全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月13日 HSR九州・熊本
RACE DATA
■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2025 第1戦 HSR九州大会
■開催日:2025年4月13日(日)
■会場:熊本県・HSR九州モトクロスコース
■レース時間:IA1(30分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(30分+1周)×2ヒート
REPORT
IA1
ヒート1:ジェイ&YZ450FMが2025年最初のレースで優勝!
2025年シーズンの開幕戦が4月13日の1Dayで、熊本県のHSR九州で開催れました。前日の夕方から降りはじめた雨はレース当日の早朝まで降り続き、コースはマディコンディションへ。ライダーたちは開幕戦のオープニングレースから厳しい戦いを強いられることとなった。
また、2025年シーズンからポイントスケールが変更。1位は従来の25ポイントから35ポイントに増加。以下、2位は32ポイント、3位は30ポイント、4位は28ポイント、5位は26ポイント、6位は25ポイント、7位以降は24ポイントから1ポイントずつ減っていき、最後は30位が1ポイントを獲得できるようになった。
YAMAHA FACTORY RACING TEAMにとっては四連覇を目指す今シーズン。ライダーは#1ジェイ・ウィルソンがファクトリーマシン、YZ450FMで参戦。さらに新たに発足したYAMAHA BLU CRU RACING TEAMから#8大城魁之輔と#15渡辺祐介がYZ450Fが参戦する。
レースは横山遥希(ホンダ)のホールショットでスタート。3連覇に向けて好スタートを切りたいジェイも安定のスタートを見せる。横山がそのままトップ、これに内田篤基(カワサキ)、3番手にジェイ、その後方5番手に大城、渡辺は16番手で1周目を終えた。
ジェイは2周目に入りそのスプリント力を生かして上位のライバルをかわしトップに浮上。さらにライバルとの差を広げ単独トップとなる。しかし今シーズンから参戦するジュゼッペ・トロペペ(ガスガス)がハイペースで上位陣を追撃。ジェイとの差も徐々に縮まり7周目に2番手に上ると9周目にはその背後に迫りジェイは2番手に後退してしまう。ところがトロぺぺのマシンが白煙をはき10周目にストップ。これで再びトップに立ったジェイは、後方との差をコントロール。独走で今季1勝目、ヤマハ発動機にとってIA1での4連覇に向けて最高のスタートを切った。
大城は1周目を5番手として、トップライダーとともにレースを展開し上位進出を狙った。序盤に大倉由揮(ホンダ)をかわして4番手へ上るが、トロペペにかわされて再び5番手に後退。その後は単独走行となったがトロペペのリタイアでポジションが自動的に上がり4位でチェッカーを受けた。
渡辺は1周目を16番手、2周目には15番手に上るがその後は転倒もあり多少順位を入れ替えがあったが、終盤に挽回して13位でチェッカーを受けた。なお表彰台はジェイに続き2位が内田、3位が横山となった。
ヒート2:ジェイが2連勝で完璧なスタートダッシュ!
コンディションが回復したヒート2。ジェイが今度は完璧なホールショットを決めてレースをリード。これに続いたのが横山、大城、内田というトップライダーたちだった。しかしジェイは1周目から2番手の横山に3.8秒の差を作ると、前半のうちにさらに後方との差を開いて独走体制を築く。
後半は、バックマーカーをかわすのにタイムをロスする場面があり2番手の横山との差が縮まることがあったが、そこでもう一度ペースを上げて寄せ付けることなくファーストフィニッシュ。開幕2連勝を達成し、当社にとってIA1での4連覇に大きな一歩を刻んだ。
大城は好スタートを決めて1周目から3番手をキープし順調にポジションをキープしていたが、後半に入るとタイムを落として12周目に内田にかわされ4番手に後退。さらに終盤に入ってもペースを修正することができず大倉にかわされ5番手に順位を落とし、そのまま5位でチェッカーとなった。
渡辺は11番手で1周目を終えると、中盤までに9番手までポジションをアップ。しかし、後半に入って順位を落とし、最後は11位でゴールとなった。なお、表彰台はジェイが2ヒート連続となる優勝。2位は横山、3位は内田が獲得した。
IA2
ヒート1:中島が開幕戦のヒート1 で2位表彰台
2025年シーズン、ヤマハ発動機は若手が中心となるYAMAHA BLU CRU RACING TEAMを新たに発足。ライダーには2024年のIA2チャンピオンである#1 中島漱也と、ランキング4位の#4 田中淳也がYZ250Fを駆って参戦。ヤマハ発動機の創立70周年、レース活動70周年を迎える今年はクラス2連覇を目指すこととなる。
