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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.03 7月16-17日 SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:全日本モトクロス選手権シリーズ2022第3戦 SUGO大会
■開催日:2022年7月17日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■レース時間:IA1(25分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(25分+1周)×2ヒート
■観客数:土曜日800人/日曜日 2,200人

REPORT

IA1

ヒート1:富田が優勝、渡辺は2位でワンツーフィニッシュ!

ここまで3勝をあげてランキングトップを快走するYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#2富田俊樹と、地元SUGOをもっとも得意とするチームメイトが#4渡辺祐介が激突した。

レースは富田がホールショットを決めてレースをリード。その後方に小島庸平(ホンダ)、ヤマハの開発ライダーを務める#11町田旺郷、渡辺が続いた。序盤のうちに町田と渡辺は、小島を攻略して2・3番手に浮上すると、EPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)を搭載したYZを駆るファクトリーライダー2人と開発ライダーがトップ3を確保。その3人はマディが残る難しいコンディションの中でEPSの恩恵を受けながら安定したライディングで周回を重ねていった。

後半に入り、バックマーカーが現れはじめたところからレースが動き出す。ラインが少ない中で、バックマーカーをかわすのは簡単なことではなく、トップを守ってきた富田もバックマーカーに行く手を阻まれる形でリードを失い、町田、渡辺との差が一気に縮まった。この直後に渡辺が町田をかわして2番手に、その町田は大城魁之輔(ホンダ)にポジションを譲り4番手へと後退した。

トップ争いは3人に絞られ、中でも地元の声援を受ける渡辺が富田のテールに迫るも、富田も負けずにプッシュして逃げ切り今季4勝目。渡辺が僅差の2位、3位は大城、町田は4位でチェッカーを受けた。

ヒート2:富田が3位で総合2位を獲得、渡辺は転倒があり5位

ホールショットは大城、富田が2番手、3番手には小方、4番手には町田、そして能塚智寛(カワサキ)が5番手で続いた。渡辺は1周目を7番手につけていたが、最終コーナーで転倒し10番手で1周目を終えた。

前半は大城と富田が後方を引き離しながら抜け出してトップ争いを展開。富田はトップに立つべく様々なトライを繰り返したが大城を攻略することができなかった。一方でこの間に小方、能塚が接近し、トップグループを追いついて4台によるトップ争いとなった。

その中で速いペースを刻んだのが能塚。まずは小方を抜いて3番手。さらに富田もかわされてしまい3番手にポジションを下げてしまった。その時点での残り時間はほとんどなく、富田は挽回することができないまま3位でチェッカーを受けた。なお。大城がIA1で初優勝、2位は能塚が獲得した。

10番手から追い上げを強いられた渡辺は、先行する#8星野優位や町田をかわし徐々に挽回。最終的には5位でチェッカーを受けた。

総合成績では、富田と大城がポイントで並んだものの、ヒート2の成績が優先されることから大城が総合優勝、富田は総合2位。渡辺は能塚に続く総合4位を獲得している。

IA2

ヒート1:ジェイが安定の走りでマディレースを制す

レースは、前日に行われた予選と同様、最もアウト側にグリッドを選んだ#16ジェイ・ウィルソンが、予選を再現する鮮やかなホールショットでスタート。スポーツランドSUGOの懸命な作業により、コンディションはかなり回復していたが、それでも昨夜の雨の影響で状況はマディ。こうしたレースでは、スタートがさらに重要になることから、ジェイはスタートに集中していたのだ。

レースはスタートで飛び出したジェイが、序盤の内に2番手につける#10柳瀬大河(ホンダ)に5秒のギャップを築く。その後は、2番手が入れ替わり西條悠人(カワサキ)が浮上したが、その差は着実に拡大。IA1と同様、開発を担うEPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)の効果もあり、不安定なマディ走行をものともせずに周回を重ね独走で優勝。開幕から6連勝を達成した。

またヤマハ勢では、地元東北のライダーである#22佐々木麗が4位、#4鳥谷部晃太が5位を獲得した。

ヒート2:ジェイの勢いは止まらず、開幕から7連勝を達成

ホールショットを奪ったのは地元の#4鳥谷部晃太。そのままトップに立ってレースを引っ張ったが、3周目にミスがあり3番手に後退してしまう。これで眞野凌輔(スズキ)がトップに立ったが、ジェイはこれにピタリと続き4周目にかわしてトップに立つと、徐々に後方を突き放して独走体制を築いた。

一方、2位争いは3番手に後退していた鳥谷部がハイペースで挽回。眞野の背後に迫り7周目に2番手に浮上すると、これを突き放して単独で2番手を確保した。

レースはその後もジェイ、鳥谷部ともに安定したライディングを続けた結果、ジェイが開幕から負けなしの7連勝。鳥谷部は2位で今季初表彰台を獲得し、ヤマハYZがワンツーフィニッシュを達成した。

なお3位には柳瀬が入り、4位には関東大会での左手首骨折から復帰した#5中島漱也が入った。

総合成績では、ジェイが総合優勝、鳥谷部が総合3位、中島が総合5位とヤマハ勢が上位に入っている。

レディース:本田が今季初優勝

開幕から2戦、未だ表彰台のなかった#2本田七海が、復活を示すようなトップ争いを繰り広げて今季初優勝を獲得した。

コンディションの影響からショートカットコース、10分+1周というスプリントレースとなったレディース。本田はスタート直後こそ5番手にとどまるが、序盤の内に3番手に浮上し、2番手の小野彩葉(ホンダ)とトップの畑尾樹璃(ホンダ)を追撃。序盤は大きな動きはなかったが、中盤に入り2番手の小野が仕掛けてトップに立つと、その動きに合わせるかのように本田も動き、8周目に畑尾をかわして2番手に浮上した。さらにその勢いのまま、ラスト2周で小野にアタックを仕掛けトップに浮上した。

