全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.02 4月20日 九州・熊本
RACE DATA
■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2024 第2戦 HSR九州大会
■開催日:2024年4月20日(土)
■会場:熊本県・HSR九州
■天候:曇り時々雨
■レース時間:IA1(30 分+1 周・15 分+1周)
■レース時間:IA2(30 分+1 周・15 分+1周)
REPORT
IA1
ヒート1:ジェイが中盤の逆転で開幕4連勝!
当初予定されていた広島での中国大会が中止となったことから、HSR九州大会が土曜日に第2戦、日曜日に第3戦が行われ、さらに両大会のレース時間は、IA1、IA2ともにヒート1が30分+1周、ヒート2が15分+1周という変則的なフォーマットで実施された。
YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAMは、#12渡辺祐介がインターバル中の練習で負傷し、治療・リハビリのため、今大会は欠場となった。一方の#1ジェイ・ウィルソンは、タイムアタック方式の予選で2番手。続く今年初となる30分+1周のヒート1では、ホールショットとはいきませんでしたが、1周目を終え、横山遥希(ホンダ)、大倉由揮(ホンダ)に続く3番手。その後方には昨年のIA2チャンピオンだるビクトル・アロンソ(ガスガス)がつけており、混戦を予感させる序盤となった。
しかし、ディフェンディング・チャンピオンであるジェイは強さは、強力なライバルの中においても際立っていた。3周目に大倉をかわして2番手に上がると、4周目には当時のファステストラップで一気に横山の背後に接近。約1秒差につけるとそこからプレシャーをかけて7周目に逆転。その後は1秒強のギャップで横山も食らいついてきたが、13周目に横山が転倒して勝負あり。これでジェイは残りの周回のペースをコントロールしてチェッカーを受け、開幕4連勝を飾った。2位は横山、3位は大倉となった。
ヒート2:ジェイがビクトルとのバトルを制し5連勝
ヒート1の終了後に雨が降り出したHSR九州だったが、その後雨は止みコンディションは維持された。しかしヒート2(15分+1周)の直前に再び雨が降り出すなど不安定な天候の中でレースは行われた。
スプリントにおいて、勝敗を大きく左右するのがスタートと序盤のポジション争いだ。ジェイはそのスタートで、昨年IA2を制したアロンソに続く2番手で発進。1周を2番手とすると、ヒート1とは異なり序盤から勝負をかけてハードにプッシュ。2周目にはビクトルをかわしてトップに浮上した。
しかしビクトルもアクセルを緩めることはなく、ジェイも徐々にペースを上げてこれに応戦。その後もジェイがビクトルを抑え、1秒強の差という白熱した優勝争いは終盤へ突入。そして迎えた最終ラップでジェイがファステストラップを刻み、ビクトルにアタックする隙を与えることなくファーストチェッカー。2位はビクトル、3位には横山が入った。
この結果、ジェイが開幕戦からの連勝を「5」に伸ばすと同時に総合優勝を獲得。2位は横山、3位には大倉が入った。
IA2
ヒート1:中島が開幕戦のヒート3に続く今季2勝目
IA1と同様、2ヒート制となり、ヒート1が30分+1周、ヒート2は15分+1周という変則的なフォーマットで行われた今大会。予選ではbLU cRU レーシングチーム鷹の#3 中島漱也がヤマハ勢トップの3番手、#10田中淳也(bLU cRU YSP浜松BOSS RACING)が5番手、さらに#01住友睦巳(bLU cRUフライングドルフィンサイセイ)が8番手で続いた。
IA1の終了と同時、降り出したは雨は、IA2のヒート1が行われる頃には止み、コンディションにもほとんど影響がなくスタート。レースは鴨田翔(カワサキ)がホールショットでトップ。これに田中、中島、池田凌(カワサキ)らが続いた。この中でレースを動かしたのは中島だった。2周目に田中をかわして2番手とすると、さらにトップの鴨田に迫っていった。30分という長丁場だったが、中島が勝負を仕掛けたのは5周目。ファステトラップで一気に鴨田に迫りこれをかわすと、そのまま後方を引き離してトップを独走。開幕戦ヒート3に続き2連勝でランキングトップを守った。2位は鴨田、3位には柳瀬大河(ホンダ)が入った。
