AMAモトクロス
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Rd.02 5月31日 ハングタウン
SUMMARY
カリフォルニア州ランチョ・コルドバで開催されたハングタウン・クラシックで、Monster Energy Yamaha Star Racingのジャスティン・クーパーが総合3位(4位/2位)に入り、2025年AMAモトクロスの450MXでシーズン初となる総合表彰台に立った。イーライ・トマックもMoto1で優勝、Moto2は後方から追い上げて総合4位(1位/9位)とした。クーパー・ウエブはアウトドアシリーズで上昇傾向を続け、総合6位(7位/7位)でトップ10入りを果たした。
250MXは、ヘイデン・ディーガンが1位/1位で圧勝して総合優勝、開幕2連勝を果たした。マイケル・モジマンは、地元のレースで強さを見せてMoto1でトップ5フィニッシュを果たす。続くMoto2ではレース終盤に転倒も総合10位。ネイト・スラッシャーはMoto2で素晴らしいスタートを見せたが、オープニングラップにマルチクラッシュに巻き込まれ、総合22位(18位/23位)に終わった。ジェレミー・マーティンはMoto1で激しく転倒し、Moto2の出場を断念した。
RACE DATA
2025 AMAモトクロス 第2戦ハングタウン
開催日:2025年5月31日(土)
開催地:カリフォルニア州ランチョ・コルドバ
会場:ハングタウン
REPORT
450MX
クーパーがハングタウン・クラシックでポディウムフィニッシュ
AMAプロモトクロス選手権第2戦およびスーパーモトクロス世界選手権第19戦の舞台となったプレーリーシティSVRAは猛暑に見舞われ、気温が華氏で3桁に達し、ライダーにとって厳しい状況となった。クーパーは好調な走り出しを見せて予選で2位に入ると、Moto1ではホールショットを奪った。レース序盤に4番手に後退するが、好ペースを保って、フィニッシュまでそのままポジションを維持した。Moto2でも再び好スタートを決めて4番手につけたクーパーは、すぐに3番手に、そしてオープニングラップでチームメイトをパスして2番手に上がった。速いペースで着実に走行するクーパーは、トップとの差をうまく保ちつつ、2位でフィニッシュ。総合3位となった。選手権ランキングでは1位と19ポイント、2位とわずか3ポイント差の4位でハングタウンを後にした。
トマックは開幕戦からの勢いをそのままに、一日を通して終始力強い走りを見せた。予選で3位に入り、Moto1ではスタート直後に3番手につけると、2周目にチームメイトのクーパーをパスして2番手に上がった。レースが進むにつれてトップとの差を詰めるトマックは、終了まで残り2周となったところでトップを奪い、シーズン初となる優勝のチェッカーフラッグを受けた。この勝利により、トマックは450MXでの優勝回数を68に伸ばし、歴代2位タイに浮上した。Moto2では残念ながら、スタート直後に他のライダーと接触して26番手まで後退してしまう。ここから猛チャージを見せるトマックは、5周目までに8番手まで順位を上げるが、さらに順位を上げようとライディング中に転倒。12番手で再走を果たすと、プッシュを続けて9番手まで上がったところでフィニッシュ。総合4位となった。トマックは現在、選手権ランキングで2位と1ポイント、首位とは17ポイント差の3位につけている。来週末、トマックの地元州、ニューオーリンズでシリーズ第3戦が開催される。
AMAモトクロス選手権へのフルタイム参戦に復帰したウエブは、勢いを増し続けている。予選を11位で終えると、両Motoで順位を上げて行った。Moto1ではオープニングラップを8番手とすると、順位を一つ上げて7位でフィニッシュ。450SXで3度のチャンピオンに輝くウエブは、Moto2でも素晴らしいスタートを見せ、チームにとってはこの日2度目となるホールショットを奪った。レース序盤、3番手につけていたウエブは、バトルを続けて7位でフィニッシュを通過。総合6位に入った。
Monster Energy Yamaha Star Racing 450チームはこの後、東へと向かい、来週末6月7日にコロラド州レイクウッドのサンダーバレー・モトクロスパークで開催されるAMAプロモトクロス選手権第3戦およびスーパーモトクロス世界選手権第20戦に臨む。
250MX
ディーガン、ハングタウン・クラシック250MX圧勝で無敗をキープ
Fox Raceway National圧勝に続き、ディーガンの勢いは北カリフォルニアでも衰えることなく、予選両セッションでトップタイムを記録して250クラス予選1位となった。Moto1では思うようなスタートができず6番手に後退するが、3周目にはレース中の最速ラップタイムを記録して3番手へと順位を上げる。ディーガンはプッシュを続け、レースが折り返し点に達する前にリードを奪い、先頭でペースをコントロール。2番手に7秒近い差をつけて圧倒的な勝利を収めた。Moto2では好スタートを決めて3番手とすると、3周目にはトップに浮上。以後、後続を引き離し、2番手に9秒差で勝利を収めた。この連勝によりディーガンは、ランキング2位に12ポイントの差をつけ第3戦に臨む。
