全日本モトクロス選手権 IA2

RACE DATA

■大会名称：2007全日本モトクロス選手権第5戦九州大会
■カテゴリ：IA2クラス
■開催日：2007年6月10日（日）
■開催地：熊本県／HSR九州
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート
■天候：晴れ
■観客数：11,200人

REPORT

小島が両ヒートで3位獲得！

2007年全日本モトクロス選手権シリーズ・第5戦九州大会が6月10日（日）、HSR九州（熊本県）にて開催された。第4戦中国大会のヒート2で2位に食い込み、ランキング上位2ライダー、新井宏彰（カワサキ）と平田優（ホンダ）への猛追が期待されるTeam YZの小島太久摩は両ヒートで3位を獲得。新井、平田にポイント差をつけられたものの、好調を維持しており今後の活躍に一層期待が寄せられることとなった。同じくTeam YZの釘村忠は第4戦で総合10位とやや低迷したが、今大会では7位に入る活躍を見せた。

ヒート1は小島が好調なスタートを見せ平田の後方2番手につける。尾崎友哉が4番手、渡辺学が7番手、釘村は後方からのスタートとなる。しかし1周目に尾崎が転倒し7番手にまで順位を落とす。小島は後ろを走る3番手の新井に詰め寄られそのままパスされる展開に。中盤に差し掛かりトップの平田がやや独走態勢に入り、2番手新井、3番手小島を引き離す。平田と新井の差は一時およそ15秒まで開く。しかし新井はなんとかトップの平田にくらいつき差を縮めるが、小島はいまひとつ追い上げられず取り残される形に。小島のすぐ後ろでは渡辺と須田純（カワサキ）、そして尾崎がグループを形成し接近戦を展開する。

トップの平田に追い迫る新井は、終盤戦に入ると平田をかわしトップに立つ。新井はそのままの勢いで平田を引き離しゴール。2位平田、3位小島となった。渡辺は5番手の須田に詰め寄られるが逃げ切りそのまま4位フィニッシュ。尾崎、釘村はそれぞれ6位、9位でフィニッシュした。

ヒート2も平田がトップでスタートを切る。新井が続き、小島は4番手、5番手に尾崎、釘村が7番手、渡辺が10番手からのスタートとなる。序盤からレースは大きく動き、2周目には小島が3番手、釘村が5番手、続いて渡辺、尾崎となる。5周目には釘村、渡辺、尾崎がそれぞれ順位をひとつ上げたことで小島を含め4ライダーが並ぶ形となる。トップは平田から新井へと移り変わる。

中盤にはトップの新井が独走状態になり、2番手の平田をおいて小島と渡辺、釘村と尾崎がそれぞれ接近戦を繰り広げる。10周目には渡辺が小島を捕えて3番手に浮上。しかし13週目には今度は小島が渡辺を捕え3番手になる。

一方、5番手の釘村と続く尾崎は16周目に順位が入れ替わるが、17周目には再び釘村が5番手、尾崎が6番手になる。終盤になり小島が渡辺をやや引き離し2番手の平田を狙うがそのままの順位でフィニッシュ。渡辺、釘村、尾崎もそのまま4、5、6位でフィニッシュした。総合結果は新井が1位。小島は両ヒートとも3位で総合も3位に。渡辺は4位、尾崎は5位、釘村は7位に終った。

COMMENT

尾崎友哉選手談（6位/6位：総合5位）

「ヒート1で転倒して、ポジションが7位にまで落ちてしまったけど、ペースは好調を維持できていた。前のライダー2、3人は抜くことが出来たと思うが、巻き上がるホコリが凄く、前が良く見えなくて本来の力が発揮出来なかったのは残念。ヒート2では4番手につけていてミスにより2人にパスされた。それでもめげずに攻め続けたがポジションを上げることが出来なかった。しかし、苦手とするコースでも攻め続けれたことは、様々なコースに対する応用力が付いたと思う。良い収穫だ」

小島太久摩選手談（3位/3位：総合3位）

「いい状態には戻りつつあるけど、それがすぐに結果に表れるかというとそうでもない。課題は確実にクリアしてきているからあくまで調子は良い。ヒート1はスタートが良かったからなんとか3位をキープできた。ヒート2は渡辺選手が良いライン取りで走っていたからそれを自分のものにしたらペースを上げることが出来た。次の北海道はもちろん勝ちにいくが、自分の走りをすることを最優先に考えるようにしたい」

渡辺学選手談（4位/4位：総合4位）

「両ヒートの1周目、2周目は、スタートが良くなかったのでとにかく前に行こうと意識していた。ヒート2では転倒したライダーをよけるのに時間をロスした。小島選手が順調に飛ばしていたので追いつきたい一心だった。小島選手のラインがあまり良くないのが見えたのでかわすことが出来たが、今度は逆にラインを見られてしまってかわされた。その後は、同じラインで走っているから再びかわすのは難しいと思った。でも今日は上位に残ることができたし、次戦ではチャンスを活かして表彰台に上がりたい」

釘村忠選手談（9位/5位：総合7位）

「チームメイトの成績がいいので負けてはいられないと思い、いい刺激になっている。今日のレースではもっとプッシュできたはずなのに後ろが気になってしまった。気持ちでも負けないように、また、さらに走りこみをして次の北海道大会に備えたい。気持ちを入替えてこれからが勝負だ」

光安鉄美、ジュビロ・レーシング・チーム監督談

「尾崎選手は前回の中国大会で総合3位と調子が上向いてきていただけに今日の結果には満足ではないだろう。Team YZのライダーに押さえ込まれる形になっているから非常に良い刺激になっていると思う。シーズンも後半戦に入るが、尾崎選手ならそろそろ素晴らしい結果を見せてくれると思っている」

川崎智之Team YZ監督談

「チームがまとまって上位に食い込んでくれたのは良かった。小島選手の調子が良く、他の2人のライダーがそれに引っ張られる形になってくれているようで形としては悪くない。渡辺選手に関しては特にこのまま上位へ出遅れていてはまずいといった感じが出ていたが、それが上手く成績に出たので良かった。小島選手については、他のライダーが後ろからプレッシャーをかける状態が続いていたのでいい刺激の中で走れたのではないかと思う。でももっとプッシュして2位に入ることができたようにも感じている。釘村選手は今は調子に乗れてないだけ。シーズンここまでのところ出遅れているだけに焦りがあるのだろうと思う」