全日本トライアル選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月13日 関東
RACE DATA
■開催日:2016年3月11日
■開催地:茨城県・真壁トライアルランド
■観客:2,550人
■気温:8度
■天候:曇り
■競技:12セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:5時間(12セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/20
REPORT
黒山健一が開幕戦で2位
いよいよ開幕した全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の第1戦は、今年も茨城県の真壁トライアルランドで行われた。YAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦する黒山健一(ゼッケン2)は、リアサスペンションをリンク付きにするとともにエンジンの吸排気系やフレームを一新するなど戦闘力アップしたTYS250Fに乗り、4年ぶりの王座奪還&通算12回目のチャンピオン獲得(史上最多王座獲得記録更新)をめざす。
大会当日は曇り空で冷え込む空気の下、最高峰の国際A級スーパークラスの競技は5時間の持ち時間で12セクションを2ラップした後、より難易度が高く観客が見やすい場所に設定された2つのスペシャル・セクション(SS)に挑んだ。セクションは新たな難所が数多く用意され、観客を楽しませた。昨年はこの会場で開幕優勝している黒山は、大会前日にセクションを下見した時点では、第5、第8、第10セクションが勝負どころになるのではないかと話していた。
1ラップ目、黒山は第1セクションから第3セクションまでをそれぞれ減点0で走り、出だしは好調だった。しかし、第4セクションの岩上りで失敗、減点5を喫してしまう。一番のライバルである小川友幸(ゼッケン1)はここを減点1で走り、黒山は4点差をつけられることになった。だが、勝負はまだ始まったばかり。勝負どころの第5セクションは黒山が減点2(合計7点)、小川は減点5(合計6点)となり、その差は1点に縮まった。さらに第8セクションで黒山減点1(合計8点)、小川減点5(合計11点)となった結果、黒山が小川を逆転してトップに立った。ところが、第10セクションは黒山減点3(合計11点)、小川減点0(合計11点)となったため、1ラップ目終了時点では両者同点でトップに並び、クリーン(減点0)の数が1つ少ない黒山が2位となっていた。
2ラップ目に入り調子を上げた黒山は、なんと足着き4回のみの減点4で12セクションをこなし、最少減点4をマーク。小川も減点5で回ったが、1ラップ目との合計では黒山(減点15)が1位、小川(減点16)2位。黒山がトップに立っているとはいえ、わずか1点差という大接戦のまま、勝負はついにSSまでもつれこんだ。 SS1つ目のセクションは、最後の崖上りでほとんどの選手が上がれずに失敗していた。黒山はここを下から一気に上がろうとしたが、最後の上りの手前で一旦停止。やや勢いを欠いた状態で足を着きながらも、絶対に減点5にはならないように上がりきった。結果は減点3。小川はここを減点0とした。そして2つ目のセクション(最終セクション)は両者ともクリーン。結局、黒山は惜しくも2点差で2位となったのだった。
次回第2戦・近畿大会は4月17日、奈良県の名阪スポーツランドで行われる。
RESULT
RIDERS RANKING
COMMENT
黒山健一選手談(2位)
「SSを2つともクリーンして優勝を決めたかったですが、残念でした。勝つチャンスはいくらでもあったのですが、なにしろ1ラップ目の第4セクションでの減点5が非常に痛かったですね。発進ミスでした。タイミングが合えば上がれるし、合わなければ上がれない、紙一重の結果でした。SS1つ目のセクションは、ちょっと勢いをつけすぎました。確かに2ラップ目終了時点ではトップでしたが、全体的にもう少し落ち着いて試合を進められたのではないか、と思います。悔いや反省点は沢山ありますが、内容は前向きだったので満足しています。次の第2戦近畿に向けてしっかり乗り込んで、今度はしっかり勝ちたいと思います」
木村治男監督談
「これが勝負ですね。こちらは一生懸命だし、相手も一生懸命にやっている、真剣勝負なので。反省点はありますし、良いところも一杯あったので、黒山選手と色々相談をして第2戦に備えたいと思います。今回はSSの前までは小川選手を1点リードしていたので、彼との距離はもう無いですから。あとはやはり集中力とか、どちらがより“勝ちたい”と思っているか、になると思います。私はその応援をします」