課題を掴みと成果を感じたミサノテスト、順調な一歩を踏み出しました!
今回は、3月15-16日、イタリアのミサノサーキットで行われたテストについて話したいと思います。2日間のスケジュールでしたが、その初日は苦戦し、印象としては「このままではまずい...」というもの。
ただ、その原因は明確でした。
ミサノが初のサーキットであったことや、新型のマシンやタイヤへ慣れていく段階であったのこと。また、路面が改修されグリップが上がり、経験のあるライダーが好タイムを出していたことなどです。
テストのテーマは、昨年ヘレスで乗った2020年型と今回用意された2021年型の比較や、コースへの適応でしたが、ラップを重ね、午後になると少しずつ感覚を取り戻してきたので、気持ちとしては落ち着いてきました。
それでも、マシンのパッケージは足回りが大きく異なっており、全日本はブリヂストン×KYB、WSBKはピレリ×オーリンズ。特にサスは、KYBのしっかりした特性に対して、オーリンズは動かして乗るところがあるので、これからもっと習熟していく必要を感じました。
またタイヤは、予選と決勝タイヤが近い全日本に対し、WSBKの予選用はライフが2周程度のタイムアタック専用で、決勝用と大きなギャップがあります。これに慣れる必要があり、予選用はまずまずのタイムが出せるのですが、決勝用になるとライバルとの差が大きくなってしまうのです。
結局この初日は、トップとなったトプラック選手が1分34秒265だったのに対し、1分36秒523という結果でした。でも課題を明確にできたこと、サーキットに慣れることができた点は大きな収穫です。
2日目は、走り出しから決勝用タイヤで前日の予選タイヤレベルのタイムが出せるようになり、前日の成果がタイムに反映されました。ベストタイムは予選用タイヤで昨日から1.5秒短縮し、1分35秒003で8番手。
先に、路面改修が行われて全体的にタイムが短縮されていることに触れましたが、2019年にジョナサン・レイ選手がスーパーポールで記録した1分34秒596から0.5秒落ち。当時では予選4番手に相当するタイムなので、ポジティブに捉えています。
僕の強みと弱みを知り尽くしている吉川さんが、それを踏まえたアドバイスをしてくれたことも大きなプラスになりました。また通訳の方も、難しいレース用語が飛び交う中で積極的に学び、一生懸命チームに伝えてくれており、こうしたサポートには、本当に感謝しかありません。
2日目のトップは、リナルディ選手(ドゥカティ)の1分33秒688。これに続くトプラック選手が1分33秒886、チームメイトのガーロフ選手が1分34秒013とトップ3が速い状況。ただ4番手以下は接近しているので、トップはまだ先にありますがモチベーションは高まっていくばかりです。
課題は決勝用タイヤでのペースアップであることは変わりなく、ライバルの強さを痛感したテストでもありました。
次回は3月31日から4月1日かけてカタルニアでテストが行われます。ここから公式テストとなり、カワサキのトップチームや、HRC、BMWなどフルメンバーが揃います。
WSBKはプロダクションマシンで叩き上げてきたライダーやMotoGP経験者がライバルになりますが、僕がここを主戦場に選んだのは、彼らと戦うため、そして勝ち上がるためです。
チームメイトで同級生でもあるガーロフ選手が結果を残していることを考えれば、僕にもチャンスはあるはず。WSBKの環境に慣れながら、身近なガーロフ選手からしっかりと学んで食らいついていきたいと思います。
それでは、次回の公式テストを楽しみにしていてください。チャオ!