AMAモトクロス
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Rd.07 7月12日 スプリングクリーク
SUMMARY
ミネソタ州ミルビルのスプリングクリークMXパークで開催されたAMAプロモトクロス450MX第7戦スプリングクリーク・ナショナルで、Monster Energy Yamaha Star Racingのイーライ・トマックとジャスティン・クーパーがともにトップ10フィニッシュを果たし、トマックは総合7位(6位/9位)、クーパーが総合10位(5位/13位)に入った。
Monster Energy Yamaha Star Racing 250チームにとって、スプリングクリークは、まるで物語のような結末で終わった。へイデン・ディーガンは、1位/2位で総合優勝を果たして250MXタイトル防衛に向けて大きく前進し、ジェレミー・マーティンは地元コースでMoto2を制して総合2位(3位/1位)に入って感動的に最後のレースを終えた。一方、マイケル・モジマンは困難な状況を乗り越えて総合11位(5位/18位)、ネイト・スラッシャーは厳しい戦いを強いられながら19位(12位/20位)。
またMonster Energy Yamaha Star Racingのライダーたちは、ヤマハ発動機の創立70周年を記念し最近発売された2026年YZの限定モデルにインスパイアされた、赤、白、黒のカラーリングを初公開した。
RACE DATA
2025 AMAモトクロス 第7戦ミルビル大会
開催日:2025年7月12日(土)
開催地:ミネソタ州ミルビル
会場:スプリングクリークMXパーク
REPORT
450MX
トマックとクーパーがミルビルでトップ10フィニッシュ
予選を9位で終えたトマックは、Moto1で力強いスタートを決めて6番手につけると、そこから猛チャージを見せて5周目までに2番手まで順位を上げる。だが、その後順位を落とし、最終的に6位でフィニッシュした。Moto2も厳しい争いとなり、トマックはオープニングラップを13番手で終える。その後もプッシュを続けたトマックは9位でフィニッシュ。総合7位となった。トマックはランキング争いではチームメイトのクーパーにわずか1ポイント差の4位につけている。
クーパーは、予選1回目にクラッシュするという厳しい状況に直面したが、プッシュし続けて堅実な結果を残した。予選を5位で終えると、Moto1では猛チャージを見せ、スタート直後の9番手から6番手まで順位を上げると、レース終盤にはチームメイトをパスして5番手に上がり、そのままフィニッシュした。続くMoto2でも好スタートを見せて6番手につけるが、その後疲労を覚えて後退。それでも全力を尽くしてライディングを続け13位。総合10位となったクーパーは、450SMXのランキングで2位と12ポイント差の3位に浮上した。
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この後、チームは太平洋岸北西部へ向かい、7月19日にワシントン州ワシューガルのワシューガルMXパークで開催されるAMAプロモトクロス第8戦/スーパーモトクロス世界選手権第25戦、ワシューガル・ナショナルに臨む。
250MX
ディーガンがタイトル防衛に大きく前進、マーティンは物語のような最後の走りを見せる
前戦の予選でクラッシュを喫し、まだ100%の状態に戻れていないディーガンだが、予選2セッションで最速ラップタイムを記録。さらに、Monster Energy Yamaha Star Racingが総合タイムで1-2-3位を独占する強さを見せつけた。Moto1のスタート直後に4番手につけたディーガンは、すぐに3番手に順位を上げると、前を走行するチームメイトとの差を縮めてゆく。そして7周目には追い抜きを見せて2番手に上がると、次の周に先頭のライダーがクラッシュしたため、ディーガンはトップに躍り出た。レース終盤、ライバルの追撃で一度はパスされるが、次の周にはトップを奪還し、今シーズン7度目のMoto優勝を飾った。続くMoto2ではディフェンディングチャンピオン、ディーガンはスタート直後に8番手につけ、速く、安定したラップタイムを連発して順位を上げてゆく。レースの折り返し点で3番手、その後2番手に上がると、その順位のままチェッカーフラッグを受け、シーズン5度目の総合優勝を果たした。この結果、4戦を残して250MX選手権では2位との差を45ポイントに、また250SMX選手権の総合ポイントでは2位との差を103ポイントに拡大した。
第2戦でのクラッシュ以来欠場していたジェレミー・マーティンが万全の体調で復帰した。マーティンは2014年、2015年と250MXを連覇している。予選を3位で終えた地元のヒーローは、Moto1でホールショットを奪う。そしてチームメイトに追い抜かれるまで2番手をキープしていた。トップのライダーがクラッシュすると、マーティンは2番手に浮上し、最終的に3位でフィニッシュした。Moto2で再びホールショットを奪ったマーティンは、レース序盤の3周に渡ってトップをキープした。その後、2番手に後退するが、トップのライダーがコースアウトした際に再びリードを奪うと、力強いペースで力走を重ね、2番手に続くチームメイトとの差を広げ、7秒という大差でMoto2を制した。250MXタイトル2回に加え、Moto優勝51回、総合優勝20回という輝かしいキャリアを誇るマーティンは、感動的な最後の勝利を収めた。
