。ヒート2もブライアン選手に勝つには、スタートで前にいないと話にならないと思ったので集中し、ホールショットにつなげることができました。ただ走り自体は、後方からブライアン選手が来ることを感じ、硬くなっていた部分がありましたし、結果的にブライアン選手に詰められ、どうすることもできずに離され、レベルの差を痛感することとなりました。それでも後ろにつくことでライン取りがまったく違っていたし、日本のコースに合わせた小さな走りになっているという気づきもあり、とてもいい勉強になりました。負けてしまったのですが、目標として自分がやるべきことが明確になったので、プラスになったレースでした。このインターバルではもっと上を目指してししっかりとトレーニンをしていきます」

YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
田中淳也選手(IA2:2位/3位:総合2位))

「予選では慣れない広島のマディに手こずり順位を落としてしまいましたが、決勝では1、2ヒートとも3番手でレスタートしトップ争いに食い込むことができたので、最低限のレース運びをすることはできたと思います。ヒート1では、レース中盤に横澤選手とバトルしましたが後手に回ってしまい、いざ入れ替わった時にはトップを走っていた中島選手に大きく差を付けられており、そのまま2位でのゴール。悔しいレースとなりました。ヒート2では、前半から中島選手の後ろを走り、トップも狙えると思うようなレースでした。ですが、終盤に踏ん張りきれず、徐々に差を付けられているタイミングで、ブライアン選手にも抜かされてしまいこちらも悔しい結果に。ですが、シーズン前半戦は常にトップ争いに加わるレース運びができていますし、国内、海外ライダーと戦う中で多くのことを学びました。後半戦に向けてこのインターバルを有意義に使い、さらにパワーアップした姿を地元の近畿大会で見せられたらと思います」

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