ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月19日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:第3戦アルゼンチンGP
■開催日:2015年4月18日(土) 予選2日目
■開催地:テルマス・デ・リオ・オンド/アルゼンチン
REPORT
ロレンソは2列目発進
アルゼンチンGPの2日目は好天に恵まれ、Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシはドライ・コンディションでの走行を楽しんだ。午後から行われた公式予選ではロレンソが5位を獲得してセカンドロウ。ロッシは8位に留まり3列目からのスタートが決定した。
ロレンソはいつものように真っ先にコースイン。素早くペースを上げると、すぐさま39秒の壁を破る1分38秒485をマークして2位へ。残り7分でピットに戻り、タイヤを新品に交換して2回目のアタックに臨んだが、前半のタイムを更新することができなかった。終盤でライバルたちが上回り、ロレンソは5位となった。
一方のロッシは1回目のアタックで1分39秒631を記録して8番手。その後ペースを上げて1分39秒116まで短縮し、一時5位に浮上したあと再び下げて6位。ここでピットに戻りリアタイヤを新品に交換。残り6分でコースに戻り、最後のアタックで1分38秒890まで更新した。
スミスが予選10位
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスは4列目の先頭の位置を獲得。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションを13位で終えてQP1に進んだスミスは、第4セッションにセッティングを変更して臨み12位。そしてQP1では1分38秒956の好タイムをマークしてトップに立った。これによって15分間のタイムアタックへと進出。上位を目指して果敢に挑み、6ラップ目には1分39秒197を記録して10位グリッドを確実にした。明日の決勝では今回もまた、トップ・サテライトのポジションを目指す。
一方、スミスのチームメイトのP・エスパルガロは、厳しい状況を耐え抜いて18番グリッドを確保。ベストラップは1分39秒808だった。フリープラクティス第3セッションでは、わずか0.014秒差で11位に留まりQP2への進出ならず。そのためQP1に出場したが、ここでも思うようにペースが上がらず、QP2進出のチャンスをつかむことができなかった。エスパルガロは明日の決勝に照準を合わせており、好スタートからペースを上げてトップ10入りを狙う意気込み。
Athinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズは16位と22位。
ブラドルは依然としてタイヤのフィーリングをつかみきれずに苦戦しているものの、全体的な進歩を実感。1分39秒734を記録してオープンクラスの3位につけた。一方のバズもタイヤのフィーリングで悩んでおり、ベストラップは1分39秒972。明日の決勝では、シーズン初ポイントを狙う。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'37.802 |
2 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'38.316 |
3 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'38.467 |
4 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'38.485 |
5 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'38.485 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'38.520 |
7 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'38.786 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'38.890 |
9 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'39.187 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.197 |
11 | S・レディング | EG 0.0 Marc VDS | Honda | 1'39.380 |
12 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'40.526 |
13 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'39.405 |
14 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'39.434 |
15 | 青山博一 | Repsol Honda Team | Honda | 1'39.715 |
16 | S・ブラドル | Athina Forward Yamaha | Yamaha | 1'39.734 |
17 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'39.758 |
18 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'39.808 |
19 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'39.828 |
20 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'39.876 |
21 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'39.888 |
22 | L・バズ | Athina Forward Yamaha | Yamaha | 1'39.972 |
