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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.04 6月1-2日 SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第4戦 SUGO大会
■開催日:2024年6月2日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■観客動員数:2,500人(2日間)
■天候:曇りのち雨

REPORT

IA1
ヒート1:ジェイが1周目からトップに立ち6勝目!

1ヵ月以上のインターバルを置いての開催となった第4戦は、宮城県のスポーツランドSUGOが舞台。土曜日は雨が降ったり止んだりの不安定な天候となり、難しいコンディションでの予選となった。YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#1 ジェイ・ウィルソンはその予選でホールショットを奪うと独走でトップを獲得し、決勝を迎えた。なお、#12 渡辺祐介は、今大会も怪我のため欠場となった。

決勝の朝は前日と同様、曇りとなり時折雨が降る状況から他のクラスのレース時間が短縮される中で、IA1は予定通り15分+1周を3ヒート行うレースフォーマットで実施された。

その決勝ヒート1は雨は降らず曇天の中でスタート。コースコンディションを鑑みグリッドはセオリーであるイン側ではなく、中央を選んだジェイは好スタートから1コーナーのインを突いたが、大坂を駆け上がる時点では4番手となった。しかしこのオープニングラップでトップを行く横山遥希(ホンダ)ら3名をかわしトップに立つと、その横山、小方誠(ホンダ)、ビクトル・アロンソ(ガスガス)というライバルを、得意のスプリントで引き離し、2周目を終えた時点で約6秒のリードを築いた。

しかし、後方では昨年のIA2チャンピオンであるアロンソが2番手に浮上すると、ジェイの追撃を開始。徐々にジェイの背後に迫り、その差は3秒程度にまで縮まった。それでもジェイは後方を確認しながら7周目にベストラップを刻むなどその差をコントロールし、ファーストチェッカーで今季6勝目をあげた。2位はアロンソ、3位には横山が入った。

ヒート2:ジェイが今大会連勝で7勝目

今日、2回目のレースは、またしてもジェイの速さが光るレースとなった。今回のスタートは第1コーナーのインを制して、3番手で立ち上がると、さらに大坂でトップの大塚豪太(ホンダ)に並びかけその飛び出しで逆転しトップに浮上、アロンソ、安原志(カワサキ)、横山、そしてYZ450Fを駆る大城魁之輔(YSP浜松 with BABANASHOX)を引き連れ、1周目をトップで通過した。

レースはヒート1に続き、アロンソがジェイを追う展開。そのアロンソは序盤からプッシュし、約5秒まで開いていたギャップを縮め、中盤を迎える頃には3.7秒に迫った。しかしジェイもこれを察知してペースを上げて再び引き離し、トップを一度も譲ることなくフィニッシュして2連勝、同時に今季7勝目を飾った。トップ3はジェイに続いてアロンソが2位、横山が3位を獲得しヒート1と同様の順位となった。

ヒート3:大雨の中で圧倒的な安定感、ジェイが3連勝、8勝目

本日最後のレースとなったヒート3は、強い雨が降る中で行われた。そのためコンディションは徐々に悪化、後半は特に全ライダーにとって大きなリスクが伴うマディコンディションとなったが、ここで抜群の安定感を示したのがジェイだった。

スタート直後は遅れたかに見えたが、隙間をうまく突いて本日初めてのホールショットを奪うと、そのまま1周目をトップで通過。2番手の大塚豪太(ホンダ)に対してこの時点で約4秒のリードを築いた。2周目には過去2ヒートと同様に、アロンソが2番手に浮上してジェイの3.4秒差に迫ったものの、そのアロンソがミスにより4番手に後退した。このように、今回のレースで重要になったのが安定感であった。

その結果、ジェイがトップを独走することとなったが、雨足は弱まることなくその後も降り続き、YZ450FMとジェイは最後まで大きなミスもなく走り切って大会3連勝、通算8勝目を獲得して今大会を締め括った。

また、5番手からスタートした大城が一時3番手を走行、今季初の表彰台に手をかけたが、アロンソに逆転を許し4位でフィニッシュ。この結果、表彰台はジェイ、大塚、アロソンが獲得した。総合成績では3連勝のジェイがトップ、大城は8位・4位・4位で総合5位となった。

IA2
ヒート1:中島が2位、田中が3位でダブルポディウム達成

予選では、bLU cRU レーシングチーム鷹の#3中島漱也がB組トップ、#7浅井亮太(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)が6番手。A組ではYSP浜松BOSS RACINGの#10田中淳也が2番手と、YZユーザーが好調のままに決勝を迎えた。

