AMAモトクロス
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Rd.03 6月7日 サンダーバレー
SUMMARY
Monster Energy Yamaha Star Racingのイーライ・トマックが、コロラド州レイクウッドのサンダーバレー・モトクロスパークで開催されたAMAプロモトクロス450MXの第3戦で、地元の観客を前に激戦を展開し、総合2位(3位/2位)となって表彰台に返り咲いた。ジャスティン・クーパーは再び力強いパフォーマンスを見せ、惜しくも表彰台を逃し総合4位(5位/3位)。クーパー・ウエブは体調不良にもかかわらず、総合6位(7位/6位)に入った。
250MXでは、Monster Energy Yamaha Star Racingのヘイデン・ディーガンが総合2位(2位/2位)に入った。この結果、ディフェンディングチャンピオンのディーガンはランキングポイントで2位との差を大きく開き、タイトル防衛に向けて力強く前進した。チームメイトのマイケル・モジマンはMoto1をマシントライブルでリタイアとなったがMoto2で7位に入り、総合14位。ケイデン・マイニアは、総合16位(18位/12位)でフィニッシュし、力強いシリーズデビューとロレッタ・リンでのレース前に重要な経験を積んだ。ネイト・スラッシャーは総合19位(19位/18位)となった。
RACE DATA
2025 AMAモトクロス 第3戦レイクウッド
開催日:2025年6月7日(土)
開催地:コロラド州レイクウッド
会場:サンダーバレー・モトクロスパーク
REPORT
450MX
トマックがホームコースで総合2位を獲得
過去2シーズン、負傷のためサンダーバレー・ナショナルを欠場していたトマックにとって、待望していた地元コロラド州でのレースとなった。予選では第1セッションでトップタイムをマークし、総合タイムでも2位を獲得。Moto1ではスタートで4番手につけたトマックはレース全体を通して速いペースを維持し、レース終盤にライバルのミスを見逃さず3番手に上がると、そのままフィニッシュした。続くMoto2ではスタート直後は14番手だったトマックは猛チャージを見せて6周目までに3番手へと順位を上げる。プッシュを続けたトマックは、レースが折り返し点を迎えるところで2番手に上がると、トップのライダーに狙いを定めた。レース終了までの時間が少なくなる中、4度の450MXチャンピオンに輝くトマックは勝負に出るが、残り約2分となったところで残念ながらクラッシュ。それでもすぐにレースに復帰したトマックは2位でフィニッシュ。総合2位となり、ランキングでも1位と25ポイント差で2位に返り咲いた。
450MXでは自身初となる予選総合タイムで1位に輝いたクーパーは、Moto1で堅実なスタートを見せて5番手につけると、オープニングラップで6番手に後退したものの、プッシュを続け11周目には5番手に挽回し、その順位のままフィニッシュした。Moto2で、クーパーはスタート直後に4番手につけると、猛チャージを見せて3周目にはトップに浮上し、後続と差を広げ始めた。レース全体のほぼ半分をリードしたクーパーだったが、結局3位でフィニッシュ。総合4位に入り、ランキング4位をキープした。
体調が100%ではなかったにもかかわらず、アウトドアシリーズで進歩を続けるウエブは今シーズンのべストとなる7位で予選を終えた。450SXで3度タイトルを奪っているクーパーは、Moto1のスタート直後は12番手前後だったが、オープニングラップを7番手で終える。6周を終えたところで8番手に後退するが奮闘を続け、レース終盤に7番手に上がり、そのままフィニッシュした。続くMoto2ではホールショットを僅差で逃すロケットスタートを見せて2番手につけた。2周目に7番手まで後退するが、最後は6位でフィニッシュし、総合6位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racing 450チームはこの後、東へと移動し、6月14日にペンシルベニア州マウントモリスのハイポイント・レースウェイで開催されるAMAプロモトクロス選手権第4戦およびスーパーモトクロス世界選手権第21戦に臨む。
250MX
ディーガンがサンダーバレーで2位フィニッシュし、ランキングポイントの差を拡大
ディーガンは予選を2位で終えると、Moto1で素晴らしいスタートを見せて1周目に2番手まで順位を上げた。レース終了までの時間が少なくなるにつれ、ディーガンはコンスタントに速いラップタイムを連発してトップに迫る。だが不運にもマシントラブルに見舞われたディーガンは戦略を変更。2位フィニッシュに照準を合わせ、その順位でチェッカーフラッグを受け、貴重なポイントを獲得した。続くMoto2でもディーガンはトップに迫る2番手でスタート。一時3番手に後退するが、再び2番手に上がる。レース終了まで残り10分となったところで、ディーガンはプッシュしてトップとの差を詰めるが転倒。それでもすぐに再走を果たすと再び2位でフィニッシュ。第4戦を前にランキングでは2位との差を25ポイントに拡大した。
モジマンは一日を通して進歩し続けた。予選を14位で終えると、Moto1では6番手でスタートし7周目までに4番手へと上がる。だがマシントラブルに見舞われ、レース序盤にリタイアを余儀なくされた。Moto2では理想的とは言えないゲートピックから、スタートして後方に沈み、さらに第1ターンで発生した多重事故に巻き込まれてしまう。それでもモジマンは、レースが折り返し点に達するまでに8番手まで上がり、最終的に7位でフィニッシュ。総合14位となった。
