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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.05 6月22-23日 北海道

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2024第5戦 北海道大会
■開催日:2024年6月23日(日)
■会場:北海道・新千歳モーターランド ダート・モトクロスコース
■レース時間:IA1(30分+1周×2)
■レース時間:IA2(30分+1周×2)

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが今季9勝目! 大城が2位で初表彰台をゲット

前半戦を締め括る第5戦北海道大会は1Dayで、かつ30分+1周のレースフォーマットで行われた。ここまで8勝をあげ、ランキングトップに立つYAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#1ジェイ・ウィルソンは、昨年は両ヒートで勝利を収めているこのコースでランキングのリード拡大を目指し今大会に臨んだ。なお#12渡辺祐介は、今大会も怪我のため欠場となった。

予選はタイムアタックで行われ、ジェイはわずかの差で3番手。しかしヒート1ではホールショットを奪い1周目からトップにたった。これに内田篤基(カワサキ)が続き、YZ450Fを駆る#5大城魁之輔(YSP浜松 with BABANASHOX)が3番手、さらに能塚智寛(カワサキ)が続いた。

序盤は、内田がジェイに食らいついてきたが、それは序盤のみ。ジェイのペースが内田を上回り、徐々にギャップを広げて単独走行になると、ここからペースをコントロール。後方との差を確認しながら周回を重ね、最後まで安定した走りで付け入るすきを与えず今季9勝目をあげた。

また3番手の大城は、前半に能塚にかわされ4番手に後退すると、さらにその差を広げられてしまう。しかし、ここからもう一度プッシュ。まずは順位を落とした内田を捉えて3番手に上がると、さらに能塚に狙いを定めそのテールに迫る。そして12周目、能塚に転倒があり逆転に成功すると、ジェイに続いてチェッカーを受け、今季初の表彰台とともにジェイとのダブルポディウムを達成した。なお3位は大塚豪太(ホンダ)が獲得した。

ヒート2:ジェイが4位で総合優勝、大城は5位で総合3位

前半戦最後となるヒート2は、ジェイにとっては難しいレースとなってしまった。スタートではホールショットを奪いそのままトップを走行していたが、赤旗により再スタートとなってしまう。その再スタートでは、ビクトル・アロンソ(ガスガス)、能塚 、横山遥希(ホンダ)に続く4番手に。追走を試みたが、この日の最終レースということでギャップなどによるタフなコンディションとなったこともあり、横山を攻略できない状況が続いた。さらに6周目には転倒。すぐに再スタートできたが、これでトップ3からは大きく離されてしまった。

その後は、ポジションキープに切り替えて周回を重ね、アロンソ、能塚、横山に続く4位と表彰台は逃したが、ライバルも安定した成績を残していなかったことからジェイが総合優勝でランキングでもリードを拡大することに成功した。

また、大城はスタートでライバルと接触があり、大きく出遅れ1周目を終えて14番手と厳しい状況だったが、ヒート1同様に安定した速いペースを刻み、序盤の内に8番手まで浮上。さらにプッシュを続けて後半に入っても12周目に6番手、前方の大倉が後退したことでジェイに続く5番手に浮上。そのままチェッカーを受け、ヒート1での2位表彰台を合わせ、今季最高となる総合3位で、前半戦を終えることとなった。

IA2
ヒート1:中島が2位表彰台、ルーキーの住友が5位入賞

IA1と同様、タイムアタック方式で行われた予選は、bLU cRU レーシングチーム鷹の#3中島漱也が3番手、これに#7浅井亮太(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)が続き4番手。さらに前日のフリープラクティスで転倒があったbLU cRU YSP浜松BOSS RACINGの#10田中淳也が6番手とし決勝を迎えた。

決勝は曇天ながら雨は降らず、気温も25度前後とライダーにとってもファンにとっても過ごしやすいコンディションの中で行われた。前回のSUGOのヒート2でノーポイントとなり、ランキングトップの横澤拓夢(ホンダ)に33ポイント差をつけられ巻き返しを図りたい中島。昨年は出場できず、新千歳モーターランドでは初のレースだったが、そうしたビハインドを跳ね除け中島はホールショットを奪いそのままトップで1周目を終えた。しかし後方には、昨年の本大会ヒート2で優勝しているライバルの横澤が続いた。

前半は大きな動きはなく約2秒程度の差を保ったままこう着状態が続いたが、後半に入ると横澤が徐々に中島の背後に迫ってきた。しかし9周目に横澤がミスしてコースアウト。これでギャップが広がったが、残りは約10分、中島は横澤から逃げたかったがその差を広げることができず、残り2周となったところ逆転を許してしまう。最後まで諦めずに追撃するも逆転はならず、2位でチェッカーを受けた。

また、国際A級ルーキーである#01住友睦⺒選手(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)は、好スタートから5番手で1周目を終えた。その後、4番手としポジションをキープしていたが、13周目、西條悠人(カワサキ)に逆転を許してしまう。それでも最後まで順位を守り、初のシングルフィニッシュ、今季最高となる5位を獲得した。

