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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.08 10月19-20日 SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第8戦 第62回 MFJ-GP モトクロス大会
■開催日:2024年10月20日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■天候:晴れ
■レース時間:IA1(25 分+1 周×2ヒート)
■レース時間:IA2(25 分+1 周×2ヒート)

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが4位、渡辺が9位でフィニッシュ

3月末に開幕、約7ヵ月間にわたって行われたシーズンの最終戦、第62回MFJ-GPモトクロス大会が行われた。すでにIA1のチャンピオンを決定したYAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#1ジェイ・ウィルソンと、#12渡辺祐介がファクトリーマシン「YZ450FM」で出場した。

今大会にはモトクロス世界選手権MX2に参戦するF・ザンキ(ホンダ)がスポット参戦。土曜日の予選ではそのザンギとバトルを展開したジェイが2番手。第6戦に怪我から復帰し、地元SUGOでの最終戦に向けて調整を続けてきた渡辺は9番手で決勝を迎えた。

その決勝ヒート1、ジェイはスタートで出遅れ1周目を終えて、横山遥希(ホンダ)、大倉由揮(ホンダ)、内田篤基(カワサキ)に続く4番手。渡辺は8番手で1周目を終えた。

トップ争いは前半に大きな動きを見せ、ジェイがその中心となってレースを動かした。まず2周目に内田を捉えて3番手、3周目には大倉を捉えて2番手につけると5周目にトップに浮上。しかし、追い上げてきたザンキがジェイの背後に迫り6周目に逆転を許してしまう。

その後、ジェイは腕上がりの症状がありペースダウン。横山、ビクトル・アロンソ(ガスガス)にかわされ4番手に後退すると、そのまま4位でチェッカーとなった。優勝はザンキ、2位は横山、3位はアロンソだった。

渡辺は序盤にザンキにかわされて9番手に後退。その後は能塚智寛(カワサキ)が後退したことから8番手に浮上し、そこから7番手の#15星野優位(レーシングチーム鷹 / STAR racing 166)と内田を追走し、6番手争いに加わって集団でバトルを展開した。合わせて後方から大塚にプッシュされる状況となったが、ポジションはそのまま変わらず9位でフィニッシュとなった。

ヒート2:ジェイが3位表彰台、渡辺は最終レースで今季最高の6位

今シーズン最後のレースが、雲が晴れ、秋晴れの中で行われた。このレースでホールショットを奪ったのはジェイ。横山、アロンソ、ザンキが続き。渡辺も7番手でレースをスタートした。

ジェイはトップにつけたが、その直後から横山に背後に張り付かれ、序盤からバトルを展開したがその横山が転倒して後退する。しかし今度はアロンソとザンキが背後に迫り、息つくしまもなくバトルを継続することとなった。その中で数周にわたりトップをキープしたジェイだったが、8周目、アロンソとザンキにかわされて3番手まで後退してしまう。

その後はアロンソの背後につけて2位を目指したが届かず3位でシーズンを締め括った。その結果、総合3位を獲得しシーズンを終了。優勝は11回、2位3回、3位2回、合計16回の表彰台を獲得しシーズンを終えた。

一方の渡辺は3周目に横山の転倒で6番手に浮上すると、そのまま前をいく内田に接近して7周目にこれをかわして5番手に浮上した。ここから前をいく大塚とはギャップがあったが諦めることなくプッシュを続けた渡辺。しかし追い上げてきた能塚にかわされて再び6番手に後退するとその後は単独走行となり6位でチェッカー。地元で今シーズン最高位を獲得しシーズンを終えた。

IA2
ヒート1:中島漱也が優勝しチャンピオンを決定、田中が3位表彰台

ホームコースのオフロードヴィレッジで開催された第7戦の3ヒートで優勝し、そこまでランキングトップを走っていた横澤拓夢(ホンダ)を逆転した#3中島漱也(bLU cRU レーシングチーム鷹)が、13ポイント差をつけて最終戦に臨んだ。

レース方式で行われた予選は、中島と#7浅井亮太(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)がバトルを展開し中島が2番手、浅井は3番手。また中島のライバルとなる横澤が勝利したBグループでは、#10田中淳也(YSP浜松BOSS RACING)が2番手とYZユーザーが好位置につけ、大きな存在感を見せた。

