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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.07 11月3日 東北

RACE DATA

■開催日:2019年11月3日
■開催地:宮城県・スポーツランドSUGO
■観客:1,200人
■気温:18度
■天候:晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:野崎史高(ヤマハ)/19

REPORT

黒山健一惜しくも6位、野崎史高は4位

全日本トライアル選手権シリーズ(全7戦)の最終戦となる第7戦東北大会は、今年も宮城県のスポーツランドSUGOトライアルコースで行われた。前戦の第6戦中部大会(10月13日/愛知県)は大型の台風19号の接近により中止となったため、1戦少ない全6戦でタイトル争いの決着を迎えることになった。最高峰の国際A級スーパークラスにYAMAHA FACTORY RACING TEAMから参戦している黒山健一(ゼッケン3)は、トライアル世界選手権の電動バイククラス参戦のため1戦欠場しており王座奪還は難しいが、今季2勝目を上げた前回第5戦につづく連勝で今季最多優勝となる3勝目を獲得して来季につなげる構えだ。黒山と同様のファクトリーマシンTYS250Fiに乗り、タイトル争いを展開してきた野崎史高(ゼッケン2/Team FwO with YAMALUBE)は、大逆転チャンピオンへの望みをつなぐべく優勝をめざした。

最高峰である国際A級スーパークラスの競技は19名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクションに挑んだ。大会前日は好天に恵まれ、土の路面はややぬかるんだところがあるものの、時間が経つにつれて泥が乾き、大岩やコンクリートなどの障害物もグリップが良くなっていった。セクションの難易度はあまり高くないものが多いため、失敗が許されない神経戦となり、難しい2段のコンクリートを上がる第3セクションなどが勝負どころになった。

1ラップ目の黒山は、第1・第2セクションを連続クリーン(減点0で走破)と好調な滑り出しだったが、問題の第3セクションの2段目を上がるところでまさかの失敗、減点5を加算した。その後は5連続クリーンで持ち直し、1ラップ目の最後の2つのセクションもそれぞれ足着き1回(減点1)でこなし、黒山は1ラップ目を合計7点で終えた。1ラップ目終了時点の1位は小川友幸(ゼッケン1)で0点。2位は4点の柴田暁(ゼッケン4)、黒山は3位だがまだまだ2ラップ目に逆転を狙える点差だった。また、黒山7点の後には、氏川政哉(ゼッケン6)9点が続き、さらに野崎10点にも優勝のチャンスはまだ残されていた。

2ラップ目の黒山は、鬼門の第3セクションで再び減点5となったものの、他の9セクションは見事にすべてをクリーンした。一方、トップの小川(友)も第3セクションを失敗、さらに減点2を加算した。また、氏川と小川毅士(ゼッケン5)はともに減点1、柴田は減点4、野崎は減点5を加えた。この結果、2ラップ目終了後の順位は、1位小川(友)7点、2位柴田8点、3位氏川10点、4位黒山12点、5位野崎15点、6位小川(毅)19点という接戦状態。1位小川(友)と4位黒山は5点差のため、5位野崎も含めて残り2つのスペシャル・セクション(SS-1、SS-2)に逆転の可能性があった。

SS-1は崖を上り下りするもので、とくに最初の上りの難易度が高かった。そこで、黒山は上がりきるところで惜しくも失敗。柴田もまた、上がりかけたところで失敗した。ところが、小川(友)、氏川、小川(毅)、そして野崎らはこの難関をクリーン。SS-1を終えた時点で、1位小川(友)7点、2位氏川10点、3位柴田13点、4位野崎15点、5位黒山17点、6位小川(毅)19点。黒山には、柴田を逆転する可能性が残された。注目の最終セクションSS-2は、巨大なタイヤを乗り越える出口が難関だった。ここを減点1で越えた小川(友)が逃げ切って優勝。クリーンした氏川が2位、同じくクリーンの柴田が3位。SSは鮮やかに2つともクリーンした野崎が、今大会最多クリーン数19を記録するとともに4位。小川(毅)はクリーンで合計19点。黒山は最後に減点2を加算して、小川(毅)と同じ19点で並んだ。クリーンの数、減点1の数、減点2の数も、両者同数だった。しかし、減点3の数は小川(毅)が黒山を上回ったため、小川(毅)が5位。黒山は本当に惜しいところで6位となった。なお、黒山&野崎とともにファクトリーマシンTYS250Fiに乗る若手のホープ久岡孝二(ゼッケン12)は、自己最高位の7位を3戦連続でゲットした。

ポイントランキングは、黒山が2年連続3位。野崎は2年連続2位となり、両者とも来季のタイトル獲得を誓った。久岡はランキング12位から8位へと躍進した。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

黒山健一選手談(6位)

「今日はちょっとうまく走れなかったですね。セクションの内容的にそれほど難しいセクションがあったわけではないので、今日の僕の調子では勝ちに行くにはほど遠い走りだったなと意識しています。結局、僕の中では勝負できるセクションが1つしかなかったので、それを2回とも外してしまったのが敗因です。その第3セクションは過去に何回も走っていますが、今年は駄目でした。今シーズンは、中部大会があったらランキング2位の可能性がちょっとあったのですが、大会がなくなった時点でランキング3位のままという状況だったので。最終戦は勝って終わりたいと頑張りましたが、ある意味精神的にしんどい試合でした。来年は、ここ数年の屈辱とちょっと恥ずかしい思いをしている成績をくつがえすためにも全日本チャンピオンを狙いにいきたいという思いはあります」

野崎史高選手談(4位)

「今日は、1ラップ目の第3セクションと最終セクションで5点をとって計10点と、2ラップ目に最終セクションでとった5点のみで。足着きの減点は1回もなく、5点を3つとっただけだったので。とくに最終セクションで2回5点をとったのが敗因です。最低でも1点2点で抑えておかないといけなかったですね。僕が最も多くクリーン19をとった"ベストクリーン"なだけに、合計3つの5点がやってはいけない失敗でした。今シーズンは開幕戦優勝の貯金を第4戦北海道大会で一気に使ってしまったので、来季は北海道大会を攻略して、来年こそは1位をめざして頑張ります」

木村治男監督談

「結果的には、非常に残念な結果になりました。1回ここまできたら、とにかく来年に向かってゼロから出直すような気持ちで、また新しいトライアルをしていきたいと思います。その中で若い久岡選手が確実に成長してくれているのは良いニュースだと思います。これからも、来年に向けて僕たちは準備しますし、ぜひ引き続き応援よろしくお願いいたします。来年は必ず、いただくものはいただきたいと思います」

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