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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.18 11月6日 バレンシア

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第18戦バレンシアGP
■開催日:2011年11月6日(日)決勝結果
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005 km)
■周回数:30周(120.15 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:17度 ■路面温度:16度
■PP:C・スト―ナー(1分31秒861/ホンダ)
■FL:A・ドビツィオーゾ(1分34秒167/ホンダ)

REPORT

スピース2位、クラッチロー4位、中須賀6位、ヘイズ7位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースが2位。J・ロレンソに代わって出場した中須賀克行は6位でゴール。モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローは4位でゴール、2011年度ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。C・エドワーズに代わって出場したJ・ヘイズは7位となった。

スタート直後にA・バウティスタ(スズキ)がひとりで転倒し、これにV・ロッシ(ドゥカティ)らが巻き込まれるアクシデントとなり4台が戦線離脱。C・ストーナー(ホンダ)が上手く飛び出してレースを引っ張る展開。2番手争いは、A・ドビィオーゾ(ホンダ)、D・ペドロサ(ホンダ)、スピースと続く。ストーナーが独走していくなか、2番手争いの3人は常にダンゴ状態のまま終盤へ。

終盤24周目、スピースはついにペドロサをパスして3番手に。2周後にはドビツィオーゾを抜いて2番手に上がった。一時はストーナーに大きく引き離されていたスピースだったが、この時点でその差は約1.6秒。小雨がパラつくなか、ストーナーがややペースを落とすが、逆にスピースは追い上げ28周目についにトップに浮上。スピースは首位を守ったままその後の2周を走りきり、最終コーナーもクリアーし、ゴールラインを迎えたがライン寸前で再びストーナーが猛追、スピースは僅差(0.015秒差)の2位ゴールとなった。

中須賀は好スタートで1周目を8番手で通過。その後ひとつ順位を下げ、終盤までT・エリアス(ホンダ)の後方につけ9番手をキープ。終盤に入ってチャージをかけた中須賀は、エリアス、L・カピロッシ(ドゥカティ)らを次々パスし、初出場で堂々の6位ゴールとなった。

グリッド11位からスタートしたクラッチローは、スタート直後第1コーナー手前で発生した4台のクラッシュを避け5位に浮上。その後はルーキー・オブ・ザ・イヤーのライバル、K・アブラハム(ドゥカティ)とバトルを展開した。僅か1ポイント差で最終戦を迎えたふたりは、終始1秒と離れることなく何度も順位を入れ替えながら5位を競り合い終盤になって雨が強くなると、2台の戦いもさらに激しさを増していった。クラッチローはマシンを限界までプッシュできる場所をしっかり見分け、最終ラップでペドロサをとらえて4位に浮上。アブラハムも遅れまいと懸命についてきたが、バトルが激しくなると11コーナーのブレーキングでミスをして転倒。クラッチローは自己ベストでゴールし、同時に800ccマシンではイギリス人として最高成績を記録。ランキングでは12位となった。

一方のヘイズも、モトGPデビューで7位獲得の大健闘。悪天候に苦しみながらもマシンとタイヤに適応し、カピロッシ、H・バルベラ(ドゥカティ)、青山博一(ホンダ)らをパス。そして残り5ラップではエリアスをとらえて7位に浮上し、多くのベテランライダーを抑えてゴールした。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C・スト―ナー Repsol Honda Team Honda 48'18.645
2 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha +0.015
3 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda +5.936
4 C・クラッチロー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +8.718
5 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda +9.321
6 中須賀克行 Yamaha Factory Racing Yamaha +23.818
7 J・ヘイズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +33.118
8 K・アブラハム Cardion AB Motoracing Ducati +37.952
9 L・カピロッシ Pramac Racing Team Ducati +48.953
10 T・エリアス LCR Honda MotoGP Honda +52.501
11 H・バルベラ Mapfre Aspar Team MotoGP Ducati +1'06.519
12 青山博一 San Carlo Honda Gresini Honda +1'08.760

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 C・スト―ナー Honda 350
2 J・ロレンソ Yamaha 260
3 A・ドビツィオーゾ Honda 228
4 D・ペドロサ Honda 219
5 B・スピース Yamaha 176
6 M・シモンチェリ Honda 139
9 C・エドワーズ Yamaha 109
12 C・クラッチロー Yamaha 70
18 中須賀克行 Yamaha 10

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Honda 405
2 Yamaha 325
3 Ducati 180
4 Suzuki 73

