WorldSBKデビュー戦、全3レースでポイントを獲得！

2021.05.24

2020年、全日本ロードレース選手権最高峰クラスのチャンピオンである野左根航汰が、アラゴンラウンドにて、ついにスーパーバイク世界選手権にデビューした。開幕戦のアラゴンラウンドに向けては、4月中に2度のテストに参加。初めて臨むこととなるサーキットの習熟に加え、新しい相棒であるGRT Yamaha WorldSBK TeamのYZF-R1のセットアップなどを行い、順調に準備を進めてきた。

ウィーク初日の5月21日（金）は、フリープラクティス2本に出走し、FP１を1'51.376で14番手、FP2を1'52.238で15番手。翌22日（土）は、FP3を1'51.579で17番手と、思うようにタイムを伸ばせないままスーパーポール（予選）を迎えることとなった。

野左根にとっては初めてとなるスーパーポールだったが、上位に食い込むことこそできなかったものの、自己ベストとなる1'50.435をマークし16番手を獲得。さらに調子を上げて臨んだ初の決勝レース1では、好スタートを決めて大きくポジションを上げオープニングラップを11番手で終えた。しかしその後は少しずつ順位を落とし、一時はポイント圏外まで後退してしまう。それでも終始、安定したペースを維持してミスなく走り続けた結果、上位陣の転倒もあり最終的には14位でチェッカーを受け、デビュー戦で貴重な2ポイントを手中にした。

ウィーク最終日となる5月23日は、10周のスーパーポールレースとレース2が行われた。まず、小雨がパラつく難しいコンディションの中で迎えたスーパーポールレースでは、多くの経験を持つチームがリアタイヤにインターミディエイト、フロントにレインを選択。これを履いて挑んだ野左根だったが、スタート直後に他車と軽い接触があり順位を下げてしまう。

しかし、ここから力強い走りで懸命に挽回を図り、WorldSBKで活躍する多くのベテラン勢を次々にオーバーテイクするライディングを見せる。５ラップ目までに11番手に浮上していた野左根は、この時点でトップ5とほぼ同等のペースをキープすると、7ラップ目には昨年、同大会の覇者であるＭ・Ｒ・リナルディ（ドゥカティ）をパスして10番手へ。さらに残り2周となったところで、Ｌ・ハスラム（ホンダ）をとらえて9番手に浮上した。

さらに路面が乾いていくなかでＳ・レッディング（ドゥカティ）との差を詰めていったがかわすに届かず、そのまま9位でチェッカー。レース1に続きポイントをゲットするとともに、レース2のグリッドを9番手に前進させることに成功した。

そして、開幕戦アラゴンラウンドをクライマックスとなるレース2は、先に触れた通り、スーパーポールレースで獲得した9番グリッドからスタート。再びウエットが宣言された難しいコンディションの中、インターミディエイトのタイヤを装着してスタートを切ると、最初のいくつかのコーナーを慎重に走行したこともあり、一つ順位を下げ1ラップ目を10番手で終えた。

その後、12番手にポジションを下げてしまったが、安定したリズムでポジションをキープしたまま、前を行くＡ・バウティスタ（ホンダ）との差を縮めていった。しかし、最後まで勝負はできず12位でチェッカーを受け、全3レースでポイントを獲得しデビュー戦を終えた。

野左根航汰選手談（14／9／12位）

Results

Race 1

Superpole Race

Race 2