レース1でヤマハ勢トップの11位、レース2はトップ10フィニッシュ
GRT Yamaha WorldSBKの野左根航太が、第9戦カタルニア大会に出場。開幕前の事前テストで経験があり、その際に相性の良さを確認していたサーキット。実際ウィークに入ると、FP1は1'43.898の17番手から確実にタイムを縮めるだけでなく、ポジションをアップ。スーパーポールでは、1'41.744をマーク。トップに1.3秒差で自己最高となる12番手・4列目のグリッドを確保し、決勝へと望んでいった。
9月18日に午後に行われたレース1には、ヤマハ発動機のロードレース世界選手権参戦60周年を記念した白と赤の特別カラーのR1が用意され、野左根も他の3人と同様に、レザースーツやヘルメットなどを特別しようの装具を纏い、レース1を迎えたが、自身初となるフルウエットでのレースとなった。
午前中のスーパーポールから好調ぶりを発揮した野左根は、最初の走行で6位。しかしその後、全体のペースが上がると12位に後退し、レース1をグリッド4列目からスタートすることとなった。
ここで既に世界レベルのライダーの中でも大きな武器となっているスタートダッシュを決めて、12番手から一気に7番手にポジションを上げて第1コーナーに進入。ウエット・コンディションの経験不足もあり中盤までに13番手まで後退したが、ライディング・スタイルを変化させて対応し、トップチームのA・ロカテッリをとらえて一時、10番手に浮上した。しかしゴールラインまでの最後の戦いでC・デイビス(ドゥカティ)に先行を許し、わずか0.008秒差でトップ10を逃して11位でチェッカーを受けた。
なお、チームメイトのG・ガーロフがサイティングラップで転倒、トップ争いをしていたT・ラズガットリオグルがマシントラブルでリタイアとなっていたことから、野左根がヤマハ勢でトップの成績を治めることとなった。
好天に恵まれた9月19日、まず行われたスーパーポール・レースは、野左根にとって不運のレースとなった。12番グリッドから絶好のスタートを切り、すぐさまトップ10争いに加わると、さらにひとつ上げて9番手を確保しする。ところが、デイビスが転倒しレッドフラッグが提示され、レースは一時、中断さとなってします。
その後のリスタートでは、積極的にポジションアップを目指し、2ラップ目の第10コーナー進入では6番手に浮上。ところが今度はその立ち上がり、目前でロカテッリが転倒し、野左根はこれを避けきれず、巻き込まれる形で転倒、2度の好スタートが水の泡となるリタイアとなってしまった。
リタイアから切り替え、14番グリッドからレース2をスタートした野左根。今回も好スタートを決めて一気に7台をパスしたが、その後、レッドフラッグによりレースは中断され、もう一度、グリッドにマシンを並べることとなった。
野左根は2回目のスタートも成功させると第2コーナーまでに8番手とし、オープニングラップの終盤でひとつポジションを上げて7番手とする。その後はS・レディング(ドゥカティ)、チームメイトのガーロフ、レース1で表彰台を獲得したA・バッサーニ(ドゥカティ)、ハスラム(ホンダ)といった実力者たちとバトルを展開した。
しかし、カタルニア・サーキットのドライ・コンディションへの経験不足もあり徐々に後退。終盤はM・ファン・デル・マーク(BMW)と9位争いとなり先行を許したものの、メインレースでシングルフィニッシュに迫る今季最高の10位でチェッカーを受けた。
野左根航太選手談(11位/DNF/10位)
「スーパーポールでは好タイムを記録できうれしく思います。初のウエット・レースとなったレース1は非常に厳しい展開でした。スタートから1ラップ目までは好調だったのですが、難しいコンディションのなかで自信が持てず、少しずつ順位を下げてしまったのです。それでも10ラップ以降は、自分のライディング・スタイルを少し変えて対応し、最後までペースを維持して走り切ることができたのは良かったと思います。最終ラップは大勢と競り合いになり、ついにはデイビス選手に抜かれてしまいました。ほんのわずかの差でトップ10に届きませんでしたが、後半はとてもいいレースとなりました。
スーパーポール・レースは予定通りドライ。まず1回目のレースはとても好調でした。ペースも良く、ハスラム選手と接近したバトルを展開することができました。ところが赤旗中断。ここで気持ちをリセットしなければならなくなりましたが、その後の再スタートではまた良いポジションにつけることができました。ところが運悪く目の前で転倒があり、それを避けることができずリタイアとなってしまいました」
レース2もまたスタートがうまくいって6~7ラップくらいまではとても順調でしたが、周回が進むうちに少しずつ遅れ始め、ポジションを下げてしまいました。とても難しいレースでしたが、シーズン最高の成績を獲得できたことで次のヘレスに向けて大きな自信になりました。ここからさらに上を目指していきます」
Race 1
1 | S・レディング | Ducati | 39'08.002 |
---|---|---|---|
2 | A・バッサーニ | Ducati | 1.577 |
3 | M・リナルディ | Ducati | 2.326 |
4 | J・レイ | Kawasaki | 4.554 |
5 | M・ファン・デル・マーク | BMW | 6.518 |
6 | A・ローズ | Kawasaki | 8.514 |
7 | L・ハスラム | Honda | 12.695 |
8 | T・サイクス | BMW | 15.346 |
9 | A・バウティスタ | Honda | 16.938 |
10 | C・デイビス | Ducati | 33.386 |
11 | 野左根航汰 | Yamaha | 33.394 |
12 | A・ロカテッリ | Yamaha | 34.169 |
DNF | T・ラズガットリオグル | Yamaha | 6 Laps |
DNS | G・ガーロフ | Yamaha | 20 Laps |
Superpole Race
1 | J・レイ | Kawasaki | 8'32.847 |
---|---|---|---|
2 | T・ラズガットリオグル | Yamaha | 0.211 |
3 | A・バウティスタ | Honda | 2.771 |
4 | A・ローズ | Kawasaki | 2.948 |
5 | M・リナルディ | Ducati | 3.428 |
6 | A・バッサーニ | Ducati | 5.431 |
7 | L・ハスラム | Honda | 5.729 |
8 | G・ガーロフ | Yamaha | 5.814 |
9 | C・ポンソン | Yamaha | 9.514 |
10 | L・メルカド/td> | Honda | 9.818 |
DNF | A・ロカテッリ | Yamaha | 4 Laps |
DNF | 野左根航汰 | Yamaha | 4 Laps |
Race 2
1 | M・リナルディ | Ducati | 32'48.622 |
---|---|---|---|
2 | T・ラズガットリオグル | Yamaha | 3.030 |
3 | S・レディング | Ducati | 3.207 |
4 | A・バウティスタ | Honda | 3.415 |
5 | A・ロカテッリ | Yamaha | 4.306 |
6 | J・レイ | Kawasaki | 7.733 |
7 | G・ガーロフ | Yamaha | 11.098 |
8 | A・バッサーニ | Ducati | 14.227 |
9 | M・ファン・デル・マーク | BMW | 15.679 |
10 | 野左根航汰 | Yamaha | 17.429 |