AMAモトクロス
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Rd.10 8月16日 ユナディラ
SUMMARY
ニューヨーク州ニューベルリンのユナディラMXで開催されたAMAプロモトクロス450MXの第10戦で、Monster Energy Yamaha Star Racingのイーライ・トマックが総合3位(3位/3位)に入り、表彰台獲得連続記録を更新した。チームメイトのジャスティン・クーパーも地元で力強いパフォーマンスを見せ、総合5位(6位/4位)に入った。
250MX、Monster Energy Yamaha Star Racingのへイデン・ディーガンが総合2位(2位/3位)、来週末のシーズン最終戦はランキング2位に43ポイントの差で臨む。ネイト・スラッシャーは総合9位に入り、ディーガンとともにトップ10フィニッシュを果たした。ケイデン・ダドニーはプロモトクロスのデビュー戦で目を見張る走りを示し、7位/13位で総合11位。負傷欠場の後、速さを取り戻すべく取り組んでいるダクストン・ベニックとコール・デイビスは、それぞれ総合22位(28位/19位)と総合26位(23位/23位)。マイケル・モジマンは残念ながらMoto1で激しいクラッシュを喫して早々に走行を終えた。
RACE DATA
2025 AMAモトクロス 第10戦ユナディラ
開催日:2025年8月16日(土)
開催地:ニューヨーク州ニューベルリン
会場:ユーナディラMX
REPORT
450MX
トマックが総合3位に入り、連続表彰台獲得
今年のユナディラ・ナショナルのコースはハードパックと滑りやすいコンディションで、とりわけテクニカルなものとなった。予選を3位で終えたトマックは、Moto1のスタート後6番手につける。複数のライダーによる激しいバトルで一時7番手に後退するが、オーバーテイクを繰り返してオープニングラップを終え5番手とした。その後、6周目までに4番手に順位を上げたトマックは、前を行くライダーがクラッシュした際に3番手に浮上。さらに2番手のライダーとの差を詰めるトマックだったが、そのまま3位でフィニッシュした。Moto2でも再び6番手でスタートしたトマックは、オープニングラップ中に5番手に上がると、6周目には4番手につけた。次の周、トマックはチームメイトをパスして3番手に上がるとそのままフィニッシュ。今シーズン7度目となる総合表彰台に立った。2回のMoto優勝と12回のMotoポディウム獲得で、最終戦を前にトマックはランキング3位を維持している。
クーパーは地元の観客を前に素晴らしい走り出しを見せ、予選で2位に入った。Moto1では思うようなスタートができず、20番手前後に後退してしまうが、猛チャージでオープニングラップを12番手で終える。プッシュを続けたクーパーは、レース中盤までに7番手まで順位を上げ、最終ラップに一つ順位を上げ6位でフィニッシュした。Moto2ではホールショットをわずかに逃す好スタートを見せたクーパーは、オープニングラップで3番手につけた。力強いペースを維持するが、レース中盤にトマックにパスされて4位でフィニッシュし、総合5位となった。スーパークロスとモトクロスの両方で好成績を収めているクーパーは、総合ポイントで2位に97ポイント差のリードを築き、スーパーモトクロス世界選手権プレーオフの450SMXクラス第1シードを獲得した。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームは、来週末8月28日にメリーランド州メカニクスビルのバッズクリーク・モトクロスパークで開催されるAMAプロモトクロスシリーズ最終戦およびスーパーモトクロス世界選手権第28戦に臨む。
250MX
ディーガンがユーナディラで総合2位フィニッシュ
ディーガンは予選を4位で終えると、Moto1では好スタートを見せて4番手につけた。一時5番手に後退するが、すぐに挽回して2周目には3番手、そして3周目には2番手へと順位を上げ、そのポジションのままフィニッシュした。続くMoto2ではトップ10圏外の12番手でスタートするが、猛チャージを見せてオープニングラップに7番手まで上がる。プッシュを続けるディーガンは前を行くライダーたちとの差を詰めていき、レースの折り返し点を過ぎたところで3番手のライダーをパス。しかしトップ2選手の追撃には時間が足りず、ディーガンはそのまま3位でチェッカーフラッグを受けて総合2位となり、今シーズン9回目の総合表彰台に立った。250MXと250SMXのディフェンディングチャンピオンであるディーガンは、来週末の最終戦に、ランキング2位と43ポイント差で臨む。また、250SMX総合ポイントで101ポイントのリードを保ち、スーパーモトクロス世界選手権プレーオフのトップシードも獲得した。
21番手で予選を通過したスラッシャーは、Moto1で好スタートを見せて6番手につけ、トップ10入りを目指してバトルを展開する。4周目に14番手まで後退するが、プッシュを続け13番手に上がってフィニッシュ。Moto2でも好スタートを決めたスラッシャーは6番手につけるが、オープニングラップにチームメイトのディーガンを含む数名のライダーにパスされた。それでも奮闘を続けたスラッシャーは、7番手でフィニッシュラインを通過し、総合9位に入った。
