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チームを支えるヤマハエンジニアたち

  • 2014年11月01日(土) 18:45
  • 公式予選

YAMAHA YSP Racing Teamの中には、ヤマハスタッフがチームの一員としてレースに帯同し、運営をサポートすると同時に、YZF-R1の開発を行っています。中須賀克行選手がレースの中で感じたマシンに対してのコメントを、また現場(レース)で集めた数々のデータを社内の開発チームにフィードバックしながら、自らも開発者として、チームの勝利を縁の下で支えています。

車体の開発者として、チームに帯同する岩田雅彦は、パーツ類の管理からセッティングの方向性の決定、開発まで幅広い役割を担っています。
「現場では、チーフメカニックが全体の指揮を取り仕切っているのですが、私たちは開発者としての知識だけでなく、私自身の経験、阿部典史選手、中野真矢選手、C・チェカ選手、V・ロッシ選手などのエンジニアとして、世界のレースで蓄積したノウハウを持っています。これらを最大限に発揮し、現場のスタッフにセッティングの方向性についての情報を提供しながら、よりよい車体セッティングを導きだしていく手助けをしています。
しかし、これだけではありません。中須賀選手は常に進化を求めています。現場でのコメントを持ち帰り、それを元に開発を行うわけです。また、逆に開発からライダーに提案するかたちでパーツを持ち込むこともある。この時は、ウィークのどのタイミングでテストを行うかをチームと相談しながら決定し、またライダーのコメント、データを確認してそのパーツを採用するか否かを判断するという作業もあります」

一方、エンジンを担当する名倉嘉一も、岩田と同様、現場のスタッフとして、また社内の開発チームへのパイプ役、開発者として活動しています。
「中須賀選手の求めるフィーリングへエンジンを最適化していくことが主な役割となります。中須賀選手はR1の特徴でもある、フラットなトルク特性を完璧に自分のものにしていますが、そのトルク特性をコースによって微妙に変化する好みへと最適化するのです。
また車体と同様、中須賀選手はエンジンに対しても常にステップアップを求めてきます。私自身、レースの経験があるため、ライダーの言葉、ニュアンスがわかる部分がありますが、トップライダーにしか分からない領域は、吉川ディレクターとのコミュニケーションを通じて、作り込みを行っています。
もちろんすべてを一気にクリアできるわけではないので、一歩一歩ですが、着実にバージョンアップできているという状況です。ちなみに、現行モデルがデビューした2009年から比較すると、パワーもスピードも確実に進化しています。それでも中須賀選手は満足することはないし、我々もまた、そうした意識を常にもって戦っています。マシンの進化に終わりはないですからね」

そして、チームの一員としてこの2人も最後のレースを迎えますが、その意気込みを聞かせてもらいました。「3連覇がかかった大勝負、トラブルなど出ないように細心の注意を払っていますし、緊張もします。でも、普段通りやることが一番。いつもと変わらずやるだけです」(岩田)。
「このレースは1年間に渡って私たちがやってきたことの集大成です。他のチームのマシンにも遅れを取っているわけではないし、手応えはありますよ」(名倉)。

中須賀選手だけでなく、チームも3連覇に向けて戦っています。決戦は明日。いよいよです。