迎えた決勝ヒート1、ホールショットを奪ったのはチャンピオンを目指す中島選手。一方この1コーナーでライバルの横澤が転倒し、最後尾からの追い上げとなった。2番手には西條悠人(カワサキ)、3番手には田中、さらに浅井が4番手につけた。

トップ争いは中島と西條に絞られ、二人の差は1-2秒差の僅差。中島はプレッシャーを受け続けたが、崩れることなくポジションをキープ。一方、ライバルの横澤は一時7番手まで挽回してきたが、後半に順位を落として後退。この時点で中島のチャンピオンはほぼ確定したが、中島は最後まで西條のプッシュを凌いでトップを守り抜きフィニッシュ。2020年に国際A級に昇格して以来5シーズン、今季9勝目とともに、自身初となるIA2でのチャンピオンを決定した。

また3位には1周目からポジションを守った田中が入り、表彰台を獲得。4位には#12渡辺陵、順位こそ落としてしまったが5位には浅井が入り、YZ250Fがトップ5に4台を並べることとなった。

ヒート2:中島が最終ラップで転倒し2位、田中は3位表彰台

IA2の最終レース、ホールショットを奪ったのは阿久根芳仁(カワサキ)、これに田中、チャンピオンを決めた中島、西條、浅井が続いた。序盤の激しい攻防を制したのは田中で、阿久根を捉えて2周目にトップに立つ。

そしてこれに反応したのが中島だった。阿久根を捉えて2番手に上がると、じわじわとその差を縮め田中の背後に接近。田中も粘ったが、中島のアタックをかろうじて凌ぎつつ抜き差しを繰り返しながらの攻防を繰り広げた。そして6周目に中島が田中を振り切り田中とのギャップを築いていった。

トップ争いの背後では西條がじわじわと接近。2番手の田中はこの西條にかわされて3番手に後退し、そのまま3位でフィニッシュとなった。

そして終盤、中島と西條の差は4秒強あり、そのマージンを保ってラストラップに入ったが、その最終周に中島が転倒しこれで2番手に後退すると2位でチェッカーとなった。この結果、優勝は西條で総合成績でも西條がトップ。中島は総合2位、総合3位には田中が入った。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM

ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:4位/3位:総合3位)

「今年は北海道大会のヒート2で大きなクラッシュがありました。そこからチャンピオンを意識して正直守りに入り、手堅い走りをするようになりました。その中でも第7戦ではアグレッシブな走りもできました。そして今大会はチャンピオンも決まり、最終戦ということでそれまでと比べリラックスした状態でした。そこに強力なライバルが現れ、彼らと戦うために切り替える必要があり、それが少し難しかったです。
その結果として、ヒート1はちょっと残念なレースになりましたが、ヒート2は持ち直して3位。状況を改善できたことはよかったですが、課題もたくさんあったので、しっかりと問題点を把握して次につないでいきたと思います。
今年は中島選手を中心に若手ライダーがそれぞれ成長を見せてくれました。ヤマハと私、そして私の家族も若手の支援に力を入れていましたが、その成果が見えたし、彼らの努力を誇りに思います。人としての成長があり、その先にライダーとしての成長が見えたのです」

渡辺祐介選手談(IA1:DNF/9位/6位:総合7位)

「復帰3戦目、地元SUGOに照準を合わせて準備をしてきました。ヒート1はスタートで出遅れましたが、久々のレーススピードの中でバトルとなり力も入りました。ペースもよく前にいた二人を捉えることもできそうだったのですが、もたついているうちに腕上がりもあって後半ペースが落ちてしまいました。ヒート2は、前にいた内田選手と抜き差しがあり、攻略できましたが、大塚選手には届きませんでした。それでも設定していた入賞(6位)という最低限の順位を達成。悔しさはありますが、スピードが上がりライバルに近づいてきたことで、レースに戻って来れたなということを実感できてホッとした自分がいます。
今年は開幕での怪我があり、タフなスポーツで復帰は簡単ではありませんでしたが、チームの完璧なサポートのおかげで走れるようにはなりました。また日本代表でモトクロス・オブ・ネイションズにも参加、夢の舞台に立ってこれからのキャリアにおいてとても良い経験と刺激をもらいました。来年は全日本をフルに走り切ってもう一度リベンジしたいと思います。最後に、怪我から戻ってくるために、支えてくれたすべての皆さんに感謝するとともに、来年は完全復活でチャンピオン争いができるように準備したいと思います。1年間応援ありがとうございました」

