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藤田拓哉:シーズンPlayback
3戦欠場をはねのけ「単独での表彰台」を狙う



今年、野左根航汰選手とともに「YAMALUBE RACING TEAM」に加わった藤田拓哉選手。20歳(1994 年11月28日生まれ)ながら、2010年からJSB1000に参戦しており、今年で6年目の挑戦となる次代を担う期待のライダーです。
それを証明するかのように、シーズン開幕前の鈴鹿サーキットでのテストでは2分6秒台をマークするなど非凡な才能を披露。同時にこの藤田選手と新型YZF-R1のポテンシャルが、ライバルたちに脅威を与えることとなったのです。ところが、その鈴鹿サーキットでのテストで藤田選手が転倒して負傷。開幕から3レースを欠場することとなります。

欠場が悔しいのは藤田選手だけではありません。難波恭司監督も「事前テストでペースが良かったのですが、精神面をコントロールすることができませんでした。初戦からライダーを1人欠くという状況で、監督としても悔しい限りです」と語りました。同時に注目されたのが、藤田の復帰レースでした。これに難波監督は慎重姿勢で、「中途半端な状態で復帰するのではなく、しっかりと完治してから復帰させます。まだ若いライダーなので、将来に悪い影響を残したくないですから」

藤田選手が復帰したのが、野左根選手とのコンビで出場した第4戦SUGOのセミ耐久。ウェット路面の予選では野左根選手を上回るタイムをマークし、レースでも着実にポジションを上げ、復帰戦でいきなり3位。この結果に対し「3位に入れたことは、本当にうれしいですね。初めてチームで、新型マシンでの戦いでしたが、今回は野左根選手とのコンビだったからこの成績が残せました」と藤田選手。「YAMALUBE RACING TEAM」にとっても、全員そろってのレースで表彰台を獲得したことは、シーズン後半に向けて価値ある結果となりました。

後半戦のスタートレースとなったオートポリスは、藤田選手にとって単独出走する今年初のレースとなりました。しかし、現実は厳しい状況でした。予選Q1をクリアすることができずに予選11位。しかもスタートでは「これまでに経験したことがないほどに遅れてしまった」と言うように、オープニングラップを15位、結果は10位と、藤田選手にとっては、新チームでの苦いデビューレースとなったのです。

迎えた岡山国際、今回は予選Q1を通過し、予選Q2で10番グリッドを獲得。レースでは、オープニングラップを11位とし、その後は懸命に挽回を試みるも10位でチェッカーとなります。
「どこか歯車が噛み合っていません。ただ、ライバルは開幕からずっとレースを戦いながらマシンを仕上げていますが、僕はまだマシンを仕上げている状態。3レースを欠場したのは、想像以上に大きく響いています」と、悔しさをのぞかせます。難波監督は、「レースは簡単ではありません。とくに国内最高峰のJSB1000ならなおさらです」と、さらなる奮起を促しますが、藤田選手の高いポテンシャルを見抜いていればこそのコメントであり、藤田選手自身も、3戦欠場というビハインドをはねのけるべく、懸命に努力を続けてきました。

残すのは2レースのみ。藤田選手にとっては、開幕前のテストで好タイムを連発したサーキットであり、上位進出、そして野左根選手が既に成し遂げている単独での表彰台登壇を目指し、最終戦MFJGPに臨みます。