COMMENT

B・スピース選手談(2位)

「雨が降って難しいコンディションになってしまった。この状態ではどこまでプッシュしていけるのかわからなかったので、とにかく走りに集中し、マシンを無事にゴールまで持ち帰ることだけを考えていた。そのなかでペドロサやドピツィオーゾについていき、最後に彼らをパスし、そしてケイシーがミスをしたところで前に出ることができた。それで目の前に誰もいなくなると、路面がどのくらい滑りやすいのかの判断がしにくくなって、最終ラップはスピードの感覚もわからなくなってしまったんだ。でも今はとても満足している。終盤で力強く攻めることができて、このような良い結果で終わることができたのだから。

先月の様々な出来事を考えれば、このような形で最終戦を戦うことができて本当に良かったと思う。このあとはテストのほうに集中し、来シーズンも今年以上にいい戦いができるようにしっかり準備したい。素晴らしいマシンを用意してくれたヤマハとチーム・クルーたちに心から感謝している。今朝、皆で集まって大きな声でマルコにお別れを言った。彼はきっと聞いていてくれたと思うし、きっと喜んでくれたと信じている」

中須賀克行選手談(6位)

「決勝で6位に入れるなんて、とても驚いているよ。天気が悪かったので序盤はとてもナーバスになっていて、とにかく完走することだけを考えていた。日本でのレースは30分間だけなので、その約2倍もの長さを、集中力をキープできるのかどうかも不安だったんだ。でも最終的にこのような結果を得ることできて、いまは本当にうれしい。最後の5ラップはペースを上げるのが難しい状況だったので、かなりリスクもあったが、僕としては失うものは何もないので、とにかくできる限りプッシュしていきたいと思っていた。本物のグランプリに出場できたことはすごい経験で、これを今後の開発作業に役立てることができるというだけでなく、この好成績を喜ぶことができたことはとても大きい。天候が逆に味方になってくれたのだと思う。レースを楽しむことができたし満足している」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談

「信じられないほど素晴らしい結果。そして同時にとてもエキサイティングなレースだった! ふたりの活躍に満足している。中須賀の6位も見事なものだ。ドライで30ラップ、そしてウエット・コンディションでプッシュしていくのは非常に難しい。そのなかでグランプリの常連よりも前でゴールしたのだから、本当によく頑張ったと思う。ベンの2位獲得も非常に素晴らしい。ゴールライン直前で抜き返されてしまったのは残念だったが、全体的には最高のウイークになった。このあとは2012シーズンの準備のためにテストのほうに始める」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談

「何というレースだ! 非常に難しい戦いだったことは間違いない。ベンはすべてにうまく対応し、とても良い仕事をしてくれた。結果的にわずか0.015秒差で優勝を逃してしまったのは残念だったが。最終戦をどのように締めくくるかは、私にとって非常に重要なこと。これで良い状態で来シーズンのためのスタートができる。中須賀も見事な成績をつかんだ。正直、ここまでやってくれるとは思っていなかったのだ。ヤマハのGP50周年に相応しいレースができたと思う。火曜日から2日間、非常に重要なテストを行う。好調のベンは士気も高く、すでにテストのほうに集中している。このままプッシュし続け、来季に備えるために懸命に取り組む」

C・クラッチロー選手談(4位)

「最終戦としては非常にドラマティックな展開になった。しかもルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得することができたので、とても感激している。もちろん、4位獲得も同様にうれしい。だって本当に難しいレースだったから。第1コーナーで何が起きたのかは、よくわからなかったが、そこを抜けたら6位くらいまで上がっていた。そのあとは、とにかく最大限プッシュしていったんだ。アブラハムとのバトルは、最後までかなり接近していて、ふたりとも持てる力を全て注いで頑張った。

路面がとても滑りやすく、いつ転倒してもおかしくないくらいの状況だったんだけれど、終盤雨が強くなったあとも、さらに身体を伏せてプッシュし続けたよ。ペドロサにはすぐに追いつくことができた。が何か問題を抱えていたのかもしれないし、あるいは僕のほうがハードにプッシュしすぎたせいかもしれない。だからその後は少しペースを落としたら、またアブラハムが追いついてきたんだ。だから決着は最終ラップにもつれ込み、そこで彼が小さなミスをした。彼が後ろからぶつかってきたんだ。でもそこを何とかこらえて、この自己ベストを獲得することができた。