23 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'40.133 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'40.403 |
25 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'40.485 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選5位/1分38秒485)
「序盤はペースが良かったが、リアタイヤが消耗すると落ちてきてしまった。1周目はとても良かったのに、2周目ではたくさんのミスをしてタイムを更新することができなかった。それさえなければ2位をキープできていたはずなので、とても悔しいよ。でもこれがレースというもの。ときにはパーフェクト・ラップがとれないことだってある。明日の決勝はたぶん、リアタイヤに硬めのものをチョイスすることになると思う」
V・ロッシ選手談(予選8位/1分38秒890)
「もっとうまく走れると思っていたから、この結果は非常に残念。作戦が完璧でなかったらしく、たくさんのマシンに阻まれてしまってペースを上げることができなかった。その一方で、ハード・コンパウンドのタイヤを装着したときにマシンがとても好調に走ってくれたことは、決勝に向けて良い材料になった。課題がまだいくつか残っているので、明日までになんとか解決して、ベストの状態で決勝に臨めるように努力したい。ノーマル・タイヤが柔らかすぎるので、明日はリアにエキストラ・ハードを履くことになるだろう」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「公式予選は期待通りには運ばなかったが、昨日のフリープラクティスから一歩一歩、前進してこられたことには満足している。そして今日の午前中のフリープラクティス第4セッションでは、非常に良いペースで走ることができた。明日の朝のウォームアップ・セッションでは、またもう一歩前へ進み、午後からの決勝に備えたい。タイヤ・チョイスはすでに決定したので、あとはチューニングをさらに磨くことに集中していくことになるだろう。ホルヘもバレンティーノもコンスタントに速く、バレンティーノは第4セッション終盤でベストラップを更新。ユーズド・タイヤでもハイペースを維持できることを証明した。ふたり揃っての表彰台も現実的な目標だ」
Monster Yamaha Tech 3
B・スミス選手談(予選10位/1分39秒197)
「今回もまたQP1を走ることになったことは理想的とは言えないね。でもそこで十分な好タイムを記録し、QP2へ進むことができたのは良かったと思う。決勝で使おうと思っているコンパウンドのフロントタイヤのが、ひとつしか残っていなかったので、QP2ではユーズドを履かなければならなかった。そのため、いつものようにハードにプッシュすることはできなかったけれども、終わってみれば、すでにレース距離を走行済みの中古タイヤでまずまずと言える仕事ができたんだ。本来ならあとひとつ、あるいはふたつ上へ行くことができたはずだが、ここまでの経緯を考えれば10位はなんとか受け入れられる範囲。このあとは、決勝に向けて今まで以上に集中していくだけ。タイヤの消耗の激しいコースだけに、25ラップにわたってマシンの好調をキープすることが重要。それによってラップタイムも大いに違ってくるだろう。だから明日のウォームアップ・セッションではそこに集中していく。チームのみんながここまで頑張ってくれたおかげで、走りやすく、気持ちよく乗れるマシンになり、さらにもう一歩、前へ進むべく方向性も見えてきたところ。ウイークのなかではちょっと遅いかもしれないけれど、日曜日の決勝がすべてだからね」
P・エスパルガロ選手談(予選18位/1分39秒808)
「今日はまったくうまくいかなかった。満足とは程遠いところにいることは言うまでもない。決勝用のセッティングでリズムをつかむことに集中し、最初のふたつのフリープラクティスでは両方のコンパウンドをテスト。それに加えてエキストラ・ハードでたくさん周回した結果、ペースが非常に良いことを確信していたんだ。それだけに、わずか0.014秒差でQP2へ進むことができなかったことは非常に残念。ファクトリー勢にもコンマ3秒差まで近づいていたんだけどね…。でもその時点でまだ自信は失っていなかった。みんなのレベルが拮抗しているし、柔らかめのタイヤを使用できるファクトリー勢がさらに伸びていくので、このようなことが起こりうることはシーズンの初めからわかっていたこと。ところが、実際の走行は最悪の状況になってしまった。セッション後半で何が起きたのか、しっかりと分析しなければならない。2回目のアタックを狙っていたが、そのようなハイペースの走りができないことに気づかされてしまったんだ。何が悪かったのか、正直なところわからない。とにかくペースを上げてタイムを更新するのは不可能だった。18番手からのスタートは非常に苦しい状況だが、あとはひたすら根気強く、ポジションアップを目指す方法を熟慮することが必要だろう。難しい戦いになることは間違いないが、これまではフィーリングも良かったわけだから、自信を持ち続けて少しでも順調に乗り切れるよう努力する」
Athinà Forward Yamaha
S・ブラドル選手談(予選16位/1分39秒734)
「昨日と比べると、マシンは格段に良くなった。大きな一歩を進めることができたんだ。でも最初の2、3ラップでタイヤへの信頼失ってしまい、それからペースを上げることができなかった。決勝への準備はできている。ライバルたちがみんな接近しているなか、オープンクラスのトップを目指したい。そのためには最初から上位に近づいていくことだ。不可能なことは何もない。これからまたデータ分析を始めるよ」
L・バズ選手談(予選22位/1分39秒972)
「このポジションに満足だとは言えないけれど、昨日と比べればとても大きな進歩があったんだ。セッティングについては新しい解決策を試し、これでフィーリングが向上した。ただ残念だったのは、セッション開始直前に気温が上昇してコンディションが変化したため、本来計画が思い通りに進められなくなってしまったこと。全体的に見ればラップタイムも悪くなかったし、ライバルたちとの差も大きくないので、決勝ではきっといい戦いができると思う。タイヤには厳しいレースになるだろうが、どんな状況でも上位グループについていくことを目標に頑張るしかない」