原延男監督談

「渡辺選手は地元のSUGOでの活躍を目指して準備してきました。実際、モトクロス・オブ・ネイションズへの出場も含めて、着実にコンディションをあげてくれました。今日のヒート2を終えて"悔しかった"と話していましたが、海外勢が上位に3名いる中で6位と、日本人では上位にありネイションズに選ばれる力を持ったライダーであると、改めて証明してくれました。
ジェイ選手はライバルが非常に速く、それに対して勝ちたいという思いが強くヒート1はセッティングも攻めた方向で、ライダー自身にも力みがあって腕上がりになってしまったようです。ヒート2はもっと楽に走れるセッティングに調整して3位としっかり走ってくれました。今年はライバルの状況から簡単なシーズンではありませんでしたが、チームとしてジェイ選手を支えながらチャンピオンを獲得できました。さらに全日本で活躍できる若手育成を視野にサポートも強化。中島選手が好例ですが、海外での活動も含めて成長が見えてきて、自信につながりましたし、今後もこの育成に力を入れていきたいと思います。
また今年も、若手を含めてたくさんのファン、スポンサーの皆さんが強力なサポート応援をいただきました。これが彼らが活躍する原動力になったと思います。本当に1年間、ありがとうございました」

bLU cRU レーシングチーム鷹
中島漱也選手談(IA2:優勝/2位:総合2位)

「小さい頃からチャンピオンを獲ってきたライダーたちは皆さんは憧れの存在で、その皆さんに肩を並べるチャレンジということでとても大きな緊張感がありました。この緊張感のため一週間前からく寝つきが悪かったし、少し時間ができるとレースのことを考えてしまい不安でいっぱいでした。
SUGOはあまり得意なコースではないのですが、ウィーク最初からタイムも出ていて、それが安心材料になっていました。ヒート1は西條選手ら後方のライダーのことは目に入っていましたが、そこには意識を向けず、サインボードの自分のタイムに集中したのです。
優勝したあとはチャンピオンであることは気がついていませんでした。その後にチャンピオンが決まったと教えてもらい、その瞬間はホッとした気持ちと驚きばかりで、実感はありませんでした。
ヒート2は目標を達成した後のレースだったので、チャンピオンらしく勝って終わろうというのがモチベーションでした。最終ラップまでトップに立っていましたが気を抜いていたわけではなく、コースがハードになって、ラインの選択ミスが重なり単独で転倒しました。詰めの甘さです。完全勝利はなりませんでしたが、緊張感のあるレースで1・2位という結果は自信につながりました。
日々サポートしてくれた家族、練習やレースでサポートしてくれるチームやスポンサー、ファン、そしてヤマハに、チャンピオンで恩返しできたのでよかったです。ありがとうございました」

TEAM KOH-Z LUTZ with 中西建設(株)
本田七海選手談(レディース:2位)

「土曜日からずっと緊張していて、正直、調子は悪く予選は転倒もあり焦っていました。でもどうしても勝ちたかったので、周りにアドバイスをもらいながら気持ちを切り替えて今日を迎えました。朝の公式練習は2番タイムでしたが、体も動いていたので自信を持ってスタートには並べました。スタートはいろんなリスクを考えて一番イン側を選びました。スタートが決まったらいけるという感触があったので、1コーナーは譲れませんでしたね。ライバルとの差はすれ違う瞬間などで少しずつ離れていたこともわかっていたし、走りも良くなっていきました。ただ、少し縮まったタイミング、後ろを意識してしまい細かいミスが出て、ジャンプをショートしてバランスを崩し転びそうになり、追いつかれ、そこから焦って抜かれてしまいました。最後までプッシュしましたし、レース展開もペースも良かったので、あの後半がもったいなかったし、悔しいです。ただ、コースサイドからたくさんの応援をいただきました。声が聞こえて本当に力になりました。ありがとうございます」

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