ロッシ選手、日本グランプリ直前インタビュー
「ライバルたちは強い。だけど自信はある」
バレンティーノ・ロッシ選手が、最後にMotoGPでチャンピオンを獲得したのは2009年。そこから5年の歳月が流れ、ホルヘ・ロレンソ選手やマルク・マルケス選手といった強力な若手ライダーたちが頭角をあわらしはじめました。しかし、1996年のGPデビューから20年目を迎えた今年、再び輝きを取り戻したロッシ選手。そしていま、チャンピオンをかけた重要な一戦、日本グランプリを前に36歳の偉大なチャレンジャーに、今年の変化やタイトルへの自信について聞きました。
とても充実したシーズンを送っていますね。
驚異的なシーズンだし、最後の最後までこの調子が続くことを信じている。11レース中11回表彰台に上がることができているのだから、ポジティブだよ。ホルヘ(・ロレンソ)も僕も、ライダーズランキングで首位タイだ(取材9月/アラゴンGP終了時点では14ポイント差でランキングトップ)。チームとコンストラクターチャンピオンのタイトルを目指すYAMAHAにとっても、これは大きいね(アラゴンGPでチームタイトルを獲得)。恐らく、ライダーのチャンピオン争いは最終戦までもつれ込むはずだ。マルク(・マルケス)、ホルヘ、僕と、今のMotoGPには常に速さを発揮できるライダーが3人いる。僕らはみんな、良いコンディションだし、みんながチャンピオンを欲しているんだ。だから、現時点ではハッピーな気分だけど、もっと改善していく必要がある。予選の改善もそうだし、日曜が決勝の場合は大抵金曜に行われる練習走行もそう。やらなければならないことはまだまだあるし、僕にはそれができると思っている。それだけ今、自信があるよ。レースのレベルも高いし、そのレベルの高いレースでの結果は、ガレージでチームが成し遂げた成果そのものだからね。
タイトル争いへの自信は?
ミサノ、セパン、フィリップアイランドといった僕の大好きなサーキットがまだ残っているけど、今シーズンは本当に拮抗していて、何が起こってもおかしくないんだ。イレギュラーはたくさんあるし、それでもここまではうまくきているから、シーズン終盤へ向け、もっともっと強くなる必要があると感じているよ。
過去数年と、今年との違いは?
歳をとったことかな(笑)。実際、かなりフィットしているし、以前と比較してもコンペティティブだよ。(YAMAHA復帰後の)過去2年もずっとハードワークをしてきたけれど、正直に言うと、これまでのキャリアの中で、そんなにトレーニングはしてこなかったんだ。でも今シーズンはかつてないほどのトレーニングをシーズン前にこなし、開幕に向けて備えたんだ。開幕後も休みらしい休みといえば、ほんの数日、友人と夏休みを楽しんだくらいさ。長くレースの世界にいるけど、ライダーのライフスタイルは劇的に変わっていった。今やMotoGPのライダーたちは驚くべきアスリートになったし、フィジカルトレーニングも、サッカー同様によく研究されたメニューを消化していくわけだからね。以前はこんなんじゃなかったよ。トレーニングの必要なんてなかったし、寝て、ビール飲んで、レースへいっても勝てる時代だった(笑)。これがレース界が変わった理由だよ。以前はレースの間でも他のライダーについて研究する時間があったけれど、今は1周目から全開で、驚異的なスーパーラップをチェッカーまで続けるんだ。そうしたリズムをキープするためにトレーニングは欠かせないし、レース中に問われる集中力も半端じゃないのさ。
日本のファンにメッセージをお願いします。
いつも、多大なサポートと応援をくれる日本のファンのみんなに感謝を伝えたい。過去20年、ずっと支えてくれてともに歩んできてくれたことに対して、いくら感謝してもしきれないよ。本当に、(ツインリンク)もてぎで再びみんなに会えることを心待ちにしているんだ。計り知れないほど貴重な日本のファンのみんなの、すべてのサポートに対して感謝を表すために、日本グランプリではベストを尽くすことを誓うよ!