ダドニーはAMAプロモトクロス初レースで力強い走り出しを見せた。予選を15位で終えると、Moto1ではトップ10スタートを決めて、オープニングラップを6番手で終える。レースを通してバトルを繰り広げるダドニーは、7位でチェッカーフラッグを受けた。続くMoto2ではさらに好スタートを見せて3番手につける。オープニングラップの激しいポジション争いの中で4番手に後退するが、力強いペースでトップ5圏内を快走する。だがレース終了まで残り5周となったところで転倒を喫し、7番手で再走を果たす。その後、滑りやすいコンディションでいくつかミスを犯したダドニーは13番手でフィニッシュし、総合11位となった。
ベニックにとってこの日の走り出しは厳しいものとなった。予選を25位で終え、参加したMoto1でマシントラブルにより28位でフィニッシュするにとどまったのだ。Moto2では理想的とは言えないゲートピックとなり、オープニングラップを26番手で終える。それでもベニックはひるむことなく集中したライディングで追い上げ、19番手まで上がったところでフィニッシュ。負傷欠場からの復帰2戦目を総合22位で終えた。
AMAスーパークロス最終戦で上腕骨を骨折したデイビスが、AMAプロモトクロス選手権ユーナディラ・ナショナルでレースに復帰した。ニュージーランドの若手ライダー、デイビスは予選を17位で終え、Moto1では残念ながら出遅れ、オープニングラップを30番手で終える。その後奮闘して23番手まで上がったところでフィニッシュラインを通過した。Moto2では力強いスタートを見せてオープニングラップを終えて16番手で戻って来た。だがここでも厳しいレースとなり、23番手でフィニッシュ。総合26位となった。
モジマンは予選で10位に入り、好調な走り出しを見せたが、Moto1の2周目にスカイショットジャンプ手前で激しくクラッシュ。リタイアすると共に、目の上の切傷の縫合を受けた。モジマンの状態に関する最新情報は後日、発表する。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームは、来週末8月23日にメリーランド州メカニクスビルのバッズクリーク・モトクロスパークで開催されるAMAプロモトクロス最終戦に臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
イーライ・トマック選手談(3位/3位:総合3位)
「ユーナディラは充実の一日を過ごすことができました。全体として、すごく良いライディングができて、両Motoとも、特にMoto1で良い流れを見出すことができました。楽にライディングすることができて、感触もすごく良かった。ローレンス兄弟(ジェットとハンター)ほどの速さがなかったのと、両Motoのスタートでちょっとミスをしました。この場所で3位という結果はともて良いことです」
ジャスティン・クーパー選手談(6位/4位:総合5位)
「今日のコースはすごくテクニカルでした。ハードパックで一部のエリアは不安定で、スロットルコントロールが重要でした。プラクティスはとてもうまく進み、予選は2位。Moto1ではスタートをミスして20番手前後から6番手まで追い上げました。Moto2では、ほとんどホールショット獲得かという、すごく良いスタートができて1周目は3番手でした。しばらくその順位をキープしていましたが、イーライに抜かれ彼に引っ張ってもらうように4位でフィニッシュしました。全体として良い一日でした。先週末より良かったし、自分のライディングも良かったです。残りあと1戦です」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing 250 Team
へイデン・ディーガン選手談(2位/3位:総合2位)
「今日は楽にライディングすることができず、ちょっと苦戦しました。総合2位となり残り1戦で43ポイントのリードを保っています。次のラウンドで締めくくる計画で、今週はSMXのためのテストをしてます」
ネイト・スラッシャー選手談(13位/7位:総合9位)
「この週末に、正しい方向に一歩踏み出すことができました。アウトドアシーズンを力強く締めくくる準備はできています」
ケイデン・ダドニー選手談(7位/13位:総合11位)
「全体としてはすごく良い一日でした。たくさんのことを学ぶことができました。予選はうまくいき、最初のMotoは良かったです。スタートはまずまずで、イン側にちょっと潜り込んで、7位に入ることができました。Moto2ではゲートピックは良くなって、丈(下田)とディーグス(ヘイデン・ディーガン)のすぐ近くに位置しました。いくつかミスをしてここでは13位に終わりましたけど、それでも本当に良い一日だったので満足しています」
ダクストン・ベニッック選手談(28位/19位:総合22位)
「まあまあの一日でしたね。予選は僕にとって少しキツかったし、最初のMotoではバイクにトラブルが出ました。Motoc2は良くなりました。スタートはかなり悪くて、たしか1周目は28番手か29番手だったと思います。そこから追い上げて19番手まで上がりました。週末ごとに良くなるように努めています。長い間、バイクから離れていて、復帰するのは本当に大変なのですが、あまり期待はしていません。とにかく自分たちの状況を把握して、築き上げ続けて行くだけです」
コール・デイビス選手談(23位/23位:総合26位)
「復帰後最初の週末は無事に終わりました。望んでいた結果ではありませんが、レースにスタートすることができて、ユーナディラを無事に離れることができて良かったです。このまま前進を続けて、バッズクリークを目指します」