一方、中島にかわされ3番手を走行していた田中は、しばらく表彰台圏内を守ったが、中盤に入り追い上げてきた柳瀬に捕まりバトルを展開。しかし、抑えきれず11周目にかわされて4番手に後退。表彰台には届かなかったものの4位入賞でレースを終えている。
ヒート2:中島が自身初のパーフェクトウィンを達成
15分+1周のスプリント、ヤングライダーたちが体力を温存することなく、力の限りプッシュしたヒート2において、またしても光り輝いたのが中島だった。
スタートは田中が好スタートを切るがその1周目に転倒して後退。代わりトップに立ったのが西條悠人(カワサキ)、これに阿久根芳仁(カワサキ)、鴨田、そして中島が続いたが、このオープニングラップ中に中島は鴨田を捉えて3番手に浮上した。
3周目に入ると、中島は阿久根を捉え2番手とすると、5周目に西條のリアにつけてプッシュした。一時、抜き差しを繰り返したが、最終的には攻略してトップに浮上。次の6周目には自身のベストラップで西條とのギャップを築き単独走行とすると、最後までそのリードを守ってフィニッシュ。国際A級に昇格から自身初となるパーフェクトウィンで総合優勝を獲得した。2位は西條、3位は阿久根となった。
1周目に転倒した田中は、22番手で2周目に入ったが、そこから10台以上をかわして8位を獲得した。
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA1 RIDERS RANKING
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
IA2 RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM
ジェイ・ウィルソン選手談(IA1:優勝/優勝:総合優勝)
「まずヒート1ですが、マシンも強力だったし、レース展開も、ファンのみんなにとってもエキサイティングなレースになりました。昨年はどちらかというと序盤にプッシュしてトップをキープしたところでペースをコントロールし、エネルギーをセーブすることが多かったのですが、今年は30分に渡ってプッシュする必要がありました。今日はどちらかと言えばコースが難しいと感じていて、横山選手をかわすことも簡単ではありませんでした。ヒート2では、アロンがハイペースを持っていたので、またしても難しいレースでした。序盤でかわすことができましたが、プッシュし続けることで最終的に勝利し、とてもいいレースになりました。明日もタフなレースになると思いますが、今日と同様、2つの勝利を獲得することが目標です」
白柳弘監督代行談
「今回は、残念ながら怪我によって渡辺選手が欠場となりました。ダブルポディウムが狙えなくなったわけですが、チームとして、またジェイ選手もチームメイトの分まで、今回も勝ち切ることが最大の目標でした。バイクについては、開幕戦から車体に関してジェイ選手の好みにあった方向にブラッシュアップして乗り易さ(コントロール性)も向上。ライバルに先行されるレースが続きましたが、バイクに自信を持っていることもあり、落ち着いて自分のペースの中でライバルをかわして2つの勝利を積み上げてくれました。明日も勝利はもちろんですが、やはりファンの皆さまに楽しんでもらえるようなレースができよう、ライダーとチーム一丸で頑張ります」
bLU cRU レーシングチーム鷹
中島漱也選手談(IA2:優勝/優勝:総合優勝)
「開幕戦のヒート3で優勝したことで自信を持っていたし、そもそもHSRは得意なコースで、かつ滑る感じの好きなコンディションと、条件が揃った状態で今大会に臨むことができました。だからこそ、ヒート1も2も特なことを考えず、また結果にこだわりすぎず、自分の走りに集中していました。前を走るライバルも意識することなく追いついたらパスしようというのを意識してました。ただヒート1ですが、抜いた後の自分のペースが変わらず、十分にギャップを作れなかったのは正直きつい部分だったので課題として受け止めています。両ヒートで勝てたのは嬉しいですが、一喜一憂することなく、明日も一つ一つのヒートを大事に戦っていきます」