ハングタウン・クラシックのSMXネクスト・モトクロス戦で1-1のパフォーマンスを見せたばかりのマイニアは、サンダーバレーでプロモトクロスデビューを果たした。オーストラリア出身の若手ライダー(18歳)、マイニアは12位で予選を終えると、Moto1のオープニングラップを14番手で終える。その後もプッシュを続けるマイニアは、レース序盤に何度か転倒を喫したものの、18位でフィニッシュ。Moto2ではスタートをはるかに改善し、オープニングラップを10番手で終えると、トップ10入りを目指してバトルを展開。最終的に12位でフィニッシュし、総合16位となった。マイニアはロレッタ・リンズ・ランチで開催されるAMAアマチュア・ナショナル・モトクロス選手権を前に、プロモトクロスのラウンド数戦で経験を積み、さらなる成長を目指している。
予選第1セッションでは苦戦したが、スラッシャーはタイムを詰め17位で予選を終えた。続くMoto1では素晴らしいスタートを見せて3番手につけるが、その後後退し19位でフィニッシュ。Moto2は18位でフィニッシュしたスラッシャーは、総合19位となった。
Monster Energy Yamaha Star Racing 250チームはこの後、東へと移動し、6月14日にペンシルベニア州マウントモリスのハイポイント・レースウェイで開催されるAMAプロモトクロス選手権第4戦およびスーパーモトクロス世界選手権第21戦に臨む。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
イーライ・トマック選手談(3位/2位:総合2位)
「ここコロラドで充実した一日を過ごしました。最初のMotoで激しいバトルをして、何度かオーバーテイクの際に苦労しました。ライン取りをもう少し良くする必要がありました。そのあと、レース後半にハンターがミスをしたところで前に出て3位でフィニッシュしました。Moto2で再び激しいバトルを展開しました。スタートでは少し出遅れましたけど、トップに向けて最後までプッシュしました。ジェットの背後まで迫り、互いに攻防を繰り広げました。コースの或る部分に、彼よりもずっと速いと思っていたところがあって、彼と接近戦をしていてその部分が迫って来た時、興奮しすぎてその前のターンでクラッシュしてしまいました。全力を尽くしました。残念ながら2位でしたけど、この後もプッシュし続けます」
ジャスティン・クーパー選手談(5位/3位:総合4位)
「ここサンダーバレーでは良い一日を過ごしました。モトクロスでは初めてポールポジションを得たので気分は最高でした。プラクティスではコースがわだちだらけでした。繰り返し整地されて、どんどん楽に走れるようになり、スピードもどんどん上がりました。それによりテクニカルな面で両Motoともにやや苦戦しましたけど、今日は両レースで良いライディングができました。Moto1では5位が精いっぱいでした。5番手まで上がった時にはトップ4とは大きなギャップができていました。Moto2は本当にクールでした。4番手前後でスタートして、その後トップに立って、レースの半分くらいでリードしました。これは楽しかったです。ヘルメットの下で笑顔になっていて、初めてこの瞬間を楽しめました。あんな経験は今までしたことがなかったので、クールでした。今日は天気は最高でした。コースも良かったのですが、トップ2とはほんの少し差がありましたね」
クーパー・ウエブ選手談(7位/6位:総合6位)
「レイクウッドは良い一日でした。予選で7位に入れて、これはこれまでで最高位でした。体調が優れず厳しい一日でしたけど、全力でプッシュしました。7-6で総合6位に入ることができました。しっかり回復して、ハイポイントに向けて準備します」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing 250 Team
へイデン・ディーガン選手談(2位/2位:総合2位)
「ここサンダーバレーでは良い一日を過ごしました。最初のMotoはちょっと運が良かったんです。バイクにトラブルがありましたけど、なんとか乗り切ることができました。2-2ので、ポイントリードを倍増させることができました。本当にうれしいです」
マイケル・モジマン選手談(DNF/7位:総合14位)
「最初のMotoではトップ10スタートを決めて4番手まで順位を上げたのですが、トラブルで早々にリタイアしました。Moto2では38番ゲートピックで、かなりインサイド寄りに並ぶことになりました。スタートはあまり良くなくて、第1ターンで発生した多重事故に巻き込まれてしまいました。しかし、今日はいろいろな不運に見舞われましたけど、すべてのMotoを通して力強いライディングができたし、最後尾付近から7番手まで順位を上げたことを誇りに思います。胸を張ってこのラウンドを終えて、これからのシーズンに前向きな気持ちで臨みます。まだ多くのレースが残っています」
ケイデン・マイニア選手談(18位/12位:総合16位)
「すごくポジティブな一日でした。アメリカで初のプロのレースだったので、かなりナーバスになっていました。最初のレースでは2周の間に3回も転倒してししまいました。それはちょっと残念でしたけど、Moto2ではスタートがかなり良くなって、トップ10圏内を走っていました。その後、中盤でライディングが少し固くなってしまいましたけど、その後、元の走りに戻りました。結局のところ十分ではありませんでした。これからチームとテストをして、ハイポイントでレースに臨みます」
ネイト・スラッシャー選手談(19位/18位:総合19位)
「あまり良い一日ではありませんでしたけど、毎週末、より良い結果を目指して努力していきます。とにかくプッシュし続けます」