なお表彰台は、横澤、中島、柳瀬大河(ホンダ)が獲得した。

ヒート2:中島が大逆転で優勝、ヒート1のリベンジを果たし総合優勝

ヒート1でライバルの横澤に逆転を許し2位となった中島が、今度はその横澤を最終ラップでかわす逆転劇で優勝を果たした。

レース序盤はヒート1を制して波に乗る横澤が先行する展開。これに、土曜日の転倒により怪我を抱えている田中が2番手で続き、ヒート1で悔しい2位となった中島が3番手とすると、そのまま早々に集団を抜け出し3名がトップ(表彰台)争いを展開した。

レースは序盤から、3台が順位を入れ替えることなく1秒後半〜3秒程度の差と神経戦となり、ミスの許されない緊迫した状況が続いた。その中で田中は横澤の背後につけてプレッシャーを与えつつ、オーバーテイクを目指したが、横澤の硬いディフェンスを攻略できなまま周回を重ねた。

一方の中島に大きな動きはなかったが、レースが終盤に入ってから動き出し14周目に田中の攻略に成功。さらに横澤の攻略に挑むが、その勝敗の行方は最終ラップにもつれ込み、中島が一気に攻勢にでるとオーバーテイクに成功。ヒート1のリベンジを果たし総合優勝を獲得した。ランキングでは、横澤と各ヒートで1位と2位を取り合ったため33ポイント差に変更はなかったものの、中島がシーズンの流れを引き寄せたて前半戦を締め括った。

田中は、最後まで優勝争いには加われなかったもののポジションを守り切って3位とし、中島とのダブルポディウムを果たした。

この後、全日本は長いインターバルに入り、9月14-15日、奈良県の名阪スポーツランドで実施される第6戦近畿大会にて再開する。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:優勝/4位:総合優勝)

「ヒート1についてはホールショットから、最後までとてもスムーズに走ることができました。ヒート2はレッドフラッグで再スタートとなりましたが、集中することができずに、レスポンスも遅れてしまいました。さらに大倉選手と絡んだこともあり4番手からの追い上げになり、自分なりには頑張っていましたが、今思えば、ライバルたちのペースに合わせてしまったところもあったので、もっとアグレッシブにいくべきだったと反省しています。その後、ジャンプの際にリアがギャップで跳ねしまい転倒。これは自分のミスでした。インターバルでは、アメリカのスターレーシングに合流し、そこでトレーニングを行う予定です。そして後半戦は、ここまでと同様に勝つだけです」

原延男監督談

「ジェイ選手は調子もよく、ヒート1もスタートから安定したペースで勝ってくれました。ヒート2も最初のスタートはホールショットでしたが、赤旗で再スタート。ジェイ選手であってもミスがありスタートで出ることができず、さらにミスが続き転倒。体にダメージもあった中で、総合トップという結果を残してくれたのはさすがだなというところです。ただ、改めて不測の事態になった時の対処について準備が必要だと思いました。ここからサマーブレイクに入りますが、IA1の大城選手、IA2の中島選手やルーキーの住友選手が素晴らしいレースを見せてくれました。ジェイ選手の成績にフォーカスしがちですが、ジェイ選手の影響でヤマハライダー全体のレベルアップができているので、後半に向けてもそれを加速させていきたいと思います。そしてIA1では、いつになるかは未定ですが、渡辺選手も戻ってくる予定なので、ぜひヤマハで表彰台を独占したいと思います」

YSP浜松 with BABANASHOX
大城魁之輔選手談(IA1:2位/5位:総合3位)

「正直にうれしいです。今年から体制が変わって僕の結果のせいで、昨年の環境に比べると... みたいに思われていた部分もあったので。でも、チームにはライディングのコーチをしてもらいトレーニングメニューを作ってもらうなど手厚いサポートがあり、メカニックも頑張ってくれいます。サスペンションも十分なサポートがあり、ヤマハさんにもジェイ選手と一緒に練習をさせてもらうなど協力してもらい、すごくいい環境でレースができています。だから今回結果がついてきて、ホッとできましたし、ようやく一歩踏み出せた感じです。ヒート1は3番手から一度4番手に落ちたのですが、フィジカル強化によって体力には自信があり、必ずもう一度勝負できると思っていましたが、いい形の結果につながりました。ヒート2もスタートはいい位置にいたのですが、前のライダーの転倒でスローダウン、そこから挽回にもたついてしまったし、コースもタフでしたが、フィジカルのところでカバーし5位と総合3位に入ることができました。シーズンオフは現状にプラスしてもう一回り強くなり、また後半もしっかり戦っていきたいと思います」

bLU cRU レーシングチーム鷹
中島漱也選手談(IA2:2位/優勝:総合優勝)

「ヒート1は、ホールショットからレースをリードしていました。後ろは意識せず、自分の走りとタイムに向きあっていたのですが、横澤選手にラスト2周で抜かれてしまい、レースの組み立てや技術など、自分よりも優れている部分を突きつけられ、とにかく悔しい結果となりました。前回のSUGO大会のヒート1で悔しいレースをして、ヒート2は勝ちにこだわりすぎてリタイアと、勝ちたい気持ちが出過ぎたために厳しい結果になってしまいました。今回も同じ状況だったので、ヒート2はもう一回自分の走りに集中することにしました。レースでは横澤選手と田中選手がやり合っていたので3番手から冷静にレースを進め、ラスト3周で勝負所を決めて最終ラップでかわしました。調子は上向きなので、後半戦も自分の成長を一番に考えて1レース1レースに向き合って戦っていきます」

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