全日本モトクロス選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.06 10月29-30日 関東・埼玉
RACE DATA
■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2022 第6戦関東大会
■開催日:2022年10月30日(日)
■会場:埼玉県・オフロードヴィレッジ
REPORT
IA1
ヒート1:富田が3位表彰台、渡辺は6位
シリーズチャンピオンを目指すYAMAHA FACTORY RACING TEAMの富田俊樹が、 ランキング2位の能塚智寛(カワサキ)と77ポイント差で迎えた今大会。予選はこの2人が絡む転倒があり、富田は11番手と難しいグリッドからスタートすることとなった。
イン側のグリッドが絶対的に有利な中、厳しいスタートを強いられた富田だったが、集団に巻き込まれながらも1周目を7番手でクリア。しかし、上位陣にはトップライダーがズラリと並び、苦しいポジションとなった。一方の渡辺も1周目に転倒があり、23番手で2周目を迎えることとなった。
チャンピオンを目指す富田は、序盤から積極的なレースで2周目に6番手、3周目に5番手につける。この時点で、前方には小方誠(ホンダ)、大城魁之輔(ホンダ)、大倉由揮(ホンダ)、能塚智寛(カワサキ) と強敵が揃っていたが、富田はポジションを落とした大倉がを捉えて4番手。さらに後退してきた小方を捉えて3番手に上がり、ランキングを争う能塚の背後につけた。しかし、ここからその差を詰めることができず、富田は3位となりチャンピオンはヒート2に持ち越しとなった。
一方の渡辺は、23番手からトップグループと同様のペースで挽回を続けて、最終的には17人をかわして6位入賞を果たした。
ヒート2:富田が2位でチャンピオンを獲得、渡辺が今季初優勝
富田が2位を獲得し、ヤマハ発動機にとって2011年以来11年ぶりとなる最高峰クラスでのチャンピオンを決定。IA2でジェイ・ウィルソンがチャンピオンを獲得していることから、国際A級でダブルタイトルを決定した。さらに、ここまで優勝のなかった渡辺が1周目からトップに立ち、そのまま独走して今季初優勝と、タイトルを確定したこのレースで、ヤマハの二人がワンツーフィニッシュを達成した。
レースはスタート直後の1コーナーでマルチクラッシュが発生する波乱の幕開け。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの二人はこれを回避し、渡辺がトップに立って2周目へ。一方の富田は4番手につけて、チームメイトを追う状況となった。
レース序盤は、トップの渡辺を大城がハイペースで追ってきたが、その大城が前半の内に転倒して後退。その後、2番手にはチームメイトの富田が上がってきたが、渡辺はその差を見ながらペースをコントロール、安定した速いペースで富田にアタックさせることなく周回を重ねると、そのままトップでフィニッシュ。今季初優勝を飾った。
一方の富田は4番手
IA1 RESULT Heat.1
IA1 RESULT Heat.2
IA1 RIDERS RANKING
IA2 RESULT Heat.1
IA2 RESULT Heat.2
IA2 RESULT Heat.3
IA2 RIDERS RANKING
COMMENT
YAMAHA FACTORY RACING TEAM
富田俊樹選手談(IA1:3位/2位:総合2位)
「緊張、プレッシャーもありましたが、事前に体調を崩し事前テストに参加できず大会を迎えたため、土曜と今日の公式練習でセッティングを進めてきました。予選は11番手、メッシュスタートは自信もあったのですが実際は厳しく、それでも少し引いてインを回ることで上位に入ることができました。ヒート1はタイトルがかかっていること、勝って決めたいという思い、新しいコースなどが重なり硬い走りになりましたが、3位と最低限の仕事はできたと思います。ヒート2は、渡辺選手がトップに立ち、調子が良いのはわかっていたので逃すとまずいなと思っていましたが、差も大きく、中盤以降は確実性を優先しました。チャンピオン獲得は簡単なことでなく、本当に長かったですし、まずはホッとしました。来年は立場も変わりますが、今年のような安定感のある走りができれば、チャンピオンを取り続けることができると思います。最後に長くお待たせしましたが、ファン、スポンサー、チーム、ヤマハ発動機、そして家族、すべてのサポートに感謝します。そして最終戦も勝利で締めくくりたいと思いますので、引き続き応援をよろしくお願いします」
渡辺祐介選手談(IA1:6位/優勝:総合3位)
