AMAスーパークロス
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Rd.16 5月3日 デンバー
RACE DATA
2025 AMAスーパークロス 第16戦デンバー
開催日:2025年5月3日(土)
開催地:コロラド州デンバー
会場:エンパワー・フィールド・アット・マイルハイ
REPORT
コロラド州デンバーで開催されたAMAスーパークロス選手権第16戦で、Monster Energy Yamaha Star Racing のクーパー・ウエブとジャスティン・クーパーが再び力強いパフォーマンスを見せて2戦連続となるダブル表彰台を獲得した。ウエブは2位に入り、残り1戦となった450SXでライバルとの差を9ポイントとした。ランキング4位につけているクーパーは3位でフィニッシュし、ランキング3位との差を短縮した。クリスチャン・クレイグは、450SXメインイベントで今季最高の11位として進歩を示した。
250SX Westの第9戦は、Monster Energy Yamaha Star Racingのヘイデン・ディーガンが劇的な勝利を収め、シリーズチャンピオンを獲得した。19歳のディーガンにとってこの記念すべき勝利は、3年間で4度目のプロタイトルであるとともに、自身初となる250SXでのチャンピオンとなった。コール・デイビスは3連勝に向けて順調に走行していたが、レース終盤に猛追するチームメイトと接触があり5位。マイケル・モジマンも表彰台を争ったが、レース終盤のクラッシュにより7位でレースを終えた。
450SX
ウエブが2位表彰台、チャンピオン決定は最終戦へ
標高が高く、ドライでハードパック路面のエンパワー・フィールド・アット・マイルハイでは、参加したライダーたちはチャレンジングなコンディションに直面した。ウエブは堅実な走り出しを見せ、予選を3位で終えると、続いて参加したヒートレース(ヒート2)では2位。メインイベントでも再び力強いスタートを見せてトップに立つが、数ラップ後、タイトルを争うC・セクストン(KTM)にパスされてしまう。体調不良のウエブは、テクニカルコースで流れをつかむのに苦労するが力を振り絞り、レース終盤のプレッシャーをはねのけて2位でフィニッシュした。今シーズン13度目の表彰台に立ったウエブは、3度目のプレミアクラスでのチャンピオン獲得を目指し最終戦に挑む。
クーパーはデンバーでも勢いを維持した。予選で5位に入ると、参加したヒートレース(ヒート2)ではホールショットを奪い、タイトルを争う2選手に続く3位でフィニッシュ。メインイベントでは思うようなスタートができなかったクーパーだが、オープニングラップで9番手まで順位を上げる。集中したライディングを続け、追い抜きが難しいコースながら、レース終盤にはトップ3圏内に食い込んできた。チームメイトが前を、そしてライバルがすぐ後ろを走る中、最後まで激しい戦いとなったが、クーパーは力強いライディングで3位に入り、2戦連続、そしてプレミアクラスで通算4度目の表彰台獲得を果たした。シーズン最終戦を前にランキング4位のクーパー。今シーズン残りのレースを欠場することになった3位のライダーとの差は10ポイントで、ランキング3位が視野に入っている。
着実に進歩し続けるクレイグは、予選を11位で終えると、参加したヒートレース(ヒート2)では第1ターンのマルチクラッシュに巻き込まれたものの、集中したライディングで集団の中を猛チャージし、6位でフィニッシュした。メインイベントでは、オープニングラップを10番手で終えると、その後もトップ10圏内を維持。だがその後、滑りやすいコンディションによりミスをしてコースアウト。12番手に後退するが、プッシュを続けたクレイグは11位でフィニッシュラインした。
Monster Energy Yamaha Star Racing 450チームはこの後、ユタ州ソルトレイクシティに向かい、5月10日にライス・エクルズ・スタジアムで開催されるAMAスーパークロス最終戦およびスーパーモトクロス世界選手権第17戦に臨む。
250SX West
ディーガンが250SXで自身初のチャンピオンを獲得
最初のプラクティスセッションで最速タイムを記録し、予選を2位で終えたディーガンは、この夜最初のレースで存在感を示した。全ラップをリードして、2位に4秒近い差をつけて今シーズン5度目のヒートレース(ヒート1)優勝を果たしたのだ。続くメインイベントで、ディーガンは3番手でスタートすると、レースの折り返し点を過ぎるまでにモジマンをパスして2番手に上がる。レース終了まで残り時間が少なくなる中、トップを行くデイビスとの差を縮め、残り2周となったところでトップに踊り出た。そのまま勝利のチェッカーフラッグを受けたディーガンは、3年間で4度目のプロタイトル、そして優勝3回、表彰台8回の成績で250SXでは初のタイトルを獲得した。
