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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.03 4月21日 九州・熊本

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第3戦 HSR九州大会
■開催日:2024年4月21日(日)
■会場:熊本県・HSR九州

REPORT

IA1
ヒート1:マディのレース、ジェイは転倒があり3位

4月20日から2日間連続となる第3戦HSR九州大会が2日連続で行われた。この日は午前中から雨が降り始め、路面は着実にマディへと変化。難しいコンディションとなりトップライダーたちも例外なく、足元をすくわれた。

予選は1Day開催ということもありタイムアタック方式で行われ、YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMの#1 ジェイ・ウィルソンは、2番手とまずまずの走りだし。迎えたヒート1は30分+1周のレースフォーマットで行われたが、事前に強い雨が降ったことで、よりコンディションはマディへと変化していた。

レースは、横山遥希(ホンダ)がホールショットを決めて1周目をリード。これにジェイ、大倉由揮(ホンダ)、能塚智寛(カワサキ) 、ビクトル・アロンソ(ガスガス)が続き、役者が揃ったことから白熱のバトルが期待された。ところが、序盤から波乱が続いた。5番手のアロンソが3周目に転倒して脱落。ジェイはマディながらも速いペースで横山を捉えるが... アタックにかかった4周目、ライバルの背後に迫りながらもスリップダウンし、すぐに再スタートできたものの、大倉の背後、3番手に順位を落とした。

そこからはトップの横山に7秒強の差で周回を重ねていたが、11周目、横山が転倒し2番手に浮上すると、今度は大倉をターゲットにプッシュする。しかし、終盤の13周目、ジェイに再び転倒があり横山にかわされ3番手にドロップ。3位でチェッカーとなり、連勝こそ止まったがしっかりと表彰台を確保した。優勝は大倉、2位は横山だった。

ヒート2:ジェイがマディでスタックも、9位でフィニッシュ

直前に行われたレディースのレース開始時から一気に雨足が強まり、ヒート1をはるかにしのぐヘヴィマディーの中で行われた15分+1周のヒート2は、ヒート1以上の波乱に満ちた展開となった。

ジェイは、ホールショットを奪った横山に続き2番手で1周目を終えるが、2周目にスタック。ここでのリカバリーに多くの時間を費やし、ラップタイムは3分46秒と3周目に18番手で入ることとなった。

その後も、上位陣を含め多くのライダーがマディの餌食となりトラブルが発生。目まぐるしくポジションが変わっていく中、ジェイは安定した走りを披露。着々とポジションを上げいったが、時間も短くトップ3から大きく離されていたため、9位でフィニッシュ。3年目となる全日本で初めて表彰台を逃すこととなった。

表彰台に立ったのは初優勝となった横山、2位には安原志(カワサキ)、3位には初の表彰台となる池⾕優太(ホンダ)が入った。また総合結果では、横山、大倉、安原、池谷と続き、ジェイは5位で 第3戦を終えることとなった。

IA2
ヒート1:浅井がYZライダーでトップの5位を獲得

前日の第2戦に続き、2日連続で第3戦HSR九州大会が開催された。前日と同様、ヒート1が30分+1周、ヒート2は15分+1周の2ヒート制ではあったが、今日は朝から雨が降ったり止んだりを繰り返し、強く降ることあって厳しいマディコンディションで各セッションが行われた。

まず早朝のタイムアタック方式による予選は、A組トップがbLU cRU レーシングチーム鷹の#3中島漱也。B組ではbLU cRU YSP浜松BOSS RACINGの#10田中淳也が中島のタイムを上回りポールポジションを獲得と、YZ250Fを駆るライダーが好調をキープした。

ところがマディとなったヒート1は苦戦を強いられる。好スタートを切ったは池田凌(カワサキ)、これに横澤拓夢(ホンダ)が並びかけそのままトップに立つと、1周目は横澤、池田、鴨田翔(カワサキ)、#7浅井亮太(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)が4番手で続いた。田中は7番手、前日の第2戦でパーフェクトウィンを達成した中島は1周目のマルチクラッシュに巻き込まれ、その後、ピットに入ったこともあり最後尾からの追い上げとなった。

4番手の浅井は序盤、柳瀬大河(ホンダ)にかわされ5番手に後退。さらに、6番手につけた田中に肉薄されるも、これを耐え凌ぎポジションをキープ。その後、田中が後退したことで前方に集中。4番手に後退した池田を目指してプッシュしたが、最後まで及ばず5位のままチェッカーを受けた。

序盤6番手の田中は中盤にミスがあり後退して8位。最後尾から追い上げた中島は、1周目の28番手から4周目までに20番手へ。その後も着実に順位を上げ最後はトップ10に入り、貴重なポイントを獲得した。優勝は横澤、2位は鴨田、3位は柳瀬となった。