その決勝は、朝から雨が降ったり止んだりの状況だったことも影響し、決勝は30分+1周から25分+1周に変更された。そして迎えたヒート1は今にも雨が降りそうな曇天の中で始まった。

ホールショットを奪ったのは今年安定してスタートを決めている田中。1周目を終えての順位は、ホームレースの横澤拓夢(ホンダ)が先頭、同じく地元の東北の佐々木麗(カワサキ)が2番手、さらに田中、阿久根芳仁(カワサキ)、そしてランキング2位につける中島が続いた。

トップの横澤が逃げる中で早めに追い上げたい中島は、2周目に阿久根を捉えて4番手に浮上。すぐに2位争いに加わり、田中の背後につけてプッシュ。すると6周目、田中を捉え3番手、さらにリズムセクションで佐々木を捉え、2番手へと浮上した。

この時点でのトップの横澤との差は7秒で、レースは約半分が残っていたが、2名のペースはほぼ互角と、その差は縮まらない。それでも中島は終盤に入ると少しづつその差を詰め、約4秒差まで迫ったがライバルのテールを捕まえることはできず、2位でフィニッシュとなった。

ホールショットを決めた田中は1周目に3番手まで順位を落とした。この後は2番手を走る佐々木のオーバーテイクを狙ったが、逆に中島にかわされ4番手に後退してしまう。しかし7周目、この時点でのファステストラップで佐々木を逆転して3番手とすると、その後は、ミスもありながらポジションを守り切り3位でフィニッシュ。表彰台を獲得した。

ヒート2:悪天候に苦戦、ヤマハ勢では田中の7位が最高

それまで霧雨程度におさまっていた天候が、ヒート2の前に崩れた。雨足が強まり、急激にコンディションが悪化ていったのだ。レースはヒート1の優勝者である横澤がトップ。これに佐々木、さらにYZ250Fを駆る#22 阿部晴基(TeamPitin With M'F)が3番手、そして田中が6番手につける。

上位でスタートした田中だったが、3周目には順位を落とした阿部をかわして5番手に浮上すると、そこから上位のペースにはついていくことができずポジションキープとなった。しかし8周目に単独で転倒があり、これで後方の2名にかわされ7番手に後退してしまった。その後もこのポジションから挽回することができず、7位でフィニッシュとなった。

8番手でスタートした浅井は、一時9番手となったが最終的に8位。中島は28番手からスタートし、その後22番手まで挽回するもリタイア。また3番手スタートの阿部は序盤でポジションを落として8番手としていたがリタイアとなった。優勝は横澤、これに佐々木が続き2位、西條悠人(カワサキ)が3位を獲得した。

総合成績は3位、7位の田中がYZライダーでトップの総合4位、中島が総合5位、浅井が総合8位となった。次回の第5戦北海道大会は6月22-23日に新千歳モーターランドにて開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RESULT Heat.3

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:優勝/優勝/優勝:総合優勝)

「九州大会の後、実はオーストラリアに帰ってリフレッシュしてきました。チームの方もレースに向けマシンをいろいろと準備してくれたことから、今回は改めて自分に自信を持って臨むことができました。そもそも雨のレースは得意ですが、九州はスタートがうまくいかずに悪循環が生まれたので、今回はスタートを強く意識して3ヒートともうまくいって結果もついてきました。その一方で最初の2つのヒートでは腕上がりの症状がでましたが、自分なりに対処して影響を抑えることができました。3ヒート目は、セッティングを変えることで症状を抑えることができましたが、これも今後、さらにマシンを良くしていくことにつながり、良い改善の機会になったと思います。次回は北海道ですが、すごくいいコースですし、昨年も勝っているので今年も頑張ります。あとは食事もとても美味しいので楽しみにしています」

原延男監督談

「前回の九州大会は雨のレースでうまくいかなったことからチームも、サスペンションなどのセッティングを見直すなど、しっかりと準備して臨みました。またウィークに入っても、ジェイ選手もリラックスできていたし、IA2のレースを映像を見てスタート位置やライン取りなどをチェックするなどしっかり準備していました。この結果として、ライバルの追走を受けながら、また天候が崩れた中でも最後まで安定した走りで、三連勝してくれました。チャンピオンシップにおいてもまた一歩リードを広げることができましたが、ライバルも強力になっているので、次回の北海道も含め、目の前のレースを一つ一つ大切にして勝っていきたいし、勝利に満足することなく、見えてきた課題の克服にも常に向き合いながら、成長・進化を目指していきますので、ご期待ください」

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