本文へ進みます

世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.03 8月3日 日本

RACE DATA

■開催日:2025年8月4日
■大会名称:世界耐久選手権 第3戦日本
■開催地:日本/鈴鹿サーキット(5.821km)

REPORT

70周年を彩ったホワイト&レッドのR1が217周を走破、YRTが2位表彰台を獲得

真夏の強い日差しが照りつける11時30分、2025鈴鹿8耐がスタートしました。#21 YAMAHA RACING TEAMは中須賀克行選手がスタートライダーを務めましたが、やや出遅れ、1周目は7番手でクリア。すぐさま追撃態勢に入ります。

徐々にペースを掴んだ中須賀選手は、23周目に#1 YOSHIMURA SERT MOTULのグレッグ・ブラック選手をパスし、4番手まで挽回。12時26分には第2ライダーのアンドレア・ロカテッリ選手にバトンを渡しました。
事前のプライベートテストでも、そしてレースウィークに入ってからも安定した速さを見せていたロカテッリ選手。2番手につけると、トップを行く#30 Honda HRCのヨハン・ザルコ選手と2分7秒台前半のハイレベルなタイム合戦を繰り広げます。13秒ほどあった差を一時は11秒まで詰めたものの、じわじわと差を付けられながら第3ライダーのジャック・ミラー選手と交代しました。

ミラー選手は#30 高橋巧選手とのトップ争いに。同じく2分7秒台のタイム争いを繰り広げて3位以下を大きく引き離していきます。しかし思うようにペースを上げることができず、徐々にトップとの差が広がりました。

動きがあったのは、ミラー選手2度目のスティントでした。16時10分にロカテッリ選手からYZF-R1を受け取ったミラー選手は、MotoGPライダーらしい力強いライディングで速いラップを刻みます。140周を過ぎたあたりから最大で45秒ほどまで広がっていた差を一気に20秒以上短縮し、21秒差にまで迫りました。

その後、中須賀選手が3スティント目を走り始めて約30分後の17時32分に、ヘアピンで転倒が発生。セーフティカーが入ったことにより、トップ#30高橋選手との差は約3秒にまで縮まりました。ロカテッリ選手とバトンタッチした時には約10秒差となっていましたが、このロカテッリ選手の3スティント目でもセーフティーカーが入ります。

セーフティカーのタイミングによりトップとの差は1分10秒程度に広がったものの、ロカテッリ選手は186周目にコースレコードとなる2分6秒729という好タイムを叩き出しながら猛追。最終ライダーとなったジャック選手とともに力走でつなぎましたが、トップには届かず、2位でチェッカーを受けました。

「タイム差以上の内容に差がありました」と吉川和多留監督。6年ぶりの参戦での2位表彰台獲得を喜びながらも、さらなるアップデートに向け、すでに先を見据えています。

YARTはリタイアもランキングトップをキープ

#7 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)は、世界耐久選手権(EWC)のランキングで18ポイントのリードを持って鈴鹿8耐を迎えました。

チームリーダーのマービン・フリッツ選手が、YARTのファーストライダーとして6番グリッドからスタート。伝統的なル・マン式スタートで、ポジションが大きくシャッフルされる中、経験豊富なフリッツ選手は粘り強く走り続け、緊迫したオープニングラップを終えて6番手につけました。

その後、YAMAHA RACING TEAMのすぐ後ろを走っていたフリッツ選手は、コースアウトにより2つポジションを落としたもののYZF-R1をカレル・ハニカ選手に託し、上位陣がピットストップを終えるとYARTは7番手となりました。
2番手を担ったハニカ選手は安定したペースで4番手まで順位を上げ、1時間50分を経過しジェイソン・オハロラン選手にマシンを託す頃には、ハニカ選手のパフォーマンスにより3番手との差は大幅に縮まっていました。

オハロラン選手は一時3番手に浮上したものの、その後、追い上げてきたライバルにポジションを奪われてしまいます。これに追随しようとプッシュしていたところでオハロラン選手はアクシデントに見舞われ、レース開始から2時間11分でクラッシュ。すぐにピットに戻り、クルーの迅速な修復作業により29番手でコースに復帰したオハロラン選手は猛追。その後、フリッツ選手が30番手から追い上げを見せて、2回目のスティントを終える頃には、22番手まで順位を上げ、ハニカ選手がコースに復帰しました。

