全日本モトクロス選手権 IA
ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。
Rd.01 4月7日 九州
RACE DATA
■大会名称:2013全日本モトクロス選手権第1戦九州大会
■カテゴリ:IA1クラス
■開催日:2013年4月7日(日)
■会場:熊本県・HSR九州
■レース時間:(30分+1周)×2ヒート
■天候:曇り ■観客: 5,300人
REPORT
IA1:第1ヒートで平田が、第2ヒートでは田中が2位表彰台を獲得!
2013年、全日本モトクロス選手権が九州は熊本県のHSR九州で開幕した。ヤマハトップチームである「ヤマハ・YSP・レーシング・チーム」は今年、昨年から継続の田中教世に加えて、昨シーズンランキング3位の平田優選手を迎え、さらにファクトリーマシン「YZ450FM」を投入。心機一転、2011年以来のチャンピオン奪還を目指し、新体制を整え開幕に臨んだ。
その開幕は、前日の降雨によりマディーコンディションで行なわれ、新シーズンを迎えるライダーたちに厳しい洗礼を浴びせた。その中で「ヤマハ・YSP・レーシング・チーム」の2人は、九州のYSP応援団の大声援を受け、平田が移籍後初レースとなる第1ヒートで2位を獲得すると、田中も第2ヒートで昨年このコースで獲得して以来となる2位表彰台に立ち、チームとしてチャンピオン奪還に向けて幸先の良いスタートを切った。
第1ヒートは、昨日の雨の影響で路面はハードなマディー。この難しいコンディションのなか、ホールショットを奪ったのがファクトリーマシンYZ450FMを駆る平田優。これに小方誠(ホンダ)、池谷優太(スズキ)、そしてディフェンディングチャンピオンの成田亮(ホンダ)が続く。田中教世は少し遅れ中盤あたりで第1コーナーをクリアする。
1周目の混戦のなか平田はトップを守ったまま2周目に入ったが、2番手で続いた成田が、この2周目に平田の背後に急接近。テール・トゥ・ノーズに持ち込まれると、コーナーの攻防で平田はトップを奪われてしまうが、成田のペースに食らいつき、アクシデントがあればすぐにでも逆転できるポジションでレースを進める。しかし、中盤以降も2人の差は埋まらず成田が優勝。平田は2位にとどまったが、ヤマハ加入後初のレースを2位表彰台という成績で終えた。なお、3位は熱田孝高(スズキ)となった。
一方の田中は1周目を8番手で終えるとすぐに7番手に浮上し、3番手の小方まで約10秒差のポジションでレースを進める。序盤はじわじわ前方との差を詰めていったが、7周目の第1コーナーでマシンがストップ。これで10番手まで順位を落とした田中だったが、再スタート後はペースを取り戻し10位でチェッカーを受けた。
第2ヒートは、第1ヒートの平田に続き、田中が好スタートから成田に並びかけるように2番手で第1コーナーをまわると、成田の背後で2周目に入る。2人はその後、1〜2秒の僅差のバトルを演じ、ミスの許されない緊迫した展開ながら、ともに安定感のある走りを続ける。後半に入ると田中は徐々にペースを落とし成田の先行を許したが、最後までポジションをキープし2位でフィニッシュ。昨年の開幕戦からちょうど1年ぶりとなる表彰台を獲得して、自身の存在を改めてファンに知らしめた。
中盤からスタートした平田は、1周目を9番手で終えるが、序盤は周を重ねるごとに順位を上げ6周目には5番手の星野裕(カワサキ)を捉える。ところがその直後の7周目に転倒。再スタートを切ったものの8番手まで順位を落としてしまうが、そこからは安定感を取り戻して最後まで走り切り、8位でチェッカーを受けた。
なお、総合成績のトップ3は成田、小島、小方の3人に譲ったものの、平田が4位、田中が5位を獲得しており、次回の第2戦ではさらなるポジションアップが期待される。
IA2:安原が第1ヒート5位入賞、総合では齊木が8位
第1ヒートで名阪レーシングの安原志が好スタートから6番手とすると、マディコンディションの影響で上位の2選手が転倒。これで2つ順位を上げるが、すぐに5番手に順位を落としてしまう。しかしその後は、ポジションを守って5位入賞を果たし、幸先の良いスタートを切った。なお、優勝は富田俊樹(ホンダ)、2位は井上眞一(カワサキ)、3位は竹中純矢(カワサキ)。
第2ヒートは、齊木達也が好スタートで序盤4番手、これに若干出遅れた安原が9番手で続く。安原は序盤から積極的なレースで7番手まで順位を上げるが、その直後に転倒してリタイア。齊木も中盤以降順位を落としたが12位として総合8位を獲得した。優勝は竹中、2位は富田、3位は山本鯨(ホンダ)となった。
レディース:伊集院が5位入賞
マディーコンディションのため、ショートカットされたコースで決勝が行なわれたレディースクラスは、安原さや(名阪レーシング)のホールショットで幕を開ける。しかし、安原は1周目に転倒。これで畑尾樹璃(カワサキ)、邵洋子(スズキ)、伊集院忍(RF NARIMASU)という順位で2周目に入る。