「ヒート1はスタートで遅れました。1周目の内に挽回し富田選手の後方まできたのですが、そこで転倒してしまいました。ここからは追い上げとなり、オーバーテイクが難しいタイトなコースながら、ペースも良く6位まで挽回できました。また追い上げ時のスピードとかわす技術は、今シーズンの課題として改善に取り組んできたことから、手応えを感じるレースとなりました。ヒート2に向けてはセッティングを変更したことでスタートが決まり、少し余裕もあったことから、後方を見ながらペースをコントロールする走りもできました。ただ、トップを走るのが久々だったので最後の3周は、とても硬い走りになったのは確かです。最終戦は地元のSUGO。なんとしても2つ勝って、ランキング2位を目指します」
ジェイ・ウィルソン選手談(IA2:優勝/優勝/優勝:総合優勝)
「今回は3つともにスタートが決まったことが大きな収穫であり、とても嬉しいことでした。ヒート1では勝利しましたが、ヒート2に向けてサスペンションのセッテイングを若干、硬い方向に変更して臨みました。というのも80%で走るには十分でしたが、プッシュできない状況あったからです。ヒート2以降は大きく改善したことで、とても良いフィーリングで走ることができました。これで3連勝。開幕から14連勝と素晴らしい1日となりました。また今回は富田選手がチャンピオンを獲得し、渡辺選手は難しいシーズンを過ごしてきましたが、初優勝を飾り、この2人をサポートしてきた私としても、とてもうれしいことですし、チーム全体にとっても素晴らしい大会になりました。最終戦も激しい戦いが待っていますが、16連勝にチャレンジすることをとても楽しみにしています」
増田智義監督談
「IA1は、富田選手は、レースの前に体調を崩し、病み上がりの状態で今大会に臨みました。予選ではライバルと接触して11番手と苦しいグリッドからのスタートとなりましたが、さまざまなビハインドを跳ね除けて3位。ヒート2も確実に順位を上げて2位として、チャンピオンを獲得。本当にチャンピオンに相応しい走りを見せてくれました。
渡辺選手はヒート1は転倒というアクシデントがありました。後方からの追い上げるなか、トップグループと同等のタイムで走っていたので、ヒート2はチャンスという話をしましたが、好スタートから1周目をトップ。その後もレースをマネジメントして、プレッシャーも跳ね除けて初優勝を決めてくれました。次の最終戦、地元のSUGOにつながる結果になったと思います。
IA2は2つのホールショットをはじめ3つともに好スタートをし決めて、1周目からジェイ選手が主導権を握って走ることができ3連勝。通算14連勝となりました。最終戦もこのまま16連勝して終わりたいのですが、ジェイ選手の役割の一つ、若手育成という面で考えると、若手の中からジェイ選手の連勝を止めるライダーが出てきて欲しいとも思います」
bLU cRU レーシングチーム鷹
中島漱也選手談(IA2:2位/5位/7位:総合2位)
「ヒート1は地元のコースでもあったので、決めるしかないということで2位に入れたのはよかったですし、ここまで3位が最高で2位は初となり、素直にうれしく思います。ヒート2はラインが決まらず動くことができないまま終わってしまいました。ヒート3は修正できると思っていたのですが、スタートでミスがあり追い上げのレース。その後は鳥谷部選手とのバトルとなりましたが、疲れが溜まり集中力も切れ、走るだけのレースになってしまいました。最終戦ではランキングへの意識はありませんが、負けるのは悔しいので一つでも前を目指しますし、ジェイ選手と走って表彰台には立ちたと思います」
bLU cRU フライングドルフィン サイセイ
浅井亮太選手談(IA2:3位/9位/5位:総合5位)
「ヒート1は3位、表彰台となりましたが、ヒート2は1周目に転倒があり自ら順位を落とすもったいないレースになりました。ヒート3も思った以上にペースを上げることができず、差を詰められないまま5位で終わってしました。総合的に見るとコース攻略に手こずってしまったという感じです。ランキング2位、日本人トップでシーズンを終えるのが目標なので、最終戦の2ヒートではそこを目指して全力を尽くしますし、自分の実力を出し切った結果としてジェイ選手とバトルできたら嬉しいです」
bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド
本田七海選手談(レディース:2位)
「悔しいの一言です。最後まで勝負しましたが届かず2位。レース中、勝負どころはここしかないと思っていましたが、冷静になって考えると、たくさん仕掛ける場所もあったし、もっと早く仕掛けることもできたと悔しい気持ちになります。最後の3周は離れたり近づいたりと、難しいレースでしたが、最終ラップの最終コーナーを含め、何度か仕掛けたのですがあと一歩、及びませんでした。それでもこのコースで優勝を争えたのは自信にもなったし、トップとは12ポイント差になりました。ライバルもとても速いのですが最終戦は勝って、ガッツポーズで終わりたいと思います」