IA2のヒート1は午後に開催となり、路面は午前中のマディから大きく回復。ラインは限られていたものの、ほぼベストに近いコンディションの中でレースは行われ、ディフェンディングチャンピオンである中島のホールショットで戦いの火蓋が切って落とされた。
レースは、中島と唯一そのペースについてきたブライアン・シュー(ガスガス)が、序盤からマッチレースを展開。当初は数秒差で付かず離れずの状況が続いたが、10周目、中島はバックマーカーをかわす際に時間をロスしてブライアンにかわされ2番手に後退してしまった。その後も中島は諦めることなくブライアンを追ったがその背中を捉えることができず2位でチェッカー。悔しい結果となったが、オープニングレースで表彰台を獲得した。
田中はスタートで出遅れ1周目を6番手となったが、すぐに挽回へ転じ4周目には4番手に浮上した。その後は3番手の鴨田翔(カワサキ)をターゲットにプッシュしたが、その背後まで迫ることができず、最後は4位でチェッカーとなった。その後、レッドクロスの提示中のジャンプがペナルティとなり2つ順位を落として6位となった。なお、優勝はシュー、2位に中島、3位に鴨田となった。
ヒート2:中島がヒート1に続き2位表彰台を獲得
ヒート1に続き、中島とシューが激しい優勝争いを展開。ホールショットを奪ったのはYZ250Fを駆る道脇右京。これに続いたのが中島で、2周目に入り道脇をかわしてトップに浮上すると、後方につけていた昨年、中島とチャンピオンを争った横澤拓夢(ホンダ)が2番手につける。しかし中島はハイペースでこれを振り切り単独トップに立ち、今季初優勝に向けて独走退体制を築いていった。そしてこれに待ったをかけたのがヒート1に続きシューだった。
中島とブライアンとの差は13秒程度。ところが中島にエンストもありアドバンテージは徐々に削られ、終盤にはブライアンがすぐ背後に迫る。中島はこの状況をなんとか凌ぎトップを守ったが、ラストラップに先行を許し、ヒート1に続き2位でチェッカー。それでも海外のライバルに一人渡り合って、その実力を示す総合2位で開幕戦を終えた。
一方、田中は7番手で終えると、序盤にシューにかわされるも着実にポジションをアップ。7周目には4番手まで浮上した。ここからトップ3の中島、横澤、ブライアンを追っていくこととなる。そして3番手に落ちた横澤を追撃してその背後に近づいたがタイムオーバー。表彰台には一歩及ばなかったが、4位でチェッカーを受けた。最終成績は優勝がブライアン、2位に中島、3位が横澤となった。
次回の第2戦SUGO大会は4月26-27日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われる。
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA1 RIDERS RANKING
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
IA2 RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:優勝/優勝:総合優勝)
「今回はとても難しいコンディションでしたが、2つ勝つことができてよかったと思います。シーズン前はナーバスになっていましたが、しっかとトレーニングをしてきたことが結果につながったと思います。今年はライバルたちもさらに力をつけてきていると思います。これは僕にとっても、日本のライダー、ファンの皆さんにとっても良いことで、とてもポジティブに受けっています。特に今シーズンはトロペペ選手が加わりました。ラップタイムは自分を変わらないレベルで、ヒート1ではかわされたしまったのですが、オイルを吹いてトラブルが発生していることがわかったので、焦って追いかけないようにしました。ヒート2はバックマーカーに引っかかって追い上げられる場面がありました。皆、ブルーフラッグを守っていたと思いますが、ポイント獲得のために走っていること。雨でラインが少なかったこともあり仕方がないことと受け止めています。次のSUGOも自分自身のライディングを続けて、マシン開発も今日の結果が示しているようにうまくいっているので、次のレースでも進化を続けていきたいと思います」
原延男監督談
「昨年は苦労したこともたくさんありますが、今年、ジェイ選手はIA1での三連覇、ヤマハとしては四連覇を狙うシーズンです。チームとしては、マシンを含めより確実に勝てるようにやってきたので、自信を持ってこの開幕に臨みました。ジェイ選手からもありましたが、強力なライバルがいて、昨年はこのコースでスタックなどの経験があったことから自分をうまくコントロールする必要があり、それができたことがこの結果につながったものと思います。ジェイ選手自身も成長しているのです。次のSUGOは昨年の最終戦で苦戦したところもあり、来週、合同テストがありますが、一つ一つのレースで結果を残せるよう準備していきます」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