上位2人が逃げるなか、伊集院は竹内優菜(ホンダ)とのバトルとなり4周目に4番手に後退。その後トップの畑尾が転倒し再び3番手に浮上するが、その後は畑尾に逆転を許し4位でレースを終えた。一方の安原は9番手からの猛追で5番手まで浮上するが、再び転順位を落とし7位でゴールとなった。優勝したのは邵、2位は竹内、3位は畑尾。
次回の第2戦関東大会は、ウエストポイントオフロードヴィレッジ(埼玉県)で4月20・21日に開催される。
IA1 RESULT Heat.1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'28.673 (14Laps) |
2 | 平田 優 | YAMAHA YSP Racing Team | Yamaha | 33'35.621 |
3 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'41.085 |
4 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'43.095 |
5 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 34'20.993 |
6 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS | Honda | 34'27.090 |
7 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 34'49.013 |
8 | 三原 拓也 | K. R. T. | Kawasaki | 34'51.223 |
9 | 深谷 広一 | TEAM MOTO SPORTS FUKAYA | Honda | 35'26.239 |
10 | 田中 教世 | YAMAHA YSP Racing Team | Yamaha | 35'32.201 |
11 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 35'35.159 |
12 | 斉藤 崇 | SRF関東オートスポーツ清水 | Suzuki | 35'55.388 |
13 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ ジャッジメント | Kawasaki | 34'08.073(-1Lap) |
14 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off YSP HO | Yamaha | 34'13.401(-1Lap) |
15 | 池谷 優太 | Team SRM with マウンテンライダーズ | Suzuki | 34'33.440(-1Lap) |
16 | 増田 一将 | Team CRF&kazu Racing Project | Honda | 35'30.179(-1Lap) |
17 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Suzuki | 33'32.392(-2Laps) |
18 | 谷本 功志 | TSKレーシング | Honda | 33'40.919(-2Laps) |
19 | 鎌倉 大樹 | レーシングチーム鷹 | Yamaha | 33'51.418(-2Laps) |
20 | 高原 佳紀 | SRFスポーツ九州 | Suzuki | 33'55.139(-2Laps) |
21 | 中村 泰介 | RACING TEAM MIKURAwith ALL-ONE | Yamaha | 36'22.661(-2Laps) |
IA1 RESULT Heat.2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | TEAM HRC | Honda | 33'00.274 (16Laps) |
2 | 田中 教世 | YAMAHA YSP Racing Team | Yamaha | 33'28.801 |
3 | 小島 庸平 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'38.449 |
4 | 小方 誠 | TEAM HRC | Honda | 33'44.218 |
5 | 北居 良樹 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 33'51.947 |
6 | 三原 拓也 | K. R. T. | Kawasaki | 33'52.789 |
7 | 星野 裕 | グリーンクラブ&パーク神戸RT | Kawasaki | 33'53.608 |
8 | 平田 優 | YAMAHA YSP Racing Team | Yamaha | 33'57.047 |
9 | 星野 優位 | SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS | Honda | 34'08.656 |
10 | 増田 一将 | kazu Racing Project×West wood | Honda | 34'32.270 |
