全日本モトクロス選手権 IA1

RACE DATA

■大会名称：2006全日本モトクロス選手権 第10戦SUGO大会
■カテゴリ：IA1クラス
■開催日：2006年10月22日（日）
■開催地：宮城県／スポーツランドSUGO
■天候：晴れ
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート

REPORT

成田が第1ヒートで3位表彰台
シリーズランキングでは2位を獲得

10月22日（日）、スポーツランドSUGO（宮城県）にて、2006年全日本モトクロス選手権・第10戦（第44回MFJGPモトクロス大会）が開催された。

第1ヒート、ホールショットは、福留善秀（ホンダ）、その後に熱田孝高（ホンダ）、大河原功次、中村友則（カワサキ）、溝口哲也（カワサキ）らが続く。ランキング2位の成田は、グリッドでエンストし最後尾からのスタートとなってしまう。

1周目にトップで戻ってきたのは熱田、2番手に福留。ヤマハライダーでは、大河原は3番手、出原忍が7番手と好位置からのスタートとなる。一方最後尾からスタートとなった成田は、3周目には15番手まで挽回するが、その周に他車の転倒に巻き込まれ再びポジションを落とす。しかし成田の追い上げはとまらず、14周目に3番手の高濱龍一郎（ホンダ）の背後に迫ると、15周目にこれをかわし、3位表彰台を獲得した。優勝は序盤で大きなリードを作り独走を続けた熱田が獲得。また同時にシリーズチャンピオンを獲得した。2位は福留。

大河原は、序盤から積極的なレースを展開、一時は3番手へと浮上する。しかしその後7番手まで順位を下げそのまま7位でフィニッシュとなった。釘村は序盤を8番手とし、レース中盤ではポジションを下げる場面もあったが、最後は8位でチェッカー。出原は6周目に3番手に浮上し、前回の中国大会・第2ヒートに続いて連続表彰台獲得となるかと思われたが、7周目に転倒し10位。小池田は後方からのスタートとなるも挽回して11位。小島太久摩はマシントラブルで28位となった。

第2ヒート、ホールショットは溝口。その後方から熱田、戸田蔵人（スズキ）、成田が続く。そのスタートで再びヤマハライダーに不運が襲う。出原が、第1コーナーで転倒。その後レースに復帰するもののリタイヤとなってしまう。また成田も1周目で転倒し第1ヒート同様、後方からの追い上げを強いられる。

ファーストラップを終えてトップは溝口。しかしその溝口が転倒して熱田がトップに浮上、2番手は福留となり、この二人が後方を引き離しながらレースを展開する。一方の3番手争いは戸田、大河原の一騎討ち。まず仕掛けたのは大河原。5周目に3番手に浮上し、そのまま戸田を従えて周回を重ねる。そして10周目、大河原は再び戸田の先行を許してしまうとラストラップまでプッシュを続けるが及ばず、3位戸田、4位大河原でレースを終えた。

トップの二人は中盤まで順位を入れ替えながらレースを進めるが、9周目に熱田がトップに立つとそのまま福留を引き離し優勝。福留は2位となった。

成田は転倒後、8周目に5番手まで挽回するが、その後はペースが上がらず、12周目、後方から追い上げてきた高濱にかわされ6位でレースを終えた。1周目を10番手とした小池田は、徐々に順位を上げ7位でフィニッシュ。小島は、序盤に5番手に上がることもあったが、その後は順位を落として9位。釘村は序盤に4番手まで順位を上げたものの後退し14位となった。

COMMENT

成田亮選手談（3位/6位）

「スタートでエンストしてしまい最後尾となった。その時、全力でいくことしか考えていなかったのは確かだが、自分でも驚くほどペースが良く、これが続けばトップまで辿りつけるとさえ思った。しかしその後、他車の転倒に巻き込まれて転倒。それでも3位まで挽回できたことには満足している。第2ヒートでは、好スタートをきることができ今度は良いレースができると思ったが転倒してしまい、再び追い上げとなってしまった。中盤まで順調だったが、5番手に上がって3・4番手を視界に捕らえると、気が緩んでしまったのか、ペースが上がらず6位となってしまった。今シーズンは、序盤の良い流れを北海道のけがで壊してしまった。東北大会でリカバーしたと思ったが、結果的には無理がたたって夏場に乗り込みができず、その後のレースに悪影響を与えてしまった。来年はしっかり走り込みをして、スピード、体力をつけ再びチャンピオンを狙っていきたいと思う」