大城魁之輔選手(IA1:4位/5位:総合5位)
「感情としては悔しいというのが9割を占めています。まずヒート2にフォーカスすると、3位を走っていたところで体力的にも余裕があり、残り10分でプッシュしたのですが、それが裏目に出ました。リズムを崩し、バックマーカーのさばきもいまいちになってしまったのです。具体的には悪いラインのままプッシュしてしまったことが原因で、もっと冷静になって早い判断でラインを変えていく必要があったのだと思います。ポジティブな面では、練習してきたスタートが両ヒートともに機能したこと。両ヒートともに前で走れ、マシンも良く、走りのフィーリングもリラックスできていました。決して無理しているわけでもなく、オーバーペースも感じることなく、戦える感触を得たことです。特に悪かったところについては、SUGOまで短い期間ですが修正して、トップまではまだ少し距離はありますが、それを縮めていきたいと思います」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM
渡辺祐介選手(IA1:13位/11位:総合12位)
「ここ2年開幕戦で大きな怪我があり、この開幕戦は絶対に怪我はないようにと臨みました。それは達成することはできましたが、開幕戦と怪我への警戒から、両ヒートともに緊張して体が硬くなり、腕上がりもあってまったく自分の走りができませんでした。ヒート1はスタートで遅れ16番手で1周目を終え、シングルギリギリまで追い上げたのですが、転倒が2回あり最終的に13位。ヒート2は1周目にコースアウトがあり11番手からの追い上げになりました。前半はしっかり走れていましたが、腕上がりの影響でペースを維持できませんでした。悔しい結果ではありますが、怪我なく地元のSUGOに臨めるとポジティブに捉え、次回はライバルたちとしっかりレースができるよう準備します」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA
中島漱也選手(IA2:2位/2位:総合2位)
「今シーズンはディフェンディングチャンピオンとして挑むということで、メンタル面では今までと違う感覚がありました。その中でスタートを決めることができ、いい走りができたのはよかったのですが、ブライアン選手に勝つためにやってきたので、こうした結果になったのは悔しさが残るところです。ヒート1はブライアン選手に後ろに付かれましたが、乗れている感じだったので意識はしていませんでした。結果的にはバックマーカーの捌きでミスがあり集中力が途切れたところで抜かれました。ヒート2は序盤でトップに立ち、リラックスできていたしペースも良かったのですが、エンストがあり詰められ、最後の最後にかわされました。やはり実力的に足りなかったのだと思います。今回は勝てなかったことの悔しさが大きいですが、一対一でバトルして、自分との差が明確になったのでいい経験になりました。次はSUGOですが、やることは勝つだけです」
YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
田中淳也選手(IA2:6位/4位:総合4位)
「まず、自分の位置はわかりましたが、スタートは両ヒートともに出遅れて1コーナーは8番手あたり。そこでトップグループから離されました。できれば中島選手とブライアン選手と一緒にレースがしたかったので、もったいないレースをしてしまったというのが正直なところです。ヒート1は前半のペースが悪く、中盤はミスが多く、後半から感覚が良くなり攻めれるようになり4位。ただ、レッドクロスでのジャンプによりペナルティがあり6位に降格となりました。ヒート2は前半からフィーリングが良く中盤もミスなく、後半は横澤選手を目指してプッシュして近づいたのですがパスすることはできず4位でした。次のSUGOは、今回は中島選手とタイム差もあったので少しでも詰めていくことと、今回はスタートが課題となったのでトップグループでレースができるように改善し、優勝を目指していきます」
TOMOレーシング&美蔵withCONNECT
穗苅愛⾹選手(レディース:3位)
「全日本は7年目になりますが、めっちゃ嬉しい気持ちです。家族も喜んでくれ、昔一緒に走っていた姉も電話で号泣しながら祝福してくれました。その一方で、今シーズンは上位数名が抜けて、表彰台は絶対に登らないといけないと思っていたのでホッとした気持ちもあります。練習、予選とタイムもよく、乗れていたので、このままいけば"表彰台に届く"と思いながら決勝に臨みました。レースでは4番手につけて、いけるという感触があり狙っていたラインでかわすことができてよかったです。次のSUGOは苦手なイメージがありますが、スタートを決めて、表彰台のもっと高い位置に対対です」