モジマンはアウトドアレース復帰2戦目でも進歩を続けた。予選を8位で終えると、Moto1ではオープニングラップを終えて14番手。そこから集中したライディングでコンスタントに好タイムを記録し、5番手まで順位を上げてフィニッシュした。この結果はモジマンにとって今シーズンのベストリザルトとなった。25分+2周に短縮されたMoto2では、スタート直後に11番手につけると着実に順位を上げ、その折り返し点を過ぎた時点で4番手へ。しかし、レース終了まで残り3周となったところで転倒を喫し17位でフィニッシュ。総合10位となった。
スラッシャーは、予選で26番手にとどまったため、厳しいゲートからレースを迎えた。Moto1ではまずまずのスタートを見せたが、オープニングラップを終えて21番手。チャレンジングなコンディションの中で順位を上げ、18位でフィニッシュした。Moto2では素晴らしいスタートを決めたスラッシャーは4番手前後につけるが、不運にもレース序盤に発生したマルチクラッシュに巻き込まれ、最後尾まで後退してレースに復帰した。順位を落としながらも奮闘を続けたスラッシャーは23番手まで上がったところでチェッカーを受けた。
レース復帰わずか2戦目となったマーティンは予選を19位で終えると、Moto1ではまずまずのスタートを見せて3周目までに11番手まで順位を上げる。ポジション争いを続けるマーティンだったが、レースの折り返し点を過ぎたところで激しいクラッシュによりリタイア。幸い骨折は免れ、来週末にコロラド州レイクウッドで開催されるサンダーバレー・ナショナルで復帰を目指すこととなった。
Monster Energy Yamaha Star Racingチームはこの後、東へと向かい、来週末6月7日に、コロラド州レイクウッドのサンダーバレー・モトクロスパークで開催されるAMAプロモトクロス選手権第3戦およびスーパーモトクロス世界選手権第20戦に出場する。
COMMENT
450MX
Monster Energy Star Yamaha Racing 450 Team
ジャスティン・クーパー選手(4位/2位:総合3位)
「良い一日になりました。ハードパックはあまり得意ではないのですが、この場所は好きなんです。今日は本当にうまくいきました。予選で2位に入り、Moto1ではホールショットを奪いました。ペースを維持できずに、最初の数周で3番手まで、そして最終的に4位まで後退しました。Moto2では全力で攻めて2番手まで順位を上げました。ジェット(ローレンス)に食らいついて何かできないかと試みましたが、なかなか背後まで迫れず、差をうまく保つことしかできませんでした。そのMoto2で2位に入り、総合3位という、自分にとって素晴らしい結果を得ることができました。次のサンダーバレーに行くのが楽しみです。おそらアウトドアシリーズの中で一番得意なコースなので、今から楽しみです」
イーライ・トマック選手(優勝/9位:総合4位)
「Moto1で優勝できたのは素晴らしいことですが、残念ながらMoto2では、総合優勝のチャンスを逃す大きなミスを2つしてしまいました」
クーパー・ウエブ選手(7位/7位:総合6位)
「ハングタウンでは充実した一日を過ごし、一歩前進することができました。2番目のMotoで好スタートを決めて、数周トップを走ることができたのは良かったです。非常に暑く本当にチャレンジングな一日でした。こんなコンディションでのレースは久し振りです。この後の数戦では、レース毎に着実に順位を上げて、上位に近づくことが目標です」
250MX
Monster Energy Yamaha Star Racing 250 Team
へイデン・ディーガン選手(優勝/優勝:総合優勝)
「ここハングタウンでの一日は充実したものになりました。気温が華氏約104度(※摂氏約40度)と、かなり過酷でした。今朝は体調がすぐれない状態で目が覚め、あまり良くない状態でレースに臨みましたが、それでも1位/1位を達成できたので本当にうれしいです。チームのみんなに感謝します。バイクは完璧でした。しっかり回復して、来週も積極的に行きます」
マイケル・モジマン選手(5位/17位:総合10位)
「最高の一日でした。僕はこのコースが大好きです。地元のファンの前で走るのは本当に良い気分です。今週はバイクにいくつか改良を加えたので、それが大きな違いでした。コーナーリングでの自信が格段に増して、スピードも格段に上がりました。今後が楽しみです。Moto2では終盤にクラッシュしてしまいました。本当に表彰台に立ちたかったんですが、恐らく自分がいた位置にそのまま留まるべきだったのでしょう。これまでの進歩には本当に満足していますし、後方から追い上げて上位に上がることができたのは、正しい方向への一歩でした。本当に良い気分です」
ネイト・スラッシャー選手(18位/23位:総合22位)
「Moto2は素晴らしいスタートができたのですが、残念ながらマルチクラッシュに巻き込まれてしまいました。結果は望んでいたものではありませんが、両Motoを完走することができました。もっと良い結果が得られるよう、これからも努力を続けます」
ジェレミー・マーティン選手(34位/DNS:44位)
「ハングタウンでは、すべてがずっと良い方向に向かっていましたがMoto1のちょうど半分を過ぎたところでクラッシュしてしまいました。それを乗り越えて、来週末へと進むことができるので良かったです」