小池田猛選手談（11位/7位）

「今シーズンは九州でけがをして以来、自分の走りをすることができなかった。特にスタート後の混戦で競り負けてしまうことが多く、この最終戦でも両ヒートともに序盤の混戦で前に出ることができなかった。ただ第2ヒートでは以前に比べると混戦から早めに順位を上げることができたし、後半は成田選手と高濱選手についてレースができるなど、ようやくレース感が戻ってきたと感じた。今シーズンは、ゼッケン1をつけてレースをしているのに、このような結果で本当に情けないし、期待してくださった多くのファンの方、チームスタッフに申し訳ないと思う。本当に悔いの多いシーズンとなってしまった。来年はけがをしてリズムを壊さないこと、そしてもう一度チャンピオンを目指していきたい」

釘村太一選手談（8位/14位）

「第1ヒートではスタートでミスして後方からの追い上げとなってしまったが、1コーナーでうまく前に出て、1周目で14番手あたりまで挽回することができた。しかし、中盤で一本よいラインを見つけていたのだが、さらに良いラインを求めて、ラインを変えてしまったのが裏目に出てペースを乱してしまった。しかし、後半再びペースを取り戻し、最後は8位。数字だけをみると良くないが、内容には満足している。第2ヒートは、序盤で4番手まで順位を上げることができたが、リアブレーキに土が噛んでしまい思うように使えなかったし、転倒もあって順位を落としてしまった。今季は一度も表彰台に立つことができず、最終戦こそはと気合いを入れていたが、今回も思い通りのレースができず非常に悔しいシーズンとなった」

小島太久摩選手談（28位/9位）

「最初のレースではスタートで転倒し後方からのレースとなってしまい、それを挽回しようとオーバーペースで後半は疲れてしまった。その後トラブルに見舞われ28位となった。一方の第2ヒートでは、スタートはミスしたが、序盤から中盤にかけては良い走りができたと思う。しかし、後半はギャップが多くなり思うようにレースを運べず、気持ち、体力の両面が崩れてしまい、順位を落としてしまった。今シーズンは開幕前のけがのため3戦しかレースをしていない。けがの状態は心配ないが、体力や筋力などレースをこなすだけの体に戻っていない状態であり、自分の豪快なライディングができず、もどかしいシーズンとなった。シーズンオフでは、できる限り乗り込みに時間を費やして、自分の走りを取り戻すこと、今年果たせなかったヒート優勝、そしてランキングアップを目指したいと思う」

大河原功次選手談（7位/4位）

「第1ヒートはまずまずのスタートで、上位でレースができたのだが、ギャップの多いラインに入って体力を消耗し、そして上位陣のスピードにもついていけず、順位を落としてしまった。第2ヒートではスタートが決まって、上位でレースを進めることができた。レース中盤は3番手を走行したが、戸田選手にかわされてしまった。その後は背後について、いくつか勝負のポイントを見つけていたのだが、戸田選手も良いラインを持っていてしかけることが出できず4位となった。しかし今シーズンのなかでは、ベストレースの一つだと思っている。しかし、結果の求められるこの世界で、一度も表彰台に立てなかったことに対し、自分のレースへの取り組みをもう一度見つめ直し、そこから上位のライダーについていける力をつけていかねばならないと痛感したシーズンとなった」

光安鉄美、ジュビロ・レーシング・チーム監督談

「今シーズンは成田選手の加入で2年連続の最高峰クラスチャンピオン獲得を目指して戦ってきた。しかし北海道大会での成田選手、そして九州大会での小池田選手のけが、小島選手が開幕から欠場など、万全の状態でレースに臨めなかった。それは昨年見られたチーム内での競争による、全体のレベルアップなどが思うように遂行できなかったと言える。来年はどのような体制での参戦となるか分からないが、我々は多くのファンの方に感動を与えられるレースをし、またレースを通じて得た経験をよりよい形で製品にフィードバックすることを目標にレース活動を続けていきたいと思う」