AMAスーパークロス
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどAMAスーパークラスに関する情報をお届けします。
AMAスーパークロス
起伏のある地形を利用して行う伝統的なモトクロスレースとは異なり、スタジアムに土砂を運び込み、タイトコーナーと多数のリズム&ジャンプセクションで構成する特設コースで行うオフロードレース。1月上旬から5月上旬までの期間、北米を舞台に設定され、毎戦数万人もの観客がスタジアムを埋める人気のモータースポーツイベントである。2025年はアメリカ国内を転戦しながら、全17戦が設定されている。
クラスは使用する車両の排気量で「450SX」と「250SX」に分かれ、「450SX」がアメリカを中心に世界中からトップライダーが集うスーパークロスの世界最高峰だ。「450SX」のスケジュールは、まずQualifyingでのタイム計測により上位40人に絞られる。その後、2組に分かれてヒートレースを行い、各組1〜9位に入った18人がメインイベントに進出。これに入れなかったライダーはLast Chance Qualifierにまわり、この上位4人を加えた22人のライダーが、20分+1周のメインイベントに出場することができる。
一方の「250SX」は、「450SX」への登竜門として位置づけられ、若手ライダーが中心に参戦している。大会が開催されるエリアで「ウエスト」と「イースト」という2つのシリーズ戦が設けられており、それぞれでチャンピオンを決定する。予選・決勝のシステムは「450SX」と同様で、メインイベントは15分+1周で行われる。
1974年にスタートしたこのAMAスーパークロスでヤマハ発動機は、現在の「450SX」の前身となる250ccクラスでピエール・カールスマーカーが初代チャンピオンを獲得。1977年からボブ・ハンナが3連覇、1980年はマイク・ベル、1998〜2000年にジェレミー・マクグラスが3連覇、2004年・2008年にチャド・リード、2009年にジェームス・スチュワート、2022年にはイーライ・トマックがタイトルに輝いており、当社は通算12回のチャンピオンを獲得してきた。
なお、このスーパークロス(17戦)と、5月に開幕するアウトドアでのAMAモトクロス(11戦)の成績を加味して出場権が与えられるスーパーモトクロス世界選手権がプレーオフとして3戦行われ、31戦トータルでのタイトル争いも行われる。
ライダー紹介
チーム
2025年は、Yamaha Motor Corporation, USA(YMUS)とStar Racingが協力して運営する「Monster Energy Yamaha Star Racing」が参戦する。Star Racingは250ccクラスを主戦場に、AMAのプロクラスで多くのタイトルを獲得してきた名門チームだ。2020年からYMUSとのパートナーシップを強化し、2021年からヤマハトップチームとして450ccクラスへの参戦も開始した。2022年はイーライ・トマックとともに、最高峰クラスで2009年以来となるチャンピオンを獲得。2023年はトマック、2024年はクーパー・ウエブがランキング2位とチャンピオンに迫った。
今シーズンは、最高峰クラスで4度のタイトルを獲得し、2024年はランキング4位となったトマック、最高峰クラスで2度のタイトルを獲得し、昨年はランキング2位となってウエブ、そして昨年から450SXにフルエントリーし、最終戦での2位表彰台などの活躍でランキング6位を獲得したジャスティン・クーパーという3名がYZ450Fで参戦。2022年以来となるチャンピオン獲得を目指す。
250SXは、昨年のイーストでランキング2位、250MXでは初のタイトルを獲得。さらにスーパーモトクロスでは2年連続でタイトルを獲得したヘイデン・ディーガンをはじめ、ピアース・ブラウン、マックス・アンスティ、ダクストン・ベニック、ネイト・スラッシャー、マイケル・モシマン、コール・デイビスの7名のライダーが参戦。2022年の250SXウエスト以来となるチャンピオンがターゲット。また、クリスチャン・クレイグは450SXに参戦しながら、250SXに参戦する若手ライダーたちのコーチとしてその成長をサポートする。
マシン
YZ450F(Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team)
2023年、「Synchronizing the YZ with Every Rider」をコンセプトに開発し、軽量、コンパクトながら力強いパワー感を実現したエンジン、新設計クラッチと新トランスミッション、軽快性と安定性を高次元で両立したバイラテラルビーム・フレーム、軽量コンパクトを具現化した外観デザインを織り込んだYZ450F。
「Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team」が使用するのは市販YZ450Fをベースに、タイトターンとリズムセクションを中心に構成されるスーパークロスコースに合わせ、Star RacingとYMUSがチューニングを施し戦闘力向上を図ったYZ450F。2023年、2024年、2年連続で一歩届かなかった最高峰のタイトル獲得をライダーたちと達成することがミッションとなる。
YZ250F(Monster Energy Star Yamaha Racing 250 Team)
"Synchronization YZ with every MX racer"をコンセプトに、低中速域での優れた特性に加えて中高速域での性能を向上したエンジン、車体の一体感を追求したバイラテラルビーム・フレーム。そしてエアフローマネージメントとアクション自由度に配慮した軽量コンパクトなボディなどを採用したYZ250F。
「Monster Energy Star Yamaha Racing 250 Team」では、この車両をベースに、スーパークロスコースに合わせてStar RacingとYMUSがチューニングを行った専用マシンを使用する。昨年はイースト・ウエストともにチャンピオンを逃しており、2022年に250SX ウエストでクリスチャン・クレイグ以来となるチャンピオンを7名のライダーたちと目指す。