モジマンはこの日、一日を通して速さを見せた。予選で2位に入ると、Moto1では力強いスタートを決めてすぐに5番手につけた。その後4番手を走行していたモジマンだが、足首を捻ってしまい6番手に後退。それでも終盤、5番手に上がり、そのままフィニッシュした。Alpinestars Mobile Medical Unitによって現地で診察を受け、足首にテーピングを受けたモジマンはMoto2に出場した。3周目までに9番手まで上がったモジマンだったが、残念ながら次の周にクラッシュを喫し、29番手まで後退してしまう。それでも再走を果たして果敢に追い上げて18位でフィニッシュラインを通過した。貴重なポイントを獲得したモジマンは総合11位でこの日を終えた。
スラッシャーにとって、スプリングクリークMXパークでのレースは厳しいものとなった。この高速コースで楽に走れるゾーンを見つけようと奮闘するスラッシャーは、予選を21位で終える。理想的とは言えないゲートピックながら、Moto1でまずまずのスタートを見せると、レース終盤に12番手まで上がり、そのままフィニッシュした。Moto2ではスタートが改善したが、不運にも第1ターンで発生した多重クラッシュに巻き込まれてしまう。最後尾まで後退したスラッシャーだったが、集中したライディングで追い上げ、19番手まで挽回。最終的に20位でフィニッシュし、総合19位となった。
この後、チームは太平洋岸北西部へ向かい、7月19日にワシントン州ワシューガルのワシューガルMXパークで開催されるAMAプロモトクロス第8戦/スーパーモトクロス世界選手権第25戦、ワシューガル・ナショナルに臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
イーライ・トマック選手談(6位/9位:7位)
「今週末は両Motoとも厳しいレースになりました。これからもしっかりと取り組み、来週末はもっと強くなれるよう努力します」
ジャスティン・クーパー選手談(5位/13位:10位)
「ミルビルでは厳しい一日になりました。予選1回目のセッションでかなり激しく転倒してしまいました。最初のMotoはそれほど悪くなくて、5番手をキープできましたが、Moto2はかなり苦しい展開でした。今日を乗り切れて良かったです。夏休みの前にあと1回あるので、これからもプッシュし続けます」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing 250 Team
へイデン・ディーガン選手談(:総合優勝)
「予選はうまくいきました。1位/1位で完璧でした。1週間ずっとバイクに乗れなかったのはちょっと辛かったです。ほとんど座ったままだったので、Moto1で優勝できて本当にうれしかったです。Moto2は2位で、マーティンが優勝しました。本当に最高でした。総合優勝して、ポイントも獲得できたので、良い一日でした。これからもしっかり回復していきます。次はワシューガルです」
ジェレミー・マーティン選手談(3位/優勝:総合2位)
「パラとハングタウンでは厳しい状況でした。トップ10にも入れませんでした。バイクに乗ることも何もしていませんでしたが、クラッシュから回復して、良いセッティングを見つけることができました。2度の素晴らしいスタートを決めることができ、そして、今、こうしてここにいます。もう無理だと思っていました。怪我も多く、本当に辛い2、3年でした。これ以上の結末は考えられません」
マイケル・モジマン選手談(5位/18位:総合11位)
「今日はポジティブなことがたくさんありました。予選で2位を獲得して、Moto1のスタートもまずまずでした。4番手か5番手とかなり良い位置にいたのですが、コーナーで足首を捻ってしまいました。それでもプッシュし続けて5位でフィニッシュしました。その後、アルパインスターズ(モバイルメディカルユニット)に行って診察を受け、包帯を巻いてもらい、次のMotoに備えました。Moto2はスタートこそうまくいきませんでしたけど、9番手まで順位を上げて、良いライディングができました。8番手まで追い上げようとしていた時、かなり大きなクラッシュをしてしまい、そこから立ち上がった後にまた危うく転倒しそうになりました。足首を痛めながらもMoto1で5位に入り、予選も好調だったことは、すべてがまだ良い方向に進んでいることを示しています。感触も良くて、Motoの最後までプッシュし続けました。次のワシューガルが楽しみです」
ネイト・スラッシャー選手談(12位/20位:総合19位)
「僕にとって厳しい一日でした。コースがかなり高速だったので、楽に走れるようにはなりませんでした。良いスタートができず、何とか挽回しようと努力しました。Moto2では良いスタートを切ったものの、多重クラッシュに巻き込まれてしまいました。1周目に転倒しそこから追い上げるという週末になりました。気持ちを切り替えて改善できるように努力します」