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世界耐久選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど世界耐久選手権に関する情報をお届けします。

Rd.04 6月24日 スロバキア

RACE DATA

■開催日:2017年6月24日
■大会名称:世界耐久選手権スロバキア8時間耐久レース
■開催地:スロバキア/スロバキアリンク

REPORT

GMT94が3連勝でランキングトップに1ポイント差、YARTは4位、決戦は鈴鹿8耐へ!

2016/2017FIM Endurance World Championshipの第4戦スロバキア大会。GMT94 Yamaha Official EWC TeamのD・チェカ、N・カネパ、M・ディ・メリオが、第2戦から3戦連続での優勝を成し遂げた。GMT94はYART Yamaha Official EWC Teamとバトルを展開していたが、残り2時間となったところで、YARTがトラブルにて後退。これでGMT94は1ラップのアドバンテージを築いて優勝し、YARTは4位まで挽回してチェッカーを受けた。Yamaha Viltais Experience Teamは総合6位、スーパーストック・クラスで2位を獲得して2017 Superstock World Cupを手中にした。金曜日に行われた予選ではYARTのB・パークス、野左根航汰、M・フリッツがポールポジションを獲得。一方のGMT94が2位で続いた。

GMT94のカネパはスタートで出遅れて11番手へ後退。そのあと少しずつ順位を挽回し、3番手へ上がってから最初のピットストップを行った。第2ライダーのD・チェカと交代した時点で前を行くYARTとの差は25秒。このあとセーフティー・カーが入る間に一気に差が縮まり、レースはスタートから行われるような状態となる。そしてセーフティー・カーがコースを出るやチェカが仕掛けてトップに浮上し、YARTの野左根と何度も順位を入れ替えながらトップ争いを展開。両チームは次の2時間も同じ状況を続け、互いに競り合いながら優勝を目指した。
その後もピットストップのたびにトップが入れ替わる激しい展開。ライダー全員がハイペースをキープして力が拮抗し、どちらも逃げ切ることができない。ところが残り2時間強となったところで、GMT94に約19秒差をつけてトップを走っていたYARTにトラブルが発生。マシン修復のためピットに戻る間にカネパがトップに立つと、アドバンテージが約1ラップまで広がった。カネパからバトンを受け取ったチェカは、トップをキープしたまま自分の持ち時間を終えてディ・メリオに交代。さらにもう一度、カネパにつないで8時間を走り切り、3戦連続となる優勝を達成した。この結果、GMT94はシリーズポイントを合計131に伸ばしてランキング2位。ランキングトップにわずか1ポイント差まで迫っており、最終戦、鈴鹿8耐での逆転チャンピオンを狙う。

一方、YARTはスタートライダーを務めたB・パークスが好スタートを切って2番手。トップのFCC TSR HondaのJ・フックを追ってゆく。そして約30分後にこれをパスしてトップに浮上するも、フックも簡単にはあきらめない。そのまましばらくバトルを展開したあと、パークスが3.8秒リードして第2ライダーの野左根に交代した。しかしそのアドバンテージはセーフティー・カーによってなくなり、レースが進むうちにGMT94がトップに立つこととなった。野左根はその後、再びトップを奪還し、8.5秒のリードを築いてM・フリッツにバトンタッチ。しかしフリッツも逃げ切ることはできず、2台の激しいバトルになかなか決着がつかなかった。
ハード・プッシュを続けたフリッツは、ミスをおかしてコースアウトし、GMT94が再びトップに立ったが、フリッツもすぐに立て直して追跡。その後、何度かライダー交代を繰り返すなかで3時間目にはパークスがトップを奪い、その勢いにのってアドバンテージを拡大する。そして約19秒のリードを築いたところで、トラブルが発生し緊急ピットイン。素早いチェックのあとコースに復帰したが、完全に問題は解決されておらず、再びピットに戻って修復を余儀なくされた。これでYARTはトップ争いから脱落し、2009年以来の優勝のチャンスを失ってしまった。それでもレースに復帰すると、パークス、フリッツ、野左根は全力で完走を目指した。そして4位でチェカ―を受け、シリーズポイントを105ポイントに伸ばしてランキング4位につけた。ランキングトップとの差は27ポイントではあるが、GMT94とともに鈴鹿8耐での逆転によるタイトル獲得を目指す。

Yamaha Viltais Experience Teamは総合6位と同時にスーパーストック・クラス2位と健闘。同クラスの最終戦で1ポイントをリードし、2017 Superstock World Cupのタイトル獲得が決定した。