ハニカ選手も挽回して15番手まで順位を上げたものの、4時間14分に転倒し、YARTの挑戦はここで幕をおろすこととなりました。この転倒でハニカ選手は右のかかとを強打しており、コースと地元の病院でメディカルチェックを受けた結果、骨折は確認されませんでした。

これによりYARTはノーポイントという悔しい結果に終わりましたが、ランキングでは1ポイントリードでシーズン最終戦となる9月のボルドール24時間レースに出場。3度目のチャンピオン獲得を目指します。

IRFは序盤で転倒から再スタートし156周を走破も完走ならず

#15 IWATA RACING FAMILY(IRF)の鈴鹿8耐は困難からスタートしました。初出場の服部亮我選手が水曜日の事前テストで転倒、メディカルチェックで出場は可能となったものの手を負傷しており万全ではない状態。ウィーク初日のフリープラクティスでは遠藤晃慶選手が転倒してマシンを損傷するなど、次々と困難に見舞われたIRFでしたが、R1を知り尽くす強力なメンバーによる完全サポートによって無事決勝を迎えることができました。

一難去ってまた一難。30度を超える気温と65度の路面温度となった決勝では、ファーストライダーを務めた高居京平選手が、その未知のコンディションの中、逆バンクで転倒を喫してマシンは大破してしまいます。ここでもメンバーの迅速な修復により1時間強で復帰し、遠藤選手、服部選手とYZF-R1をつないでいきます。

その後、不具合によるピットインがあったり、難しいコンデイションの中での走行で、それぞれが想定していたアベレージに届かなかない状況もありましたが、156周を走破して8時間後のチェッカーを受けたものの完走扱いにはなりませんでした。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

YAMAHA RACING TEAM:2位(217周/8:01.00.823)

中須賀克行選手

「2位という成績は、ライダーもチームスタッフも、各々の役目を理解しながら、全員がベストを出し尽くし、ポテンシャルを発揮しての結果です。やれるだけやってライバルに届かなかった、という事実をしっかり受け入れなければならないと思っています。とは言え、6年ぶりの参戦でここまでやれたのはポジティブなことですし、ライバルとの差や自分たちの強み、改善しなければならない点もはっきりしました。そういう意味でも、価値ある1戦だったのではないかと思います。チームメイトのふたりには感謝しています。短期間で、なおかつ事前テストも1回しかできなかった中で、素晴らしいレベルまで引き上げてくれました。今回はふたりに表彰台まで連れてきてもらった感じがありますし、自分がもう少しペースを作れればまた違う結果になったかな、という悔しさもありますが、これもまた、間違いなく次につながるいい経験になりました。2週間後には、もてぎで全日本ロードが行われます。暑い中での戦いを経て、ポジティブな面も課題も見つかっています。全日本でもしっかりと自分の力を出し切れるよう、準備して臨みます」

ジャック・ミラー選手

「もちろん勝ちたかったけど、ライバルも強かったね。だけど、2位もナイスだ。僕にとっても中須賀さんにとってもロカテッリにとっても、すごくいい日になったよ。めちゃくちゃ暑くて難しいコンディションだったけど、僕たちはほとんどミスなくレースをマネージメントできた。それでもライバルに届かなかったんだから、もっと強くならなくちゃいけないし、もっと速さも必要だ。それらを手に入れて鈴鹿8耐に戻ってきて、勝たないとね。鈴鹿8耐の参戦は2度目で、表彰台に立つことができた。素晴らしい眺めだったよ! 何度も経験している中須賀さんに聞いてはいたけど、本当に美しかった。......だけど、僕が欲しいのはもっとデカいヤツ......優勝のトロフィーだ。アレは、すごくうらやましかったよ(笑)。ヤマハの一員として鈴鹿8耐に参戦できたのは、本当に素晴らしい経験になった。常に進化を求め続けるヤマハのフィロソフィーを感じることができたんだ。今日は設楽社長も来てくれて、光栄だった。スタッフの仕事ぶりも見事だったし、ファンも温かく迎えてくれた。次もぜひヤマハ・ライダーとして鈴鹿8耐に参戦して、あのデカいトロフィーを手にしたいね」