良い形で最終戦を終えることができたので、良い形で2012年の準備をスタートすることができる。今年は本当に良い経験になって、多くを学ぶことができた。来年に向けてまだたくさんの課題があるが、着実に次のステップに進めると確信している。モチベーションをキープして来年に臨む。まずは火曜日、ヤマハの1000ccのテストが楽しみだ」

J・ヘイズ選手談(7位)

「エキサイティングで難しいレースだったけれど、きっと忘れられない一戦になるだろう。午前中のウォームアップでトップのタイムが出たあと、チームスタッフと一緒にランチを食べながらジョークを言ったんだ。"今日はもう終わりにして帰ろうか"ってね。いざ決勝になると非常に難しいコンディションになってしまったんだけれど、カーボンブレーキとブリヂストンを装着したYZR-M1はとても乗りやすくて、走りを楽しむことができたんだ。

最初から最後までフィーリングは完璧で、結果、トップ10入りが実現した。第1コーナーで大勢が転倒リタイアしたことは残念だったけれど、僕自身は自分のレースと走りに満足できた。そして多くのベテランライダーを抑えてゴールできたことを誇りに思うよ。いつかまたきっと、モトGPマシンに乗りたい。このようなチャンスを与えてくれて、僕をサポートしてくれた全ての人にお礼を言いたい。ヤマハUS、GYTR、YES、そしてエルベ・ポンシャラル。皆が暖かく迎えてくれたんだ。僕はコースで本当に楽しむことができた。彼らも、僕の走りを楽しんで見ていてくれたと思う」

H・ポンシャラル、モンスター・ヤマハ・テック3チーム、チームマネジャー談

「厳しい状況のなか非常に難しいレースになった。とくに路面のグリップ性を把握するのは大変だったと思う。しかしその中でクラッチローは素晴らしい仕事をしてくれた。最終戦でこのような好成績を残してくれたことに、非常に満足している。今日のような厳しい条件のもとで、モトGPで上位を獲得するのは簡単なことではない。それだけ見事な仕事ぶりだった。終始速さをキープし、最後まで激しいバトルを展開した。2年連続のルーキー・オブ・ザ・イヤーの受賞はモンスター・ヤマハ・テック3チームにとっての誇りであり、彼にとっては、今季の経験が来年につながる意味で、とても重要なものになったことだろう。

ヘイズのほうも本当によく頑張った。初めての経験で、コースとマシンを知るところから始めなければならず、しかも天候に恵まれずに大変な苦労だったと思う。素晴らしい速さを持ち、同時に非常にプロフェッショナルなライダーだ。この3日間で一度もミスをせず、コーリンの代役としては彼以上のライダーはいなかっただろう。最後に、コーリンに100万回のありがとうと、さよならを言おう。

1日も早く良くなって、またサーキットで再会するのを楽しみにしている。彼はテック3にとっての非常に有能な大使で、我々のモトGP参戦の中で、最も力のあるライダーだった。彼の離脱は非常に残念だが、残してくれた思い出は永遠に我々とともにある。新しい挑戦の成功を祈る」

 辻 幸一、MS開発部 モトGPグループリーダー談

「前回セパンGPでのシモンチェリ選手の不幸から二週間。チーム、スタッフ、ライダーが彼を偲びゼッケン「58」を各所に散りばめての最終戦となりました。今週末は初日から非常に変わりやすい天候に加え、路面の状況もはっきりせずレースを迎えました。若干の雨混じりではあったものの、スリックタイヤで果敢に攻めたスピース選手が過去2戦の欠場を晴らす走りを見せ、10秒差を逆転してトップに立つも、最終ラップの最終コーナー立ち上がりで0.015秒差でかわされ2位。ロレンソの代役で出場した中須賀選手も素晴らしい走りで6位。モンスター・ヤマハ・テック3のカル選手は今年最高位の4位。コーリンの代役として今回初めてモトGPマシンに乗車したジョス選手もAMAチャンピオンの実力を発揮して7位となり、今シーズンを良い形で締めくくることができました。

今年はヤマハ発動機の世界GP参戦50周年というメモリアルイヤーで、世界各地で記念イベントを開催し世界中のモータースポーツファン、ヤマハファンの方々に感謝の気持ちを表すとともに、モータースポーツの素晴らしさを広めることができたと思います。今シーズンはこれで終了ですが、明後日から引続き来年に向けたテストがここで行われます。来年はチャンピオン奪回を目指してチーム、スタッフ一同チャレンジャーとして立ち向かう所存です。引続き皆様のご支援、ご声援をよろしくお願いします」

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