ルーキーシーズンに目を見張る活躍を続けるデイビスは、予選を5位で終えると、続いて参加したヒートレース(ヒート2)ではホールショットを奪い、全ラップをリードしてシーズン3度目のヒートレース優勝を果たした。このレースではYZ250Fがトップ4を独占し、デイビスはメインイベントのナンバーワンゲートピックを獲得した。そしてメインイベントでもホールショットを奪ったデイビスは、レースの大半をリードする。残り時間が少なくなる中、周回遅れのライダーの影響で後続との差が縮まり、レース終了まで残り2周となったところで、猛追してきたチームメイト、ディーガンと接触してしまう。デイビスはすぐに再走を果たしたが5位でフィニッシュし、ランキング2位を守った。
デンバーではモジマンも強さを発揮した。予選を9位で終えると、参加したヒートレース(ヒート2)では素晴らしいスタートを見せ、チームメイトのデイビスを射程圏内に収めながら、1秒差以内の2位でフィニッシュした。メインイベントでモジマンはMonster Energy Yamaha Star Racingがトップ3を独占する中、再び2番手につけて力走する。レースが折り返しを迎える前にディーガンの先行を許し、さらに周回遅れの影響を受けてタイムをロスし、それまで築いてきた4番手とのギャップを失ってしまう。レース終了まで残り約5周となったところで、他のライダーと接触しての転倒があったが、モジマンはレースに復帰して7位でフィニッシュした。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、ユタ州ソルトレイクシティに向かい、5月10日にライス・エクルズ・スタジアムで開催されるAMAスーパークロス最終戦およびスーパーモトクロス世界選手権第17戦で再び250SX East-West Showdown (東西対抗戦)に参加する。
RESULT
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
450SX
Monster Energy Yamaha Star Racing
クーパー・ウエブ選手(2位)
「デンバーでの一日は本当にタフで、体調が優れず、コースにも苦戦しました。一日を通して流れをつかむことができませんでしたが、メインイべントは本当に良い位置につけることができました。マルコム(スチュワート)をすぐにパスして数ラップに渡ってレースをリードすることができました。チェイス(セクストン)に抜かれて、2位を目指しました。それが今夜の目標でした。集中したライディングでベストを尽くしました。体調が悪いと、勝利を目指すのが難しい時もありますが、マルコムと素晴らしいバトルをしましたし、終盤力強く追い上げてきたジャスティンを抑えきりました。決して楽な2位ではありませんでした。厳しい戦いでした。これから休養を取って回復に努め、来週末の最終戦での勝利を目指します」
ジャスティン・クーパー選手(3位)
「良い夜でしたけど、メインイベントのスタートにはがっかりでした。トップ10圏外、かなり後方からのスタートだったので、自分自身に厳しいレースを課してしまうことになりました。標高の高さもあって体力的にも厳しいコースで、しかもこのコースは追い抜きが難しいのです。非常にドライでテクニカルなコースで、ラインが刻々と変化していきました。辛抱強く耐え、そして攻め、さらに良い流れに乗る必要がありました。僕にとっては良いレースでした。この勢いをソルトレイクシティに持ち込んで、もう一度表彰台に上がること、さらに優勝争いに加わることを目指します」
クリスチャン・クレイグ選手(11位)
「デンバーでは良い一日を過ごしました。一日を通して速さはありましたし、メインのほとんどでトップ10圏内でバトルができました。レース終盤に何度かミスをして遅れましたけど、正しい方向への一歩を踏み出せたと思っています。ソルトレイクが楽しみです」
250SX West
Monster Energy Star Yamaha Racing 250 Team
へイデン・ディーガン選手談(優勝)
「完璧な夜でした。ヒートレースとメインイベントで勝つことができました。メインイベントで勝つためには、戦わなければなりませんでした。残り2周は勝利のために全力を尽くしました。結果として最終戦を残してチャンピオンを獲得できたのです。信じられません。12歳の頃から思い描いてきたことをついに実現できて、興奮しています」
コール・デイビス選手談(5位)
「今日は本当に勝ちたかったし、ディーガン選手と接触してしまったのは本当に残念です。ソルトレイクでは、自分の強さを証明するつもりです」
マイケル・モジマン選手談(7位)
「この週末には多くのポジティブな点がありました。ここ数週間に渡って、チームと僕が成し遂げてきた仕事を本当に誇りに思っています。諦めることなく、バイクのセットアップを続け、いくつかのエリアで進歩がありました。ヒートレースは素晴らしかったし、メインイベントも周回遅れにつかまるまでは順調に進んでいました。あれでペースが落ちて、ジュジュ(ジュリアン・ボーマー)との差が縮まってしまいました。その後、彼と接触して転倒し、7位でフィニッシュしました。レースでは自分のコントロールが及ばない部分も多々ありましたけど、今後もっと上のポジションを獲得するためには、自分自身が改善すべき点もいくつかあります。ポジティブな部分を活かして、弱点を改善して、もっと向上を続けます」