11 | 深谷 広一 | TEAM MOTO SPORTS FUKAYA | Honda | 33'03.091(-1Lap) |
12 | 池谷 優太 | Team SRM with マウンテンライダーズ | Suzuki | 33'20.244(-1Lap) |
13 | 尾崎 友哉 | RIDEZ Muc-Off YSP HO | Yamaha | 33'41.496(-1Lap) |
14 | 熱田 孝高 | Team SUZUKI | Suzuki | 33'55.051(-1Lap) |
15 | 斉藤 崇 | SRF関東オートスポーツ清水 | Suzuki | 34'10.887(-1Lap) |
16 | 鈴木 正明 | 秀明道場 | Suzuki | 34'21.384(-1Lap) |
17 | 高原 佳紀 | SRFスポーツ九州 | Suzuki | 35'03.785(-1Lap) |
18 | 沼田 誠司 | グリーンクラブ ジャッジメント | Kawasaki | 33'14.881(-2Laps) |
19 | 谷本 功志 | TSKレーシング | Honda | 33'31.653(-2Laps) |
20 | 中村 泰介 | RACING TEAM MIKURAwith ALL-ONE | Yamaha | 34'18.226(-2Laps) |
21 | 桒垣 竜斗 | KTMうず潮レーシング福山 | KTM | 34'26.136(-2Laps) |
IA1 RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田 亮 | Honda | 50 |
2 | 小島 庸平 | Suzuki | 36 |
3 | 小方 誠 | Honda | 36 |
4 | 平田 優 | Yamaha | 35 |
5 | 田中 教世 | Yamaha | 33 |
6 | 北居 良樹 | KTM | 30 |
15 | 尾崎 友哉 | Yamaha | 15 |
20 | 鎌倉 大樹 | Yamaha | 2 |
21 | 中村 泰介 | Yamaha | 1 |
COMMENT
平田優選手談(2位/8位:総合4位)
「金曜日からとても緊張していたのですが、予選の成績が悪かったために吹っ切れ、ある程度リラックスした状態で決勝に臨むことができました。第1ヒートはサイティングの時にある程度のスタートが切れるという感覚はあったのですが、ホールショットを獲得できたのは驚きでした。レースは成田選手に抜かれる前も、抜かれた後も、特に意識はせず自分は自分のやれることをしようと考えながら走りました。優勝できなかったのは残念ですが、移籍後の初レースで表彰台を獲得できホッしました。第2ヒートは、スタートこそ良くなかったのですが、追い上げて順位をあげていく中で気持ちをコントロールできず、無理して転倒してしまいました。その後も諦めずに最後まで走り切りましたが、第1ヒートから大きく順位を落としたものの、荒れた路面でのマシンの挙動について理解も深まったし、いろいろな課題も見つかるなど十分な収穫があり、自信をもてた開幕戦となりました」
田中教世選手談(10位/2位:総合5位)
「第1ヒートは、とても冷静な精神状態でグリッドに立つことができました。しかしスタートで遅れてしまい、一本ラインで勝負するにはリスクがあったため、後半勝負を選択して前方のライダーについていく作戦をとりました。しかしアクシデントで順位を落としてしまったため、その後はポイント獲得に切り替え落ち着いて走行しました。第2ヒートはスタートが決まって成田選手に続く2番手という絶好のポジションからのレースとなりました。早い段階で仕掛けたかったのですが、成田選手が速い部分、自分が勝っている部分があり、なかなか追いつけず、後半勝負を考えていましたが、その後半で逆に離され結局は勝負できないまま2位という悔しい結果となりました。でも、昨年の開幕から表彰台がなく、ここで立てたこでホッとしたというのが正直な気持ちです。それに今回で戦える手応えもつかんだので、今後はもっと自信を持ってレースに臨んでいきたいと思います」
志原真央監督談(YSP南くるめ店長)
「今シーズンはライダーが2名、マシンもYZ450FMとなりチームが新しく生まれ変わりました。レース前はチーム全体がピリピリした状況で、特にライダーは高い緊張感の中でのレースになったと思います。こうした状況にもかかわらず、チームに加わったばかりの平田選手が、移籍後初レースで2位表彰台を獲得してチームに勢いを与え、昨年怪我に悩まされた田中選手が、第2ヒートで表彰台に立って本来の姿を見せてくれ、チームとしてはまずまずのスタートを切ることができました。また、今回は気温が低く、足下の悪い中、多くのファンが会場にきてくださったことに感謝するとともに、ファンの皆さまに大変喜んでいただけたことは本当に良かったと思います。まだシーズンはスタートしたばかりですが、今後はチームもマシンもさらに良くなっていきますので、ぜひ期待してください」