アンドレア・ロカテッリ選手

「とにかく暑くて大変なウィークだったけど、僕もジャックも中須賀さんも、全員がベストを尽くしたよ。ヤマハ・ファミリーの一員として鈴鹿8耐の表彰台に立てたことを、心から誇りに思う。たくさんのスタッフのサポートに感謝している。2位になれたし、コースレコードも更新できた。少なくとも向こう1年間は僕の名前が残るんだから、素晴らしいことだよね(笑)。TOP10トライアルでももう少しで記録を残せたのに、惜しかったなあ。鈴鹿8耐はすべてが最高だったよ! 日本で過ごしたこのレースウィークは最高だった。コースは素晴らしいし、日本のファンの皆さんが作り出す雰囲気は最高だったね。日本でのレースは、モビリティリゾートもてぎでの日本GPの経験があるけど、鈴鹿8耐はスペシャルだ。暗くなってから観客席にたくさんの青い光を見た時は、何とも説明できない気持ちになった。本当に、うまく言葉にできないんだよ(笑)。人生のベストメモリーになったことは間違いないんだけど、表現できないほど感動しているんだと思う。何日か経って、写真をたくさん眺めたりすれば自分に何が起きたのか理解できるだろうけど、今は説明できないんだ。今回の経験は、スーパーバイク世界選手権にも確実に生きるよ。僕は、人生は学びの連続だと思っている。どんなことからも何かを学び取って、レースに生かす。それが僕のやり方なんだ。僕たちはプロフェッショナルライダーで、いろんなことを経験できる立場にある。鈴鹿8耐もそのひとつ。この経験を確実に生かして、さらにステップアップするつもりだ。これは、あらゆる状況に打ち克って勝つために必要なことだからね。......だから、また鈴鹿8耐に参戦したいんだ。勝って、ステップアップした自分を証明するためにね!

吉川和多留監督

「喜び半分、悔しさ半分というのが正直なところですね。ライダーもチームスタッフも、今、自分たちができるベストを尽くしたことは間違いありません。そこは全員に関して誇りに思いますし、本当にいいレースをしてくれたと思っています。ライダーについては、MotoGP、スーパーバイク世界選手権、そして全日本ロードレースでトップを張る才能の持ち主を集めたので、当初はどうなることかと思いました。しかし事前テストが1回だけだったにもかかわらず、それぞれがしっかりと役割を認識して、素晴らしいチームになったと思います。やっぱりワールドクラスのライダーは凄い! ライディングのレベルは言うまでもありませんが、何よりもみんな勝つために一生懸命なんですよ。勝利に対してとことん貪欲で、細かいことまで見逃さず、いろんなアイデアを提案してくれる。今回、ライダーたちに助けられた面はかなりあったと思います。また、チームスタッフもいい仕事をしてくれました。ピットワークはもちろん、マシン作りやさまざまなサポートを含め、6年間のブランクを感じさせないレベルでした。ただ、ライバルとの間に結果以上の差を感じたのも確かです。"あの強力なライバルに対して本気で勝ちに行くなら、今からでも次に向けての準備をしてもっとレベルアップしなければ"という気持ちです」

小野哲(MS統括部 MS戦略部長)

「今回の鈴鹿8耐はMS戦略部だけではなく、創立70周年ということもあり、さまざまな部門と協力し新入社員を含めた650人の従業員が応援に駆けつけました。まさに当社が一致団結して戦った鈴鹿8耐であり、当社のレースに向けた情熱を十分に感じていただけたと思います。
ライダーは日本の中須賀選手をはじめ、MotoGPのミラー選手、スーパーバイクのロカテッリ選手というオールスターで挑みました。TOP10トライアルではいろんなドラマがあり、決勝ではライバルと真正面からぶつかり合い、互いにミスなくエキサイティングな戦いができました。勝ち切れなかったのは残念ですが、力を出し切ったので、ファンの皆さんには楽しんでいただけたと思います。
そしてライダーたちは、今後も続いていくシーズンの中で鈴鹿8耐の経験が糧にさらに上を目指してくれることと思いますし、我々もこの悔しさをバネにモチベーションを高く持ってファンの皆さんに感動を届けていきたいと思います。最後に多くのご声援、ありがとうございました。心よし感謝いたします」

