全日本モトクロス選手権 IA2

RACE DATA

■大会名称：2006全日本モトクロス選手権 第5戦九州大会
■カテゴリ：IA2クラス
■開催日：2006年6月11日（日）
■開催地：熊本県／HSR九州
■レース時間：（30分＋1周）×2ヒート
■天候：曇り

REPORT

YZ250FMを駆る尾崎が総合6位！

全日本モトクロス選手権第5戦・九州大会が6月11日（日）、HSR九州（熊本県）にて開催された。ここまで4戦を終え、トップの平田優から5位の尾崎友哉までは僅か32Pとランキング争いは5人が抜け出した形となっているIA2。ここまで上位陣は安定したレースを繰り広げているが、1つのヒートでノーポイントとなれば、大きく順位が入れ替わってしまう状況。毎戦気を抜けないレースが繰り広げられており、今回も上位陣の争いに注目が集まった。

ヒート1、第1コーナーをトップで通過したのは平田、その後に小島庸平（S）、新井宏明（K）、勝谷武史（H）、久保涼平（K）、尾崎と続く。2周目、トップは変わらず平田がキープし、その後に小島、勝谷、新井と続くが、小島が1コーナーで転倒し4番手へ、新井が勝谷をかわし2番手に浮上すると、今度は4周目に新井が転倒し順位を落とし、小島が勝谷をかわして2番手に浮上するという目まぐるしい展開となる。しかしトップの平田は安定した走行で後方を徐々に突き離しながらレースを進め、序盤のうちに独走体制を築く。2番手争いは小島、勝谷、そして深谷が加わりその後も混戦となる。

しかし、平田のマシンにトラブルが発生。みるみるうちに2番手グループとの差が縮まり、11周目に小島と入れ替わると、平田はその後も順位を落としていく。さらに12周目、深谷が小島をかわしトップに浮上すると、そのまま後続を引き離し今季初優勝を飾った。

ヤマハでは、尾崎が7番手でレースを展開。一時6番手まで順位を上げるが、再び順位を落としそのまま7位でチェッカーとなった。また2周目に14番手と大きく出遅れていた渡辺学は、レース序盤から積極的な追い上げをみせ、7周目に尾崎の後方8番手に浮上。その後は尾崎、その前方の井上眞一（K）とともにグループを形成しレースを展開。そして13周目に尾崎、16周目に井上をかわし5番手にポジションをアップし、そのまま5位でフィニッシュとなった。

ヒート2、スタート第1コーナーは混戦となり、僅かながら平田がトップ、並んで井上、後方に加藤吏一（K）、小島、新井が続く。2周目に入っての順位は平田、小島、井上、新井、加藤、深谷。尾崎はスタートで遅れをとり9番手でファーストラップを終える。2周目、小島がトップを奪取し、平田とのバトルを繰り広げる。その後方ではそれぞれ順位を上げた新井と深谷が3位争いを展開する。しかし順位の変動はないまま周回を重ね、トップの小島は少しずつ平田を引き離すと、新井、深谷がこの平田を吸収し、3人での2位争いを繰り広げる。そして9周目に深谷が新井をかわし3番手に浮上。さらに深谷は13周目に平田をかわして2番手に上がり小島を追うが、その小島はリードを保ったまま、トップでフィニッシュ。2位は深谷、3位は平田となった。

尾崎は、1周目を9番手で終えた後、6周目までに6番手までポジションを上げる。その後は渡辺を後方にしたがえて周回を重ねる。11周目に渡辺が前にでて7番手に落ちるも、その渡辺がマシントラブルでリタイヤとなり、再び6番手となる。しかしその後はペースが上がらず、そのまま6位でフィニッシュとなった。

COMMENT

尾崎友哉選手談（7位/6位）

「熊本はもともと苦手なコースだとはいえ、今年で最も悪いレースとなってしまった。ヒート1では、スタートに失敗。その後はいつもと同じように序盤のうちに追い上げることができたが、そこからラインが悪くなり攻めきれずに終わってしまった。ヒート2はヒート1よりもさらにスタートで出遅れてしまったが、レース前半で挽回し、"さあここから"というところでペースが上がらず、ズルズルとレースを進めてしまった。

今回はレース前にカゼをひいてしまい、体調が万全ではなかったこともあるが、このようなレースを続けていけば、今後のランキング争いは苦戦することになってしまう。練習やトレーニングも大切だが、体調管理もしっかり行っていかないといけないと感じた。ただし、このような状況の中で、7／6位という順位に入れたのは良かったのかもしれない。次の北海道は得意なコースなので、今回の悔しさをぶつけたいと思う」

鈴木健二ヘッドコーチ談

「今日のレースを見ても分かるように、尾崎選手は小島、平田、勝谷、新井といった各選手に比べ、トップスピードや瞬発力といった部分で、まだ肩を並べていない状況にある。この原因としては、昨年、怪我のためにトップレベルの選手達とのレース経験が少ないことが挙げられる。しかし今シーズンは両ヒートでコンスタントに入賞できるようになったというところを見ると、確実に成長している。後半戦の目標は開幕の時のようにトップ争いをして、表彰台に立つこと。それを続けていけば、上位ライダーとの差も着実に詰まってくるし、そのスピード感やプレッシャーに慣れることができれば、優勝もそう遠くないだろう」