しかし、小野もすぐさま逆襲。ラストラップに入った直後に本田は逆転を許して2番手に後退する。そこから再度トップ奪還に向けてプッシュするが届かず2位でフィニッシュとなった。しかし、レース終了後、小野が黄旗区間でのジャンプにより、1順位降格となり本田が優勝。ここまで5位、8位と苦しんできたが復活の勝利を挙げた。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:優勝/3位/総合2位)

「ヒート1は好スタートができて、その後は自分のベストラインを走り続けました。終盤に、渡辺選手に迫られましたが、そこでは、自分のラインを走り続けることしかできませんでしたが、優勝できて良かったです。ヒート2はホールショットのみを考えていました。しかし実際は2番手で今大会はじめて追い上げのレースになったことから、抜きどころが明確にならず苦労しました。ラインも変えていたのですが、それが機能せず、大城選手のミスを待つような流れになりました。そうした中で能塚選手に追い上げられ疲労し最終的には3位でフィニッシュとなりました。悔しい結果ですがチャンピオン獲得を最優先で考えれば、十分です。名阪でも自分をしっかりコントロールし、チャンピオンに向け着実に前進します」

渡辺祐介選手談(IA1:2位/5位:総合4位)

「ヒート1は2位という結果ですが、今シーズンでは1番のレースができたと思っています。あと一歩のところまでいけたのですが、駆け引きの部分で富田選手が一枚上手でした。ヒート2はスタートで出遅れ、1周目に転倒してしまいました。実はレース序盤に攻めきれないところがあり、ジェイ選手に相談してトレーニングメニューを考えてもらい取り組んできたのですが、その改善はみられたものの、それが行き過ぎての転倒だと思います。追い上げに関しても、ラインが少ないことから思うようにいかず5位という結果に終わりました。また2ヵ月開きますが、もう勝つしかないので、悪いところを修正しパワーアップして名阪に臨みます」

ジェイ・ウィルソン選手談(IA2:優勝/優勝:総合優勝)

「ヒート1は素晴らしいスタートになりました。少しスタートのアプローチを変えた良かったのだと思います。ヒート2はゲートの位置をインに変更し、ホールショットは逃しましたが、まずまずの位置につけることができました。今回はコンディションもあり、スタートがいつも以上に重要となる中で、すべてのスタートをトップ5に入ることができたこと、そしてチームのサポートが今回の素晴らしい成績につながったのだと思います。特にヒート2はオーストラリアで一緒に過ごした鳥谷部選手と表彰台に立てたことがとても嬉しかったです。ここから約2ヵ月のサマーブレイクになりますが、名阪大会に向けてテストを行うなど、今後も好成績が収められるようにしっかり準備します。次回もとても楽しみです」

増田智義監督談

「富田選手は事前テストから好調で、ヒート1は完璧なスタートからリードしたのですが、バックマーカーが早い段階から出てきたこともあり、渡辺選手とのバトルになりましたが、逃げ切って優勝。ヒート2はコンディションの影響から、大城選手を攻めきれずに後方にも詰められ、疲労も重なり3位となりましたが、チャンピオンに向けてはプラスの結果なのでまったく問題はありません。渡辺選手は彼らしい走りが戻ってきました。しかしヒート2は転倒もありましたが、追い上げの走りを見る限りはまだケガの影響を感じさせる内容でした。ここから長いインターバルに入るので、体調が整ってくればさらにいい結果が出てくると思います。最後にジェイ選手は日本の生活にも慣れて、コンディションも整ってきたことで強さに磨きがかかってきました。マシンはスタンダードで苦労している部分もありますが、それをカバーする心技体があり、連勝を継続してくれました。同時にEPSなどの開発や、若手の良いお手本となっていることから、その役割を高いレベルでこなしてくれています。次回の名阪でも良い結果を報告できるように頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いします」

bLU cRU TEAM エム FACTORY by NCXX

鳥谷部晃太選手談(IA2:5位/2位:総合3位)

「今回の目標は、5連勝中のジェイ選手を止めることでした。ヒート2はホールショットからリードを奪ったまでは良かったのですが、ラインが定まらずミスして抜かれました。その後は走りに安定感がなく自滅してしまうと思い、ジェイ選手に前を走ってもらって、ラインを見る作戦に切り替えました。後半は攻めすぎず、引きすぎず、コンスタントな走りを心がけ、結果は2位でしたが目標には届かなかったので、悔しさはあります。一方で、ここまで表彰台がなかったのでホッとしているのも事実です。今回は地元のSUGOで、得意な雨。ジェイ選手に勝つための条件は整っていたので、チャンスを生かせず残念です。残りは4大会ありますが、オフロードヴィレッジの3ヒートは時間が短い分、ジェイ選手に勝てるチャンスはあるかと思うので、しっかりとチャレンジしたいと思います」

bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド

本田七海選手談(レディース:優勝)

「過去2戦は悔しいと思えるようなレースができていませんでした。そして今日は2位で、ライバルがペナルティを受けたことで優勝となり、納得の結果ではありませんが、2ヵ月間のインターバルでやってきたことが身を結んだことには良かったなと思います。レースでは、スタートで遅れながらも1・2コーナーで挽回、上位が逃げる中で、焦りはありましたが前だけに集中し、視野も広く走ることができました。バックマーカーも事前のコースチェックが生きてラインを変えながらかわすことができ、2番手に上がってからもまだいけるという気持ちを持ち続けて走りました。最後に逆転されたのは、自分の弱いところで、まだ成長が必要ですが、今回のレースで自信を取り戻すことができたので、次の地元名阪ではスッキリと勝ちたいと思います」

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