福島造(レース車両開発プロジェクトリーダー)

「今年のR1は2019年の鈴鹿8耐と比較し、予選タイムを見ていただければわかる通り、ロカテッリ選手が4秒台前半と明らかな進化をみせてくれました。それを踏まえて今回の結果は、自分たちが想定していたレースに対してミスなく運営できたのは確かです。一方で、6年ぶりに出場した耐久レースの戦い方、耐久仕様のバイクとしてのラップタイム、燃費などの作り込みについては課題が見えました。
レースは継続し、さまざまなものを蓄積しながらバイクだけでなく我々自体も進化していくものなので、今後もやっていくということであれば、全日本も含めた準備段階からの経験を活かしもう一つ上の成績を目指して準備していきたいと思います。
2位という結果については、上が見えているだけに残念ですが、自分たちが全力を出し切ったという部分では悔いはありません。たくさんの応援、ありがとうございました」

YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team:DNF(111周)

マービン・フリッツ選手

「スタートもスティントも良かった中、ポイント獲得が目的だったので、良いリズムでプッシュしてミスしたりしないように気をつけていたんだ。EWCのライバルとのギャップを広げることができ、中須賀選手とは2〜3秒差で順調で表彰台も狙える位置でした。でも、転倒がなければ最終的には7〜9位で挽回できたと思うし、ランキングにとっても良かったと思う。ただ残念ながら、テクニカルトラブルでカレル選手がクラッシュしかかとを痛めてしまったんだ。でも、それが現実。私たちはすでにボルドールのことを考えているし、チャンピオンを目指して戦うだけだ」

カレル・ハニカ選手

「もちろん残念な結果。表彰台を争うためにここに来たし、最初の2スティントでそれを証明できた。しかし残念ながら、ジェイソンは最終シケインでフロントを失って転倒。あのコーナーは本当にトリッキーなので、こういうことはよくあること。少し遅れていたが、このレースは長いので、ポイント獲得に向けて全力で戦っていたし、実際に15ポジション挽回できたので、10ポイント以上は確実に獲得できたはずだった。これはランキングにとって非常に重要なポイントだったはず。最後となったスティントはパフォーマンスにも満足していたんだ。でも残り2、3周のところでテクニカルトラブルによってクラッシュしてしまった。本当に残念だけど、レースではこういうこともある。6大会連続で表彰台を獲得できたので、文句を言うことはないし、今はボルドールで新たなスタートを切る必要がある。もっと強くなって最終ラップまでチャンピオンシップを争うよ」

ジェイソン・オハロラン選手

「レースを完走できなかったのは本当に残念。最初のスティントは順調だったけど、最後のシケインでクラッシュしてしまった。前にバイクが何台かいて、少しペースが落ちてフロントタイヤに荷重が少しかかりすぎたのかもしれない。フロントのグリップを失ってしまったんだ。ラップタイムはかなり速く、フィーリングも良かっただけに残念。これでピットインしなければならないトラブルが発生したんだ。そして今度はカレルが2回目の走行終盤にテクニカルトラブルでクラッシュに見舞われた。レースには運と不運があるもので、それを機にすることなく次のレースへと進むしかないんだ。まだ24時間レースが残っているので、どうなるかはまだわからないね」

マンディ・カインツ監督

「鈴鹿8耐をこのような形で終えるのは非常に残念だね。週末を通じて、ライダーとチームは素晴らしいパフォーマンスを発揮し、このレースに力強いペースで臨むことができていた。最初の転倒で貴重な時間を失ったが、マービンとカレルがしっかりと挽回してくれたけど、その後、カレルも別の技術的な問題でクラッシュしてしまった。この問題は修復できなかった。カレルは右の踵を強く打ち付け、激しい痛みがあった。チームとしては彼の早期回復を願っている。鈴鹿は常に難しいコース。当然ながら、今日のレースがこのような展開になることは予想していなかった。9月のボルドールでタイトル争いを続けるため、来年、日本のファンたちの前で強さを発揮するため、もっと力をつけたいと思う」