GMT94 Yamaha Official EWC TeamとYART Yamaha Official EWC Teamは7月27日~30日、2016/2017FIM Endurance World Championshipの最終戦となる鈴鹿8耐にタイトルを賭けて臨む。

RESULT

TEAM RANKING

COMMENT

GMT94 Yamaha Official EWC Team(優勝)
D・チェカ選手談

「すばらしいレースでした。僕自身はYARTから遅れているときも常に自信を失わず、必ず勝てると信じて走り続けましたし、チームもチームメイトたちも決してあきらめることなく戦い続けたレースでした。最終目標はもちろんタイトルを獲得することですが、この優勝もまた格別。だから今日も優勝することができて本当にハッピーです」

N・カネパ選手談

「全員ですべてを賭けて戦ったレース。まさにファンタスティック! 今回もタフなレースだったけれど、最初から最後まで完璧にワークしたダンロップタイヤ、そしてチームおかげでこのようなすばらしい結果を得ることができた。これで最終戦の鈴鹿8耐ではタイトル獲得の挑戦権を得ることができました。まさに最高の気分です」

M・ディ・メリオ選手談

「YARTとの戦いはとても厳しい接近戦でした。それを制して3連勝を成し遂げることができてとてもうれしいです。これ以上の喜びはありません」

C・グィオ、チーム・マネジャー談

「タイトル争いに復活できたことをとてもうれしく思っています。しかもSERTにわずか1ポイント差なので、次回の鈴鹿8耐で先にゴールしたほうがチャンピオンに輝くことになるので、強い決意を持ち、鈴鹿8耐に向け準備を整えていきます。今回のスロバキア大会は非常にタフな戦いでした。気温が高かったのでライダーもタイヤもマシンもかなり消耗したのです。にもかかわらず、我々は常にハイペースをキープすることができました。ドイツのオシャースレーベンでの優勝を機に、タイトル争いに加わることができました。しかし、レースでの勝利よりもタイトルを獲得することのほうが難しいのです。だから、今日はYARTではなく、後方から迫ってくるライバルに目を配る必要がありました。優勝争いから脱落することなく最後まで戦い続けることも重要で、今日はその両方ができたわけです。YARTとは激しいバトルを繰り広げましたが、速さを目指すとともにタイトル獲得を考えなければならないなかで、我がチームのライダーは常に速く、ミスをおかさず、すばらしい仕事をしてくれました。チームのみんなを誇りに思います」

YART Yamaha Official EWC Team(4位)
B・パークス選手談

「ウイークを通して好調をキープしていながら、このような結果になったことは非常に残念だし、ペースではGMT94に勝っていただけに本当に悔しいです。とても暑いなかで3人ともハイペースを維持し、ブリヂストンタイヤも完璧で、今回はGMT94と互角に戦える状況でした。レースではときに、このようなことが起こるものですが、できることなら今後は僕らに運が向いてくることを期待します。最終戦・鈴鹿8耐の目標は優勝。全力で臨みます」

野左根航汰選手談

「僕らの本来の実力は、こんなものではありません。トラブルの瞬間までGMT94と優勝争いを展開し、チーム全員が強さを発揮していました。僕もチェカ選手とトップを競うことができていただけに残念な結果ですが、これからも前を向き、最後まで望みを捨てず、次の鈴鹿8耐では全力で優勝を目指します」

M・フリッツ選手談

「3人とも強さと速さをキープしいいレースができたと思います。とてもがんばってくれたブロックと航汰に引きかえ、僕は2回、小さなミスをしてました。それでもGMT94に追いつくことができたし、2回目も順調で、ディ・メリオに対し約20秒のギャップを作れたのですが、その後、マシンにトラブルが発生し、このような結果になってしまいました... 僕はすばらしいチームに恵まれているので、次こそ最高の結果を得られるように全力を尽くします」

M・カインズ、チーム・マネジャー談

「3人は非常に優れており、我々は最も優勝に近いチームだと考えていましたが、チームとライダーの努力を結果に結びつけることができませんでした。その原因がレースのなかでは何度か発生したアンラッキーな出来事です。一つはセーフティーカーは入ったこと。二つ目がマービンの小さなミス、そして最後にマシンに不具合です。それまでずっとGMT94とすばらしいバトルを展開しており、ペースでは我々のほうが若干勝っていたし、ブリヂストンタイヤも暑さのなかで順調だったので、優勝を確信していたのですが、結果はそのよう結果にはならなりませんでした。レースはときに非常に厳しいものですが、そのなかからも多くの成果を得ることができたと思います。最終戦ではチャンピオンシップが大事なのですが、切り替えて優勝だけに集中し臨みます

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