ヒート2:田中、浅井が2・3位表彰台、総合でも2・3位獲得

第3戦最後のレースは、ヘビーマディーの中でサバイバルレースとなったが、安定感が勝負の決めてとなった。

1周目から多くのライダーがスタックしていくなか田中は5番手で1周目を終了。その後も脱落者が続出したが、ポイントとなった安定の走りで3〜2番手を行き来しながら周回を重ねて最後は 2位でフィニッシュ。ヒート1の上位陣の多くがポイントを落としたこともあり、ヒート1での8位と合わせ、総合2位を獲得した。

一方の浅井は1周目を11番手でスタートすると、徐々にポジションをアップ。2周目に9番手、3周目に7番手、その後は3・4番手を常にキープし、最後は3位でチェッカー。ヒート1が5位と合わせ、田中に続く総合3位を獲得した。

ランキングトップの中島は、1周目にスタック。脱出までに多くの時間を費やしたことで27番手で1周目を終えた。しかし、ライバルたちもこのコンディションにより脱落するなかで安定感を披露し、5周目までに9番手へ。さらにそこから4つ順位を上げて最後は5位とし総合では6位を獲得し、ランキングでは3ポイント差で、横澤にトップを譲ることとなった。

次回の第4戦SUGO大会は、6月1〜2日、宮城県のスポーツランドSUGOにて開催される。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:3位/9位:総合5位)

「日本に来て3シーズン目ですが、このような厳しいコンディションは初めてです。でもこれがレースだし、僕も人間なので、こういった悪いこともあるということです。ヒート1は、決して悪い状況ではなかったのですが、少し急いでしまいミスをしてしまいました。初優勝の大倉選手を素直に祝福したいと思います。ヒート2はスタートは良くて1コーナーは3番手だったのですが、その後のコーナーでパスしようとした際にスタックしてしまい、脱出するのに時間がかかってしまいました。毎回勝つことはやはり難しいことだと痛感しましたし、切り替えて今回のミスを繰り返さないよう改善し、次のSUGOに向けて進んでいきたと思います」

白柳弘監督代行談

「本人も自覚しているように、厳しいレースでした。ライダーにとってはイコールコンディションなので、チーム力でカバーしたかったところですが、それを含めても厳しい戦いになってしまいました。特にヒート2はラインどりなど、事前に注意事項は共有していました。でも本人の焦りもあったと思いますし、スタックした4コーナーは、今日の雨の中では判断が難しかったということです。3位、9位でポイントを獲得できたので悲観はしていませんが、ジェイ選手が表彰台を落としたのははじめてだったので、これは真摯に受け止め、次回のSUGOは今回のことがないようチームとしてしっかり意識し、ライダーをサポートしていきます」

bLU cRU YSP浜松BOSS RACING
田中淳也選手談(IA2:8位/2位:総合2位)

「雨が降る難しいコンディションの中、ヒート1はいい位置につけながらも、6番手走行中に転倒があり8位。順位はよくありませんが、ベストタイムは3番手と調子が悪いわけでもなかったので、自信を失うことなく、ヒート2に臨みました。ヒート2は、スタートが決まり2番手につけたものの、コンディションが酷い状況で怖さもあり攻めきれず、1周目だけで3台に抜かれたのですが、前のライダーが転倒したり、自分も安定してきて順位を上げ2番手としました。ただ、トップとは離れていたので、自分のできるベストの走りで乗り切りました。今回は、両ヒートを表彰台でまとめたかったのが本音ですが、悪くなかったと感じています。次のSUGOは好きなコースなので、地元のライダーには負けず、今度は両ヒートを表彰台でまとめます」

bLU cRUフライングドルフィンサイセイ
浅井亮太選手談(IA2:5位/3位:総合3位)

「天候が刻々と変化する難しいレースでした。その中でヒート1はスタートが決まりトップを視界に捉えた状態でしたがミスも多く、ペースを掴みきれずに4番手から5番手に後退。ここから落ち着き、順位こそ上げられませんでしたが、立て直してヒート2につながる手応えを掴みました。そのヒート2はスタートで出たにもかかわらず、すぐにミスして1コーナーは20番手以降でした。ただ、その後は落ち着いて走り、1周目を終え11番手。そこからはいつもライディングで意識していることを淡々とこなすことで、順位が上がっていったので楽しみながら走ることができました。今年は開幕から2戦は自分の走りができていませんでした。この現実を受け止め、積み上げていくことが大事でしたが、今日はそれができた感じです。今後、さらに自信を深めていけば、もっと爆発力が出てくると思います」

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