IWATA RACNG FAMIRY:DNQ(156周)

高居京平選手

スタート時点での路面温度が65度と、未経験の路面温度と気温の高さから、集中力を維持するのが難しく、ちょっとした瞬間に逆バンクで転倒。身体は大丈夫だったのですが、マシンをだいぶ派手に壊してしまいました。8時間を走り切るためにみんなで準備してきたのに、私の転倒一つで台無しにしてしまい、ものすごく反省しています。転倒したあとも、メカニックやチームのみんなが懸命に車両を修復してくれ、すぐに車両をコースに戻すことができました。せめて完走しようと気持ちを切り替えたのですが、そのあと車両トラブルがあり、再び復旧に時間を取られ、チェッカー受けることができたものの、結局完走扱いになりませんでした。
今回、比較的若い、8耐経験の少ないメンバーを中心にチーム構成し、組織としての運営に注力したこともあって、チーム力がすごく高まっています。あとは、ライダーの技量・準備次第といったところでしょうか。色々改善すべきところが見えた、学びの多い8耐参戦でした。

遠藤晃慶選手

ウイーク通して、水曜のテスト走行時に服部選手、金曜予選朝のフリー走行で僕、そして決勝では高居選手と、みんな仲良く転倒してしまい、色々あった8耐でした。メカニックのみんなにものすごく負担をかけてしまったので、本当に申し訳ないと思いながらも、安心して走れる車両を仕立ててくれたので、規定周回数に届きませんでしたが、一応、決勝をチェッカーを受けるまで走り切ることはできたので、最低限のことはクリアできたのではないでしょうか。
今年のチームは、僕が経験した中で一番良い雰囲気で、車両の修復にもそのチーム力が存分に活かされていると思います。ライダー3人に取っては、悔いの残るレースだったので、3人とも来年リベンジするんじゃないかな。
時間のあるときにヤマハファンブースに行きましたが、自分が担当したTRACER9 GT+Y-AMTやYZF-R9にたくさんのお客さまがまたがってくれている姿を目にして、とても嬉しかった。改めてレースでの経験を日頃の仕事にもフィードバックし、市販車開発にも力を入れてがんばっていきたいと思いました。

服部亮我選手

ライダーとして初めての8耐久、普段通りに走ることができないくらい、世界選手権という舞台に圧倒されました。雰囲気に飲まれてしまいました。学びの多い8耐でした。水曜のテスト走行時に負傷してしまい、怪我の痛みが気になって自分の走りができず、また目標としていたアベレージタイムに届かずに悔いが残りました。ただ、もし万全の体制で臨んだとしても、かなり厳しかったと感じています。ここまでの暑さ厳しいコンディションでレースすることはありませんので、8耐という舞台の過酷さを知ることができました。
今回、新入社員と社員と合計600人くらいが観戦に来ていたのですが、同じ社員である私たちが走る姿を見て、知ってもらえたことは、とても嬉しいですね。今回の悔しさは、来年、晴らしたいと思います。

宇田久人監督

レースウイークを通してタイヤや路面温度を気にして進めてきましたが、本番の温度にあわせ切れず、また厳しい暑さがライダーの集中力に影響して、転倒というトラブルにつながってしまいました。メカニックは事前準備から色々と車両を見てくれていましたし、残念ながらウイーク中も何度か修復していたので、あってはならないですが、本番に向けても転倒などのトラブルをある程度想定して準備を進めていました。そのおかげで、1スティント目に転倒した際、損傷の割には、早くに修復してレースに戻ることができました。チームのメンバーには、本当に感謝です。
転倒があっても前向きにしっかり修復し、ライダーをコースに送り直して完走目指そう、がんばっていこうというスタンスで、チームの雰囲気はめちゃくちゃいいんです。ただ今回、ライダー主導で準備を進めてきたこともあって、彼らへの負担がかなり大きくなってしまいました。チームの個人個人がもっと積極的にボトムアップし、それぞれの役割のレベルをもう一段階アップすれば、ライダーへの負担も軽減できると思っています。具体的な目標はまだわかりませんが、少なくとも今年掲げた目標を達成できていないので、来年もチーム一丸となって目標達成目指してがんばりたいですね。

ページ
先頭へ